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【伝奇】東京ブリーチャーズ【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net (285レス)
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83: 多甫 祈 ◆MJjxToab/g [sage] 2016/12/27(火) 21:20:36.42 ID:qUrL49cQ 尾弐、ノエル、祈の三人は、半ば橘音に追い出されるような形で公園を後にした。 話すことも特になく、僅かな間黙りこくって公園の入り口に佇んでいた三人だが、やがて誰からともなく歩き出す。 橘音は駅前の回転寿司屋だと言っていた為、 とりあえず駅の方へと向かえばその寿司屋の名や場所がわからなくとも辿り着けるのであるし、 三人の中にはその寿司屋について心当たりがある者がいるのかもしれなかった。 「しかし大将も妙なところでケチくせぇよな。タダ飯は有難いけどよ」 歩きながら、尾弐がそう切り出した。 尾弐は葬儀屋という職業柄、葬儀や通夜の席などで寿司を食べる機会がそれなりにあると思われたが、 だがそれでも貴重なタダ飯、ご馳走であることに違いはないのだろう。 加えて彼は先程嘔吐したばかりで胃の中が空である。さぞ腹の虫が騒いでいるのではないだろうか。 一言、二言。尾弐の切り出した上司の愚痴という、“いかにも人間らしい世間話”にノエルが応じるのだが、 祈は終始無言で二人の後をついてくるだけだ。 何か様子がおかしい。それを気にかけてか、なんにせよ、と尾弐は付け加える。 「新入りのボウズの歓迎会も兼ねてんだろうしな? 早く行こうじゃねぇか」 からかうような笑みを浮かべ、少年に扮した祈の頭を帽子越しにぐしゃぐしゃと撫でる尾弐。 「だ、だれが坊主だ!」 祈はそれを両手で掴んで跳ね除けた。更に、右手で目深に被っていた帽子を外し、 左手を首の後ろに回して、パーカーの中に仕舞っていた、腰に届きそうなほどに長い髪を外へと追い出す。 軽く被りを振ると、長い髪が風になびいた。 祈はきりとした目で尾弐をねめつけ、不機嫌そうに唇を尖らせている。 「なんだ、祈の嬢ちゃんだったのか。おじさん全然気付かなかったわ」 降参だとでも言うように大袈裟に両手をあげて、嘯く尾弐。 「わざとらしいんだよ。大体尾弐のおっさん、さっき祈って言いかけてたじゃんか!」 尾弐が八尺様を滅する直前、祈、と言いかけていたのを祈は覚えているのだった。 その指摘に尾弐は「おー、そうだっけか?」などと言いながら顎に手をやり、恍けて見せる。 「ま、変装してる時は気付いてても気付かない振りをしてやるのが大人のマナーって奴だからな」 「やっぱ気付いてんじゃねーか! ていうかなんだその雑なマナー! 女を坊主扱いする方がよっぽどマナー違反だろ!」 祈が怒鳴りながら拳を振り上げると、 「……祈ちゃんだったのか!?」 ノエルがそこに絡んでくる。正真正銘今気付きましたと言わんばかりの真顔で言うものだからタチが悪い。 祈の振り上げた拳は、ぽすりと天然男ノエルへと向かって脱力するように放たれた。 「御幸はあたしが変装する段階でいたんだから知らない訳ないだろ! ばか! 力抜けるだろ!」 「それを忘れるほど華麗な変装だったってことだよ? いや、似合ってたよね!」 今度は軽く脛を蹴られたノエルは、その場にしゃがみ込んで、整った顔をわずかに歪ませた。 尾弐が微かに笑う。 しゃがみ込んだまま、褒めたのに納得いかないという顔を作ってみせるノエルを見て、 祈はため息を吐き、立ち止まった。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/83
