[過去ログ] 【ファンタジー】ドラゴンズリング2【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net (368レス)
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116: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/01/16(月)21:10 ID:gdIl8BgC(2/2) AAS
だが、入っていく途中、妙なことに気がついた。いつの間にかミライユが後ろにいる。
「取材の報告でもしてんのか?俺の話がネタになると嬉しいけどな」
取材という目的をジャンはあまり信じていなかったが、それでももしジャンやティターニアたちの冒険が
文字になり、詩になり、物語となれば、ジャンの旅の目的は達せられたようなものだ。
だからこそ、せめて本当であってほしいと一縷の望みをかけてミライユに言った。
>「……うん、風を感じます。濃いところから薄いところへ流れる、マナの風を」
さて、洞窟に入ってしばらく進んでいるとラテが何かに気づいたようだ。
ラテのすぐ後ろを歩くジャンはミスリル・ハンマーを短く持ち、狭い洞窟内でも最小限の動きで戦えるように構える。
通路をさらに進んだところで、街で見たものよりさらに大きいオオネズミの群れに出くわした。
>「……始末しちゃいましょう。もしかしたら、何かを守っているのかも」
>「私が仕掛けますね。仲間を呼ばれても面倒ですし、上手い事全部仕留めてみます。まぁ、ミスったらフォローお願いしますね」
その言葉に無言でジャンは頷き、ラテを邪魔することがない通路の端へ移動する。
いつでも飛び出せるよう、リーダー格であろう二足で歩いているオオネズミへ狙いを定めることも忘れずに。
結局、ジャンが出る必要はなかった。オオネズミたちの首が音もなく吹き飛び、噴き出した血が地面や壁を染めていく。
ついでにジャンはオオネズミの肉も確保しておくことにした。
他種族が食べても平気かどうかは知らないが、ジャンはこの大きく締まったもも肉が好きなのだ。
というわけで干し肉の材料にするべく手早く解体していると、ジャンが解体しようとしたオオネズミをラテが血抜きしてくれている。
「お前……オオネズミ食うのか?わざわざ血まで抜く辺り、さては無類のオオネズミ好きなんだな…」
自分と同じオオネズミ食いが仲間にいたことに感動し、干し肉を作ったら分けてやろうとジャンは決意していた。
>「そろそろ、何かありそうな気がするんですけどね。壁とか床とか、
古代都市を隠してるなら魔法的な仕掛けがあるのかも……どれどれ」
「そうだな、見たところこいつらがいた広間が行き止まりみたいだが…あっおい!」
干し肉に使えそうなオオネズミの部位を専用の革袋に入れ、解体を終えたところで気がついた。
飛び散った血がこびりつく地面をよく見てみると、ジャンには読めない文字で紋様が円状に刻まれている。
死体の残骸をどかしてみれば、そこには刻まれた文字にオオネズミの血が流れ込み、血の魔法陣とも言うべき形を成していたのだ。
「……古代都市への入口というより、これじゃ冥界への入口だな」
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