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興行収入を見守るスレ5656 (1002レス)
興行収入を見守るスレ5656 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/
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693: 福留孝介(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:39:40.56 ID:XEi7410U0 設定集 主な登場人物 ※現時点での登場人物 ~異世界アルガスタでの登場人物~ 名前:カイト 性別:男 歳:11 一人称:オレ 第一話で登場 恰好:頭の後ろで小さく結え、両耳に羽ピアス。クリスタルのネックレス。 シャツにサスペンダー。両手にパワーグローブ。カーゴパンツにスニーカー。 武器:剣(騎士団からくすねた)オートマチック銃(騎士団からくすねた) キャラ説明:ネロとミサの幼馴染。 後さき考えずに行動する癖がある。好奇心旺盛で仲間思い。 曲がったことが嫌いで正義感が強い。 「オレは、もっと世界を見たい。そのためにオレは強くなる」 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/693
694: 松坂大輔(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:39:54.61 ID:XEi7410U0 名前:ネロ 性別:男 歳:11 一人称:ボク 恰好:黒いハットを斜めに被り、黒ぶち眼鏡を掛け、左耳にピアス。 服は白いシャツに黒いジャケットを羽織り、左手の小指と中指に指輪を嵌め、右手首にブレスレット。下はデニムパンツにスニーカーを履いている。 武器:改良した武器 キャラ説明:カイトの幼馴染 クールで冷静沈着。武器を改良するのが趣味。 「カイト。お前は後先考えずに行動するな。いつか大切なモノを失くすぞ」 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/694
695: 中村剛也(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:40:12.56 ID:XEi7410U0 名前:ミサ 性別:女 歳:11 一人称:あたし 恰好:亜麻色のポニーテールでエメラルドグリーンのベレー帽を斜めに被り、額にゴーグルを装着している。両耳にハートのピアス、首にはハートのネックレス。 服は白のブラウスで胸に小さな紅いリボンが付き、スカイブルーのガーディガン。 コウモリの形をした黒いマントを羽織り、両手に革の黒いグローブを嵌めている。 下はピンクのフレアスカートに太腿丈の黒いスパッツを穿き、膝から下は縞のニーソックス。靴は黒いショートブーツ。 キャラ説明:カイトとネロの幼馴染。 明るく活発で勝気な性格。ゾット帝国総合学校の魔法科で魔法を習い、おばばの元で魔法の修行をしている。ネロにぞっこん。 「カイト、あたしに協力しなさいよ。いいわね? ネロに振り向いて欲しいの」 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/695
697: 藤川球児(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:40:30.36 ID:XEi7410U0 名前:ディーネ 性別:女 歳:不明 一人称:ワタシ・わらわ 恰好:変身前は白色のドラゴン 変身後は人間の女。 人間の恰好:髪が雪の様に白いミディアムヘアで肩に髪がかかるくらい。 整った目鼻立ちで、瞳は吸い込まれそうなサファイアブルー。 耳に蒼い滴の形をした透明なクリスタルのピアスを付けている。 服は長袖の青コットンのロリータクラシックドレスで黒いショートブーツ。 キャラ説明:ラウル古代遺跡の番人。オーヴの力で封印から目覚めたため記憶が曖昧。カイトをオーヴの主の資格があるかどうか試している。 「お前をオーヴの主と認めたわけじゃない。ワタシはお前を試しているんだ」 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/697