127: 尾弐 黒雄 ◆pNqNUIlvYE [sage] 2017/01/09(月) 22:04:16.42 ID:4L59dP0+ 「――――そこまでだ。雪女なのに熱くなってねぇでちったぁ頭冷やせノエル。後、覆面剥ぎもマナー違反だ」 だが、すんでのところで尾弐がその襟首を掴み持ち上げ、先程まで自身が腰かけていた柔らかい来客用ソファーへ向けて軽く放り投げる。 次いで尾弐は那須野の方へと向くと、その仮面に自身の右手を向け……デコピンを放った。 手加減をしているとはいえ、鬼の膂力によるデコピンである。まともに直撃すれば、ハリセンでぶっ叩かれたくらいの衝撃は有るだろう。 「那須野、お前さんもだ。そういう方針は一人で決め込まないで俺らに相談しろ……お前が頭が良いのは知ってるし、 今回の件も祈の嬢ちゃんの事を考えてそう決めたのも判る。 けどな……最善よりも次善やその次の選択肢の方が好きなバカも、世の中には結構居るんだ。そもそも――――」 そこで尾弐は祈の方へと歩み寄ると、彼女の頭に手を置く。 「お前らの決定には、祈の嬢ちゃんの意見がどこにもねぇ。何より最初にそこを確認すべきだろうが」 そう言った尾弐は祈の頭から手を放してしゃがみ込み、祈と目線の高さを揃えてから再度口を開く。 「祈の嬢ちゃん。手段は俺らでどうにかしてやる――――だから、聞かせてくれ。お前さんは、どうしたい?」 尋ねる尾弐……実の所を言えば、尾弐の中には祈が実働部隊として参加する事を選んだ場合に取る事の出来る対策案が2つ存在している。 一つは、祟りの先掛け……尾弐の様な鬼や、那須野の様な狐には、祟に関する伝承が数多く存在する。 それを利用して、事前に祟る――呪詛をかける事で、他の呪詛を弾くというリスキーな手段。 そしてもう一つが >「相変わらず小汚いビルですなぁ」 ドアの外から聞こえて来た関西弁。先程、那須野が援軍として呼ぶと言っていた、尾弐も知っている『形状変化』を得意とする妖怪。 内面に問題は有るが、事この様な場面いおいて極めて有用な能力を持つ彼に協力を仰ぐと言う手段。 だが、尾弐はこの二つの腹案をあえて語る事をせず、祈の意志を確認するために返答を求める事にした。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/127
196: 品岡ムジナ ◆VO3bAk5naQ [sage] 2017/01/23(月) 23:03:09.42 ID:3e2X66iI >「色々言いてぇことはあるが――――まず、誰がアニキだ。お前さんと杯交わした覚えはねぇぞ化かし屋。 こんな善良なオジサンをVシネの世界に巻き込むんじゃねぇよ」 「そない寂しいこと言わんといて下さいよアニキ。 男品岡、一度見初めた相手は盃の有る無し関わらずアニキと呼ばせてもらいやす」 尾弐が露骨に距離を開けて座り直すのを色眼鏡の端で見送り、品岡は野卑た笑みを作った。 これもやはりおべんちゃらだ。品岡の視線にあるのは敬意ではなく単なる鬼に対する畏怖である。 「まま、嬢ちゃんの答えを聞きましょか」 即席の性転換という品岡の提案に、祈はしばらくの沈黙で応じた。 当たり前と言えば当たり前、医療知識のない者に臓器を預けるというのはおいそれと頷けないリスクを孕んでいる。 その相手がガラの悪いチンピラともなればなおのことだ。 「躊躇は当然やな嬢ちゃん。せやけどこれが怪異と"戦う"ってことなんやで。 命も懸けずに戦うなんて虫の良い話なんぞ寝物語の中にしかあらへん」 品岡は祈の逡巡を鼻で笑ってそう言った。 これから向かう先はおとぎ話の討伐譚とは違う。敵を制圧し、あるいは殺す命のやり取りだ。 自分も相手も命がけ、命を守る為に他の何かを犠牲にするのも当然の仕儀である。 憧れだけで飛び込んでいける世界ではない。 正直な心理を吐露してしまえば、品岡は祈のことを一人前と認めてはいなかった。 年端もいかない子供であり、妖怪の血が混じっているだけの人間に近い半端な存在。 契約や金銭のやり取りで動くプロの品岡とは違い、ただ正義感で妖壊と相対しようとするその青さは、好ましいとは思えない。 純粋で真っ直ぐなその瞳にはまだ世界の過酷さや汚さが映っていないだけだと。 