[過去ログ] 【伝奇】東京ブリーチャーズ【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net (285レス)
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72: 尾弐 黒雄 ◆pNqNUIlvYE 2016/12/22(木)00:54 ID:h75M8XMQ(1/6) AAS
>「いいですよ、ただしボクが逃げた後でよろしく!」
「上司の帰宅まで帰れないたぁ、化物業界も人間じみてきたもんだぜ」
いつも通りの軽口を叩きあう、尾弐と那須野。
だが、垂れ流す言葉こそ弛緩しているものの、尾弐は一瞬たりとも八尺様から視線を外す事はしない。
それは、眼前で繰り広げられている光景が危険なものである事を察知しているが故。
「ぽぽ……ぽぽぽぽぽ」
まるで地に埋められた死者が助けを請うている様に、
異形の怪物たる八尺様の周囲の地面から這い出て来たのは、数多の腕。
血が通わぬ、青白い死人の腕。
呪詛の塊とも呼べるそれらは、八尺様の負の感情が具象化した物であり……故に、その行動目的は決まっている。
八尺様にとっての敵対者……尾弐達を捕獲し、壊す事だ。
>「……げぇ! 何あれ、マドハンド!?」
「ありゃ、舟幽霊とかその類だろ……那須野、俺とノエルで時間作ってやるから、仕込みは任せたぜ」
圧力さえも感じる程に膨れ上がった怨念を纏った『腕』は、暫くの間その場で蠢いていたが、
やがて獲物を捕獲する時の蛇の様に伸び――――尾弐達に襲い掛かってきた。
・・・
「……ちっ」
尾弐の体に纏わりつく、無数の腕、腕、腕、腕、腕。
青白い亡者の如き腕はその数を加速度的に増やし、もはや総数で百を超えようとしていた。
腕は一本一本が人外の膂力を有しており……それらの全てが、尾弐の肉体を捻じ切り、或いは叩き壊そうと試みる。
個を集団が蹂躙せしめるその様は、果たして蜘蛛の糸に群がる地獄の亡者の群れの様であり
群がられているのが一般人であれば、とうの昔に赤黒い挽肉と化していた事だろう。
けれども――――此処に居るのは尾弐黒雄。
剛力と堅牢を有する鬼の眷属である。
「……ああ、面倒臭ぇ。縋るな、祈るな、纏わりつくな」
尾弐が蠅でも払うかの様に雑に腕を振るうと、群がっていた腕は一斉に『弾き飛ばされた』。
更には、その腕の内の数本は半ばから千切れ、黒い霧と化し霧散していく。
退魔師の様に術を用いている訳では無い。
ノエルの様に、権能を用いている訳でもない。
単純な、暴力。
この国において悪と暴力の化身とされる種族の、理不尽なまでの只の力技である。
恐らくは、この『腕』との潰し合いで尾弐が果てる事は無い。
それは、数如きでは覆らぬ程に腕と尾弐とでは性能差が有るからだ。
本気で尾弐を滅したいのであれば、八尺様本体が対峙する以外に可能性は無いだろう。だが……
「ったく、次から次へとキリがねぇなオイ」
負けないという事は、勝てるという事と同義ではない。
無数の腕は、潰した端から増えていく。そして、その腕を効果的に『殲滅』する為の手段が尾弐には欠けていた。
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