698: 大谷翔平(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:40:48.58 ID:XEi7410U0 名前:ルエラ 性別:女 歳:15 一人称:あたし 第一話で登場 恰好:頭は胸辺りのミディアム金髪で黒いリボンカチューシャ。服は白いブラウスにフレアスカート。脚は黒のハイソックスにスニーカー。 キャラ説明:アルガスタ王女、ルビナ姫の妹。 男勝りで勝気な性格。カイトに助けられた時から、カイトに想いを寄せている。 「カイト! 絶対よ? あたしを守って! じゃないと呪ってやるから!」 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/698
699: 山本由伸(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:41:10.47 ID:XEi7410U0 ~魔王教団~ 名前:アスカ 性別:女 歳:17 一人称:ボク 第一話で登場 恰好:頭は灰色のツインテール。左眼に精巧な眼帯をつけている。服は華やかな着物で、マントを羽織り、穴あきグローブを嵌め、手足にカラフルなマニュキュアを縫っている。脚は素足で草履。 武器:オートマチック銃 キャラ説明:魔王教団の一人。相棒ジェイとともに行動している。お洒落に興味があり、銃の攻撃を得意とする。女の子なのにボクっ娘。 「ボクの攻撃からは逃げられないよ? 狙った獲物は狙い撃つ」 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/699
700: 井口資仁(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:41:29.44 ID:XEi7410U0 名前:ジェイ 性別:オス 歳:不明 一人称:オレ 第一話で登場 恰好:頭にごっつにゴーグルを装着し、腰にホルスターを巻いて、二丁のオートマチック銃を挿している。 武器:オートマチック銃 キャラ説明:アスカの相棒の大鷲。口が達者で、肉ではなく鰯が大好物。肉が嫌い。 「くえっ、くえっ~。もっと話聞きてえか? 鰯二匹よこせ。肉じゃねぇぞ?」 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/700
701: ダルビッシュ有(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:41:45.33 ID:XEi7410U0 ~異世界ユニフォンでの登場人物~ 名前:葛城 性別:男 歳:30 一人称:僕 第二話で登場 恰好:頭に白いタオルを巻いて、丸メガネを掛けている。服は藍染の作務衣を着ている。 キャラ説明:未来のアルガスタからユニフォンに移住してきた。刀鍛冶の技術を、ユニフォンに売りにきた。秘密結社の一員でもある。カイトは葛城の先祖。 「カイトくん。僕は未来のアルガスタからユニフォンに移住してきたんだ」 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/701
702: 高橋由伸(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:41:58.44 ID:XEi7410U0 名前:栞 性別:女 歳:10 一人称:栞 第二話で登場 恰好:頭は肩までの黒髪ミディアムヘアで花の簪をつけている。服は和服。 キャラ説明:葛城の娘。口数が少なく、饅頭が好き。カイトがユニフォンに転生してきたことにより、栞の兄と身体が入れ替わったことを栞は嘆いていた。 「兄ちゃん誰? 栞の知ってる兄ちゃんじゃない……」 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/702
704: 高橋由伸(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:42:36.94 ID:XEi7410U0 禁断の森の奥 禁断の森へ オレは禁断の森の奥、獣道で三匹の狼の様な魔物に追いかけられていた。 オレの鼓動は高鳴り、冷や汗を背中に掻き、息を切らして魔物に振り返る。 魔物は身体中から暗黒のオーラを放ち、紅く鋭い眼光に吸い込まれそうだ。 魔物は荒い息を上げて低く唸り、涎を垂らしながら、鋭い牙を覗かせ吠えて走ってくる。 舗装されてないので足元がかなり悪く、雨が降ったのか大小の水溜りが出来ている。 オレは前を向いてないので、前方不注意で盛大に水溜りを踏んだらしく、派手な水飛沫が飛び散る。 おかげでスニーカーが濡れ、靴下までも濡れて気持ち悪い。スニーカーが泥だらけだ。 おまけに水溜りを踏んだせいで、足を持っていかれ危うくこけそうになる。 その時、真ん中の魔物が急に立ち止り砂煙を上げる。 魔物は顔を真っ直ぐ上げて遠吠えをした。 あいつ何しやがった? 嫌な予感がする。オレの頬に冷や汗が伝い、オレは顔を戻す。 腕を必死に振って走り、小さな水溜りを飛んで避け、大きな水溜りはスニーカーや靴下が濡れるのを構わず走る。 こうなりゃ、汚れる心配をしてる場合じゃねぇ。 カーゴパンツの裾がずぶ濡れだが気にしない。 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/704
