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【伝奇】東京ブリーチャーズ【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net (285レス)
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多甫 祈
◆MJjxToab/g
2017/01/29(日)01:25
ID:DtYvpmWH(5/8)
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218: 多甫 祈 ◆MJjxToab/g [sage] 2017/01/29(日) 01:25:47.19 ID:DtYvpmWH 禹歩(うほ。なんとなくノエルが好きそうな言葉の響きだと祈は思う)、 とかいうダンスにどれ程の意味があるのかは、正直なところ祈には分からない。 だが本当にどうしようもなくなった時に役に立つのだと言うし、 この緊急事態にふざける橘音ではないので、とりあえず素直に覚えておくことにしたのだった。 体育の授業でダンスを習っている祈としては覚えるのに大した苦労はなかったし、 慣れぬ下半身の感覚を慣らすだけの時間にもなったのだが、とかくそれを全員が覚えるのに要した時間。 そしてテレビが映すコトリバコが暴れる現場、稲城市の某商店街へと辿り着くまでの時間は、 非常に焦れたものになった。 アベンジャー○じゃねーか。そう橘音の掛け声にはしっかりとツッコミを入れて事務所を後にしたものの、 早く行かねばと気は焦る。 消防署の人達だって、通報があってもすぐ現場には赴かず、 まずはどのように動くかなどしっかり話し合ってから動くのだとテレビで言っていたし、 橘音は事件があってからすぐにそれを妖怪の仕業だと見抜き、ミーティングをしてすぐに動いた。 これが最善の、最速のやり方だった筈だと信じても。 目の前に広がる惨状はどうしても、もう少し早ければなんとかなったのではという後悔にも似た気持ちを祈に思わせる。 血に塗れた女性の遺体。それを蘇生しようとする救急隊員。群がる野次馬達。 騒然とする事件現場を、手馴れた様子で掻き分けてすいすい歩く橘音の後に付いて行きながら、 やりきれない思いを抱えざるを得ない。 だが今は悔やんでいる時ではない。そう被りを振って、祈は気持ちを理性で追い越していく。 橘音率いるプチ続く百鬼夜行は、やがて立ち入り禁止と書かれた黄色のテープの前で制止を求められるが、 立ち塞がるその警察官も、橘音の声を聴き目を見てしまえば道を開けた。 バリケードテープの内側へと侵入する奇妙な面々に向く野次馬の目を避ける為、 祈はパーカーのフードを被って顔を隠した。スマホを向けられて写真を撮られ、それがネット上にアップされたりすれば、 同級生や先生などに見つかって厄介なことになる。そんな事態を恐れた為だった。 そうしてバリケードテープを潜ってその境界の内側に入ると、 妖怪としての感覚やセンサーに欠ける祈でも、流石に空気が変わったのが分かる。 首筋に走る、悪寒めいたぞわぞわした感覚。 血の臭いも濃くなり、ここにコトリバコがいることは間違いないと、ここは危険だと五感が告げている。 >「この『残り香』から察するに……コトリバコはまずこの近辺に現れ、あちらへ向かったようですね」 橘音も同様に――と言っても祈などよりも遥かに優れた感覚でそれを察知しているだろう――、 それを感じているようで、そんなことを言う。 女性たちが作った血の跡を追い、橘音の指示に従って5分ほど歩いた頃だろうか。 何かの影が祈の視界の端をよぎった。 祈は警戒して構えるが、そのふらついた影が人間の姿をしていたことで、祈は警戒を弱めた。 視界をよぎったのは、薬局から姿を現した影は女性だった。下腹部は血に染まっているが、まだかろうじて生きている。 >「た……、た、助けて……。助けて……ください……」 か細い声を絞り出して、女性は助けを求める。 良かった、まだ生きている人がいたんだ。祈は希望を見て、駆け出した。 もしかすれば尾弐に授けられたこの封筒を押し当てれば、 コトリバコから受けた呪詛を弾き返すことができ、生存の可能性があるのやもしれない。 そんなことを思ってのことだった。しかし、 >「……この妖気!皆さん、来ますよ!」 橘音の鋭い言葉に、祈の足が止まる。 間髪入れず、女性が大量の血を吐き出し、絶叫。 >「あ……あ……、ああああああああ……!ひっ、ひぎっ……あぁ、ぎ……ぎゃあああああああああ―――ッ!!!」 その女性の足元に転がる小箱を、祈は見た。 遅かったのだ。もう既にこの女性は、コトリバコの呪詛をどうしようもないくらいに受けていて――。 顔に爪を立て、頭を掻きむしり、やがて腹を破裂させて。 我が身に降りかかった苦痛を全身で余すことなく表現した後、彼女は絶命する。 助けることができなかった。伸ばしかけた手を祈は握りしめて、歯噛みする。 しかし、己の無力を嘆いている暇など有りはしないのだろう。 女性の死体の傍らに転がる直径10センチにも満たない小さな箱、 コトリバコは自ら展開し、その中身を露わにし始めた。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/218
