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【伝奇】東京ブリーチャーズ【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net (285レス)
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274: 品岡ムジナ ◆VO3bAk5naQ [sage] 2017/02/21(火) 15:18:41.57 ID:nF0h8BIm ずだだだだ、と不格好なガニ股走りでロッポウから逃げる品岡。 無論敵から目を背けて無防備を晒しているわけではない。ちゃんと背中に目を生やしている。 追って飛んでくる粘液を目視し、ジグザグに動いて躱しながら疾走する。 「あかん息切れてきた……!煙草やめよっかなもう……!」 タールに塗れた肺が酸素を求めて律動し、水際の金魚のようにパクパクと喘ぐ。 肉体疲労とは無縁の妖怪と言えど、今日は朝から色々妖術を使いすぎた。 元々そこまで妖力の残高に自信のあるほうでない品岡は露骨に足運びの精彩を欠く。 ロッポウの足音がすぐ背後まで迫ってくる……! >「――スリップ」 横合いから鈴の鳴るような声がしたが早いか路面が突如凍りつき、疾走していたロッポウが足を取られた。 重量感のある転倒の音が響き、走りながら吐いていたゲロが明後日の方向に飛んで街灯を溶かす。 「でかした優男!」 出現したアイスバーンの主は、何故か精肉屋の庇の上でチューブ容器を名残惜しそうにちゅうちゅう吸っているノエル。 涙の出るような好アシストだった。 思わぬ加勢に調子を取り戻した品岡は振り向きざまに、抜け目なく再装填を終わらせていたトカレフを撃つ。 二発、三発。相変わらずの糞エイムで無駄玉が遠くを穿つが、一発がロッポウの右半身に命中した。 「よっしゃ、弾ぜろやクソガキ!」 間断なく妖力を遮断し弾頭の形状変化を解除、廃車のフレームに復元する。 体内で異物を膨張させられたロッポウはイッポウと同じ末路を――辿らなかった。 廃車はロッポウのすぐ後方に現れた。 「なんやと……!」 着弾観測から弾頭の復元、その一瞬の間隙を縫って、ロッポウは被弾箇所を自らえぐり取ったのだ。 虚空に放られたロッポウの肉片が、出現した廃車によって押し潰される。 深く抉られた傷口からは緑の体液が溢れ、それが地面を焦がす頃には傷が塞がってしまった。 ケ枯れには、至らない。 「そら学べ言うたのはワシやけど……適応早すぎるんとちゃうか」 イッポウがケ枯れさせられた原因を即座に理解し、その対策まで完璧にやってのける。 最悪の霊災、最凶呪具の付喪神。わかりきっていたことではあるが、やはり怪異としての格が違う。 ヒトを殺す為の呪いは、より効率よく殺す為に――殺し続ける為に、進化を続けている。 ――!…………――!!! ロッポウは吠える。 その轟きにイッポウのような品岡を揶揄する響きはなく、純粋な己を鼓舞する叫び。 味方を破壊され、孤立し、自分を滅ぼせる相手とおそらく初めて対峙したコトリバコに、最早愉悦の色はない。 ただ人間を嬲り殺すだけだった呪詛の化身が、己が敵を滅する戦士と化し始めていた。 「しんどいなぁ、付き合いきれんわ。ちゅうても見逃してくれるわけやないよな。 ええで、とことん付き合うたるわ。……大人やからな」 ボコ、ボコ、ボコ……と地面に穿たれた複数の穴から廃車のフレームが生える。 それらの圧縮に使っていた妖力を止め、わずかではあるが回復はできた。 氷の棘付きスレッジハンマーを片手で構え、重心を落とす。 「……行くでコトリバコ、ジブンの好きなじゃれ合いや」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/274
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