705: 鈴木誠也(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:42:55.41 ID:XEi7410U0 獣道の脇では、樹の影や枝の上で紅い眼が蛍の光の様に幾つも光が点滅している。 まさか、さっきの遠吠えで仲間を呼んだんじゃないだろうな。 オレの悪い予感が的中するかのように、獣道の脇、樹の影からぞろぞろと狼の様な魔物が出てきた。 枝の上から飛び降りる魔物。 よく見ると数本の樹に、魔物か動物の爪痕があった。 どの魔物も涎を垂らし、オレに鋭い牙を向けて威嚇して吠えている。 腹が空いているのか、苛立ったように足を踏み鳴らし、今にも突進してきそうだ。 嫌な目だぜ、どいつも同じ様な面してやがる。仲間でオレを狩るつもりか? オレはまだ十一なんだぞ。こんなとこで、魔物の餌になりたくねぇ。 オレは魔物を見回しながら走り、心の中で愚痴を吐く。 こいつら襲ってこないのか? その時、オレは獣道に転がっていた小石につまずき、片足が派手に上がる。 「どわっ」 オレは間抜けな声を出してしまった。 オレの身体がぬかるんだ地面に倒れそうになる。 その時、オレの左隣を走っていた幼馴染のネロが右手を伸ばしてオレの胸を支えてくれる。 ネロは黒いハットを斜めに被り、整った目鼻立ちで黒縁メガネ。左耳にピアス。 服は白いシャツに黒いジャケットを羽織り、左手の小指と中指に指輪を嵌め、右手首にブレスレット。下はデニムパンツにスニーカーを履いている。 ネロはモデル並みの美形で女の子は黙っていない。 幼馴染のミサでさえ、ネロを独り占めにしている。 ネロのハットとジャケットは砂埃で汚れ、指輪とブレスレットに小さな泥が付いている。 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/705
706: 松坂大輔(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:43:15.38 ID:XEi7410U0 「わりぃな」 オレは頭の後ろを掻いた。 ネロはオレの胸からそっと手を離し、その場から一歩も動かず魔物を窺い辺りを見回している。 ネロは何やらデジタル腕時計のボタンを弄り、黒縁メガネのレンズに魔物の3D立体映像が表示された。 3D立体映像表示された魔物は回転して、何やら数秒後に黒いシルエットに変わり赤く点滅している。 オレは頭の後ろで手を組んで、ネロの様子を黙って見ていた。 ネロは首を横に振る。 「ダメだ。こいつらの正体がわからない」 ネロはオレに振り向いて簡潔に答えた。 オレは舌打ちして、斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかける。 戦おうとするオレにネロは手で制する。 「よせ。下手に動いて奴らを刺激するな。ミサの援護を待とう」 ネロは掌をオレに向けて、オレに警告する。 「わかってる。ミサはホバーボードでのんびり観光してるんじゃねぇのか? ミサを待ってられるかっ」 オレは斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけたまま。 魔物に警戒しながら、魔物を刺激しないように体制を低くし、慎重に動きながら辺りを見回す。 こいつら、オレが小石につまずいた隙にオレたちを囲いやがった。 オレたちを囲んだ魔物は、すぐに襲おうとはせず遠くでオラたちの様子を窺っている。 オレは後退るうちにネロの背中とぶつかり、ネロと背中合わせになる。 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/706