歩うほなんとなくノエルが好きそうな言葉の響きだと祈は思う とかいうダンスにどれ程の意味があるのかは正直なところ祈には分からない だが本当にどうしようもなくなった時に役に立つのだと言うし この緊急事態にふざける橘音ではないのでとりあえず素直に覚えておくことにしたのだった 体育の授業でダンスを習っている祈としては覚えるのに大した苦労はなかったし 慣れぬ下半身の感覚を慣らすだけの時間にもなったのだがとかくそれを全員が覚えるのに要した時間 そしてテレビが映すコトリバコが暴れる現場稲城市の某商店街へと辿り着くまでの時間は 非常に焦れたものになった アベンジャーじゃねーかそう橘音の掛け声にはしっかりとツッコミを入れて事務所を後にしたものの 早く行かねばと気は焦る 消防署の人達だって通報があってもすぐ現場には赴かず まずはどのように動くかなどしっかり話し合ってから動くのだとテレビで言っていたし 橘音は事件があってからすぐにそれを妖怪の仕業だと見抜きミーティングをしてすぐに動いた これが最善の最速のやり方だった筈だと信じても 目の前に広がる惨状はどうしてももう少し早ければなんとかなったのではという後悔にも似た気持ちを祈に思わせる 血に塗れた女性の遺体それを蘇生しようとする救急隊員群がる野次馬達 騒然とする事件現場を手馴れた様子で掻き分けてすいすい歩く橘音の後に付いて行きながら やりきれない思いを抱えざるを得ない だが今は悔やんでいる時ではないそう被りを振って祈は気持ちを理性で追い越していく 橘音率いるプチ続く百鬼夜行はやがて立ち入り禁止と書かれた黄色のテープの前で制止を求められるが 立ち塞がるその警察官も橘音の声を聴き目を見てしまえば道を開けた バリケードテープの内側へと侵入する奇妙な面に向く野次馬の目を避ける為 祈はパーカーのフードを被って顔を隠したスマホを向けられて写真を撮られそれがネット上にアップされたりすれば 同級生や先生などに見つかって厄介なことになるそんな事態を恐れた為だった そうしてバリケードテープを潜ってその境界の内側に入ると 妖怪としての感覚やセンサーに欠ける祈でも流石に空気が変わったのが分かる 首筋に走る悪寒めいたぞわぞわした感覚 血の臭いも濃くなりここにコトリバコがいることは間違いないとここは危険だと五感が告げている この残り香から察するにコトリバコはまずこの近辺に現れあちらへ向かったようですね 橘音も同様にと言っても祈などよりも遥かに優れた感覚でそれを察知しているだろう それを感じているようでそんなことを言う 女性たちが作った血の跡を追い橘音の指示に従って分ほど歩いた頃だろうか 何かの影が祈の視界の端をよぎった 祈は警戒して構えるがそのふらついた影が人間の姿をしていたことで祈は警戒を弱めた 視界をよぎったのは薬局から姿を現した影は女性だった下腹部は血に染まっているがまだかろうじて生きている たた助けて助けてください か細い声を絞り出して女性は助けを求める 良かったまだ生きている人がいたんだ祈は希望を見て駆け出した もしかすれば尾弐に授けられたこの封筒を押し当てれば コトリバコから受けた呪を弾き返すことができ生存の可能性があるのやもしれない そんなことを思ってのことだったしかし この妖気!皆さん来ますよ! 橘音の鋭い言葉に祈の足が止まる 間髪入れず女性が大量の血を吐き出し絶叫 ああああああああああ!ひっひぎっあぁぎぎゃあああああああああッ!!! その女性の足元に転がる小箱を祈は見た 遅かったのだもう既にこの女性はコトリバコの呪をどうしようもないくらいに受けていて 顔に爪を立て頭を掻きむしりやがて腹を破裂させて 我が身に降りかかった苦痛を全身で余すことなく表現した後彼女は絶命する 助けることができなかった伸ばしかけた手を祈は握りしめて歯噛みする しかし己の無力を嘆いている暇など有りはしないのだろう 女性の死体の傍らに転がる直径センチにも満たない小さな箱 コトリバコは自ら展開しその中身を露わにし始めた
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