[過去ログ] 【MLB】なぜ日本人投手は米国MLBでひじを壊すのか? [砂漠のマスカレード★] (243レス)
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1(7): 砂漠のマスカレード ★ 2021/05/01(土)18:00 ID:CAP_USER9(1) AAS
4月4日の記事「科学的に見て『送りバント』は有効な戦術なのか」は、記事の公開直後から大きな反響でした。多くの方が野球に関心を持ち、同じように「送りバントの是非」について疑問に思っておられたようです。
でも、野球には「送りバント」以外にもまだまだ、「なんで?」と思ってしまう不思議な疑問がたくさんあります。こんな疑問に「科学的な見地」で答えたのが『野球の科学 解剖学、力学、統計学でプレーを分析!』です。
「ピッチングを科学する」「バッティングを科学する」「統計で科学するセイバー・メトリクス」の3章で構成される本書から、今回は、「なぜ日本人投手はMLBでひじを壊すのか?」に迫ります。
これまで多くの日本人投手が海を渡り、メジャー・リーグのマウンドに上がりましたが、確かに多くの投手がひじを痛める経験をしています。大谷翔平投手もそうですが、過去には藤川球児投手(カブス、レンジャーズ)や和田 毅投手(カブス)は、当番の機会が少ない状況でひじを痛め、手術をしていました。
こうした背景にはさまざまな要因が考えられますが、アメリカのメジャー・リーグと日本の多くの野球場の違いから考えられるのは、まず大きなものとして「マウンドの違い」が挙げられます。
数年前まで、日本の多くの野球場のマウンドとメジャー・リーグのマウンドでは固さが違ったのです。メジャー・リーグの球場はほとんどが天然芝で、フラットな内野です。このため、マウンドを盛り上げるために、外からマウンド用の土を持ってきて山を作ります。これにより、土質も固めやすい粘土質のものが好まれます。とくに最近のマウンドは、ステップ位置にブロック状の固い粘土を敷き詰め、踏み込んだ足がズレず、埋まらずといった特徴が見られます。
省4
2(1): 2021/05/01(土)18:00 ID:vAYfiSvR0(1/2) AAS
■マウンドが異なると投げ方も変わる
このようなメジャー・リーグと日本の多くの野球場のマウンドの違いがもたらすのは、投げ方の違いです。
日本の多くの野球場にある柔らかいマウンドで投げる場合、踏み出した脚を柔らかい地面でも安定させるため、接地直後にひざを柔軟に使います。具体的には、ひざをより屈曲させることで、「探る」ようにして安定させるのです。そのため、全体的に重心が下がる投げ方になります。
一方、メジャー・リーグの固いマウンドで投げる場合、ステップ脚が接地すると、すぐに固定されてしまいます。そのため、投球方向に勢いがついている体が急激にストップして、つまずいたようになってしまいます。これにより、そのままひざを伸展させるような体の使い方をします。ひざが伸展方向に使われるため、重心は高いままに見えます。
■日本人投手がメジャー・リーグの固いマウンドで投げると?
省4
3(1): 2021/05/01(土)18:01 ID:vAYfiSvR0(2/2) AAS
そのため、固いマウンドは球速の向上には適していると言えますが、固いマウンドにうまくアジャスト(適応)できないと、腕への負担が大きくなってひじを痛めてしまう可能性があります。
ただし、この点はさらなる研究が必要です。
ほかにも「ボールの影響」や「投球頻度の影響」などが考えられますが、マウンドが固くなることで増える体の負担は非常に大きいと予想できます。なぜなら、メジャー・リーグで勝負する日本人選手には股関節を痛める例も多く見られ、下肢への負担も大きいからです。
ただ、最近では、日本のプロ野球が使う球場でもマウンドが固くなっています。しかし、だからといって問題が解決されるわけではありません。なぜなら、アマチュアが使う球場では、ほとんどが柔らかい土の内野であり、その柔らかい土を盛ったマウンドのままだからです。つまり、ジュニアの期間とプロに入ってからのマウンドが異なってしまうわけです。
これにより、投球メカニクスを変えなくてはなりません。この現状が投手を育成するときの問題点です。私は、プロ野球の球場とアマチュアが使う球場のマウンドを同じものにすることを提言したいと思います。
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