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【伝奇】東京ブリーチャーズ【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net (285レス)
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多甫 祈
◆MJjxToab/g
2016/12/09(金)20:09
ID:gEEQafkl(1/2)
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44: 多甫 祈 ◆MJjxToab/g [sage] 2016/12/09(金) 20:09:57.11 ID:gEEQafkl 混乱の中、八尺様に追われて路地を疾走しながら、祈は状況を整理する。 (やっぱりここ、結界の中だ……!) 同じ電柱をもう三度も見た。 似たような路地を走り回ったせいで方向感覚はとっくに狂っていて、 どこを走っているのかなどさっぱりわからなくなっている。だがそれでも同じ電柱だと気付けたのは、 電柱にT・Bというイニシャルめいた落書きが青のスプレーで描かれているのを祈が覚えていたからだ。 四度角を曲がった訳でもないのにその電柱に出くわすことや、 そう遠くないはずの公園にいくら走っても辿り着かないことからも、疑いようがない。 この通りの周辺が八尺様の結界によって無限回廊のように変えられてしまっており、 その中に祈は閉じ込められているのだ。 (……これ、割とピンチか?) 八尺様が背後から伸ばした左腕を身をよじって躱しながら、祈は考える。 額からは、焦りから汗が伝った。 この結界からどうにか抜け出して公園にまで八尺様を誘き出さねばならないが、 その方法が、祈には皆目見当もつかないのだった。 だが結界に閉じ込められている以上、外の橘音や御幸をアテにはできない。 確認してみたが、当然のように携帯は圏外だ。 この状況を自分の力だけで乗り越えなければならないのは、頭痛がする思いだった。 真後ろでは八尺様の笑い声が聞こえていた。 八尺様についての話は、祈も橘音から多少聞かされている。 それはかいつまんで言えば、八尺様に魅入られた少年が様々な恐怖体験をしながらもなんとか逃げおおせたと言う話であり、 その話の中では八尺様の生み出す結界のことなど一言も触れられていなかったし、 ましてやその脱出方法など出てくるはずもない。 つまりこの結界は、都市伝説上では語られることのない隠された八尺様の能力だと考えられた。 (そこまでは分かった。でも……分かったからってどうしろってんだ?) 妖怪の中には結界を張るものがそこそこいる。 そして大方は、ある条件を満たしたり、手順を踏むことでその結界を解除させたり、というようなことが可能なのだが、 八尺様の結界という全く未知の結界が相手では、その条件や手順を見つけることは至難だと言っていい。 しかもこんな風に追われていては、周囲を細かに観察することもできない。 今祈にできるのは、足と頭を動かし続けることだけだ。 幸い、都市伝説で語られているように時速20キロ程度が八尺様の限界なのか、 それとも結界に捕らえた獲物を追い回し嬲るのをただ楽しんでいるのか、八尺様が追ってくる速度自体は大したことはない。 時折瞬間移動して祈の真後ろにぴたりと付いてきているが、 ターボババアの孫である祈ならば逃げ続けることも、その追撃の手を躱し続けることも、 決して難しい事ではないように思う。 だが、それもきっと長くは続かないだろう。 この状況で何よりも困るのは、『八尺様がいつでも逃げられること』だった。 今はまだ八尺様が祈のことを小学生男子だと認識しているようで、 この追いかけっこが終わる様子はない。だがいつ気付くだろう。いつ飽きるだろう。 獲物を狩ろうと走る肉食獣だって、捕食不可能だと知るや早々に諦め、追うのを止めてしまう。 それと同じようなことが八尺様に起こらないと何故言えようか。 八尺様が祈への興味を失えば、恐らく結界は解除される。 だが同時にそれは、『八尺様が出現したときと同じように、また消え失せて姿を眩ましてしまう可能性をも意味する』のだった。 そうなれば祈には追跡する手立てはない。 妖気を察知するのに長けたブリーチャーズがいてその手を借りられればいいが、 借りられなければまんまと逃げられることになり、任務は失敗。被害者も増えるかもしれないのだ。 それだけは避けなければならなかった。 だからこそ橘音は自身の張った結界に八尺様を捕らえ、逃げられないようにしようと画策していたのであるし。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/44
混乱の中八尺様に追われて路地を疾走しながら祈は状況を整理する やっぱりここ結界の中だ! 同じ電柱をもう三度も見た 似たような路地を走り回ったせいで方向感覚はとっくに狂っていて どこを走っているのかなどさっぱりわからなくなっているだがそれでも同じ電柱だと気付けたのは 電柱にというイニシャルめいた落書きが青のスプレーで描かれているのを祈が覚えていたからだ 四度角を曲がった訳でもないのにその電柱に出くわすことや そう遠くないはずの公園にいくら走っても辿り着かないことからも疑いようがない この通りの周辺が八尺様の結界によって無限回廊のように変えられてしまっており その中に祈は閉じ込められているのだ これ割とピンチか? 八尺様が背後から伸ばした左腕を身をよじってしながら祈は考える 額からは焦りから汗が伝った この結界からどうにか抜け出して公園にまで八尺様を誘き出さねばならないが その方法が祈には皆目見当もつかないのだった だが結界に閉じ込められている以上外の橘音や御幸をアテにはできない 確認してみたが当然のように携帯は圏外だ この状況を自分の力だけで乗り越えなければならないのは頭痛がする思いだった 真後ろでは八尺様の笑い声が聞こえていた 八尺様についての話は祈も橘音から多少聞かされている それはかいつまんで言えば八尺様に魅入られた少年が様な恐怖体験をしながらもなんとか逃げおおせたと言う話であり その話の中では八尺様の生み出す結界のことなど一言も触れられていなかったし ましてやその脱出方法など出てくるはずもない つまりこの結界は都市伝説上では語られることのない隠された八尺様の能力だと考えられた そこまでは分かったでも分かったからってどうしろってんだ? 妖怪の中には結界を張るものがそこそこいる そして大方はある条件を満たしたり手順を踏むことでその結界を解除させたりというようなことが可能なのだが 八尺様の結界という全く未知の結界が相手ではその条件や手順を見つけることは至難だと言っていい しかもこんな風に追われていては周囲を細かに観察することもできない 今祈にできるのは足と頭を動かし続けることだけだ 幸い都市伝説で語られているように時速キロ程度が八尺様の限界なのか それとも結界に捕らえた獲物を追い回しるのをただ楽しんでいるのか八尺様が追ってくる速度自体は大したことはない 時折瞬間移動して祈の真後ろにぴたりと付いてきているが ターボババアの孫である祈ならば逃げ続けることもその追撃の手をし続けることも 決して難しい事ではないように思う だがそれもきっと長くは続かないだろう この状況で何よりも困るのは八尺様がいつでも逃げられることだった 今はまだ八尺様が祈のことを小学生男子だと認識しているようで この追いかけっこが終わる様子はないだがいつ気付くだろういつ飽きるだろう 獲物を狩ろうと走る肉食獣だって捕食不可能だと知るや早に諦め追うのを止めてしまう それと同じようなことが八尺様に起こらないと何故言えようか 八尺様が祈への興味を失えば恐らく結界は解除される だが同時にそれは八尺様が出現したときと同じようにまた消え失せて姿をましてしまう可能性をも意味するのだった そうなれば祈には追跡する手立てはない 妖気を察知するのに長けたブリーチャーズがいてその手を借りられればいいが 借りられなければまんまと逃げられることになり任務は失敗被害者も増えるかもしれないのだ それだけは避けなければならなかった だからこそ橘音は自身の張った結界に八尺様を捕らえ逃げられないようにしようと画策していたのであるし
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