そういう半ばやっかみも含んだ感情が、彼に露悪的な言い方を選択させた。 ……もともと性根が腐ってる部分もあるけれど。 >「……始まったようですね」 事務所のテレビに緊急速報が流れた。稲城市で再びコトリバコの呪詛が発動したのだ。 そこは23区の西に隣接するまさに目と鼻の先、もう時間は残されていない。 >「さあ。選んでください、祈ちゃん――キミの進むべき道を」 「やっぱ嬢ちゃんは置いて行きましょうや、坊っちゃん。ワシらだけで十分でしょう」 無言を貫く祈を見て品岡は橘音にそう提案した。 祈の妖怪としての戦力を軽視している品岡にとって、彼女は必ずしも連れて行きたい相手ではない。 戦力外通告を受けた少女が傷つこうとも、それは彼女の問題で品岡の知ったことではないのだ。 だが、多甫祈は事態を座視することを選ばなかった。 >「あたしは“行く”よ。品岡のおじさんの提案に乗る」 彼女はやおら立ち上がり、その双眸で真っ直ぐ橘音を見つめて答えた。 視線はゆっくりと品岡へと動き、色眼鏡の向こうの曇った両眼を二つの眼光が捉えた。 >「ちゃんと元通りにできるんでしょ? 品岡のおじさんなら」 その挑戦的な言葉に、今度は品岡が面食らう番だった。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/196
223: 御幸 乃恵瑠 ◆4fQkd8JTfc [sage] 2017/01/29(日) 14:20:53.42 ID:GMTgkTY0 「何? 何か顔に付いてる?」 祈が正気に戻ってみると、いつも通りのノエルがきょとんとした顔をしていることだろう。 >「股ぐらは窮屈やないか?嬢ちゃんが履いとるのが伸縮性のあるスポーツショーツならよほど大丈夫やと思うが、 背伸びしてシルクのパンツとか履いとるんだったらそこの阿呆にブリーフでも借りとき」 「そうやって人にさりげなくブリーフ派のイメージを植え付けようとしないで! こっちは種族的にイメージとか神秘性とか大事なんだから! しかも何でパンツの種類にそんなに詳しいんだ、パンツはパンツでいいじゃないか! パンツは皆平等!」 性懲りもなくパンツを連呼しはじめた。やはりさっきのは160%気のせいであろう。 いい加減作画揺れ激しすぎるだろ!で流しちゃっていいんじゃないかな。 「それはそうと……全然変わったように見えないんだけど。品岡くん、本当にちゃんとやったの!?」 ノエルはぱっと見の絵面を重視する性質がある。 例えば髪が短くなる等の記号的表現が示されれば納得したのだが、見えないところだけ変化したと言われてもいまいちピンとこないようだ。 大体スマホカンニングしてたし絵的にどう見てもインチキ臭いと思ったんだ、祈ちゃんの命がかかっているのに橘音くんは何で何も言わないんだ!? と、謎の使命感に駆られるノエル。 「なーんか信用ならないなあ……。祈ちゃん、本当に変化したか見せて!」 とんでもない変態発言だが、本人は至って大真面目である。 「恥ずかしがってる場合じゃないでしょう! 見ると言ったら見るぞ! うおりゃあああああああああ!!」 このまま誰も止めなければ、祈に蹴っ飛ばされてバグではなくリアルに事務所の壁にめり込むことになった事だろう。合掌。 話は変わって―― >「そいつは魔除けのお護りだ。今日はたまたま持ち歩いててな。 中身は鬼切安綱とまではいかねぇが、正真正銘『悪鬼』を切った破魔の刃物だ。 そこらの護符よりは魔除け――――呪詛対策になる筈だぜ。3つ有るから、祈の嬢ちゃんと那須野……ついでにノエル」 さてさて、このパートの珍獣、ただ騒いでいただけで全く役に立っていない上についでに何か貰ってしまったぞ。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480066401/223
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