[過去ログ] 【FEZ】ファンタジーアースゼロ雑談スレ1490 (1002レス)
上下前次1-新
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
439: 練習作(著作権フリー) (スプッッ Sdbf-T4yd) 2019/11/08(金)22:44 ID:V2iIG5SAd(1) AAS
ピピーッ!!ピッ!!
笛を吹いて、試合を止めた。
弾を蹴り出した青側の選手たちは、なぜだ?という顔をしている。
「レッドカード!!」
赤のカードを握り潰しながら
鬼の形相で青の選手に近付いていく。
私は、腰のホルスターから銃を引き抜き、躊躇なく青の選手の頭部に<死>を叩きこんだ。
二度と立ち上がれないように、何発も。何発も。
すぐに脳漿をぶちまけた野晒しの死体が出来上がり、
頭を抱える彼のチームメイトたちを尻目に私は笑いそうになったが、
笛を吹いて、試合を続行させた。
時代はデススポーツ。
死や暴力、不正、権力は全て公平な力であった。
デススポーツにおいて力は絶対。
判定を下す審判もまた、力による公正な作用が試合の進行には欠かせないのだ。
デスサッカーの選手たちは宣誓する。
「命をかけて、大好きなサッカーで戦います」と。
審判たちは宣誓する。
「命をかけて、試合の公正公平なジャッジングを誓います」と。
故にその対価、つまり報酬も、命に見合う額であった。
青側が出した条件は7000万円だった。
赤側からは、すでに5000万円を受け取っている。
それを審判員である私への心付けにしようというのだ。
私は赤側からの額を明かしたわけではないが、青側のリサーチはいくらか正確だったようで、2000万円の差額で青側に有利なジャッジを与える土台は、この時点では出来ていた。
変化があったのは試合当日だ。
赤側のサポーターから5000万円の献金があったのだ。
私はただ公正な判定を下すだけだ。
会場が騒然としている。
撃たれた青チームの監督は怒り狂っている。
その瞬間すら赤チームの烈火の猛攻が続く。仲間を一人失い、献金額でも負けている青チームに即興的な打開策はなかったが、この瞬間、今まさに命をかけて鍛え上げた肉体を頼りに死守せんとする青側選手たちの異様な気迫に、審判である私は心を打たれていた。
青の監督も同じ気持ちだったのだろう。青の監督は我を取り戻し、額を提示したプラカードを掲示した。500万円。私は無視した。
赤チームの猛攻が続く。シュートはゴールポストにすんでの所で弾かれた。
青の監督がさらにプラカードを書き足す。5000万円。笛を吹いた。
「蹴りすぎだ。ボールを、交換しなきゃ」
唖然とする赤チーム。シュートを決めるか防ぐかの瀬戸際で、ボールを新品に交換して仕切り直すなどという公正なジャッジングは、今大会初の快挙だろう。
場が白熱していく。青も頑張れ、赤も頑張れ。
この熱狂が生み出す経済効果は計り知れない。
赤の監督は、額をプラカードに書いている。
白けさせるなよ。
私は拳銃のホルスターを軽くさすり、微笑んだ。
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
あと 563 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル
ぬこの手 ぬこTOP 0.008s