708: 小笠原道大(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:43:31.72 ID:XEi7410U0 オレは深呼吸して落ち着きを取り戻し、姿勢を正してネロに振り向く。 「こいつらなんなんだ? アルガスタに魔物がいるなんて聞いたことねぇぞ」 オレは斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけたまま、ネロに訊く。 ネロは瞼を閉じて、肩を竦めて首を横に振る。 「わからない。もしかしたら、禁断の森に棲んでいる新種の魔物かもしれない」 ネロは黒縁メガネの鼻のフレームを、人差指と中指で挟んで持ち上げた。 ネロは顎に手を当てて腕を組み、魔物を観察して考え込んでいる。 ネロの黒縁メガネのレンズには、魔物の黒いシルエットが回転して赤く点滅している。 その時、ネロの左耳に装着しているインカムに、幼馴染のミサから無線が入る。 「ネロ、どうする? 囲まれちゃったわよ?」 ネロのインカム越しから、ノイズ交じりで幼馴染のミサの暢気な声が聞こえる。 ミサはホバーボードで禁断の森の偵察に行ったままだったが、やっとミサから無線が入る。 オレは額に両手を当てて空を仰ぐ、ミサどこにいるんだよ。 つうか、いままでどこ行ってやがった。オレのことは無視かよ、ミサ。 オレは空を睨んで拳を振り上げる。 腹を空かしているのか、魔物たちがじりじりとオレたちとの距離を縮める。 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/708
709: ラルフ・ブライアント(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:44:05.02 ID:XEi7410U0 ~一難去ってまた一難~ 腹を空かしているのか、魔物たちがジリジリとオレたちとの距離を縮める。 魔物は低く唸り、吠えたり、涎を垂らし、歯を噛んで鳴らし、仲間の首に噛みついたりじゃれている。 オレは魔物を睨み据え、斜め掛けの鞘に収めている剣の柄に手をかける。 「こうなりゃ、戦うしかねぇだろ。ネロ、策はあるか?」 オレは背中合わせのままネロに振り向く。 ネロは瞼を閉じて肩を竦め、呆れて首を横に振る。 「この数を相手にするつもりか? 相手にするとキリがない。こいつでまとめて片付ける」 ネロはジャケットのポケットから、銀色の小さな丸い球形を二個取り出した。 「受け取れ」 ネロは後ろに手を回して、銀色の小さな球形をオレに手渡す。 オレは首を傾げ、手を後ろに回してネロから得体の知れない銀色の小さな球形を受け取る。 「なんだよ、これ」 オレは眉根を寄せ訝しげにネロから受け取った銀色の小さな丸い球形を両手の掌で転がす。 オレは銀色の小さな球形が転がる動きを細い目でつまらなそうに追う。 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/709
711: 古田敦也(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:44:18.81 ID:XEi7410U0 ネロが肘でオレの脇腹を小突かれて、オレはネロに振り向く。 「手前に水溜りがあるだろ? こいつで奴らを感電させる。ある程度倒せるだろ、後のことは考えてない」 ネロは手前の水溜りを睨み据え、左手をジャケットのポケットに突っ込んで銀色の小さな球形を放り投げて遊んでいる。 オレは耳をほじくって鼻で笑い顔を戻す。 ネロの作戦が耳に入ってなかったオレは数秒遅れて、両手の掌で銀色の小さな球形を転がす動きが止まった。 今更ながらネロの作戦に驚き、オレは銀色の小さな球形を握り締め、そのまま拳を振り上げた。 「はあ!? こんなもんで何ができるんだよ!?」 周りを見渡せば、確かにオレたちの周りに大小の水溜りがある。 こんなもんで、あいつらを感電させられるのかよ。 オレは握り締めた指を広げて、掌に載っている銀色の小さな球形を見つめる。 ネロがオレに振り向く。 「ボクを信じろ。それとも、カイトはボクを信じられないのか?」 ネロが念を込めてオレの脇腹を小突き、ネロはカイトに意思表示する。 「……」 オレは何も言わなかった。 黙って銀色の小さな球体を握り締めて、俯いて瞼を閉じて首を横に振る。 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/711
715: 立浪和義(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:44:36.42 ID:XEi7410U0 「それにしても、景色がきれぇ~」 その時、ネロのインカムからノイズ交じりで緊張感のないミサの暢気な声が聞こえる。 オレはミサの声を聞いて呆れてため息を零す。 顔を上げて、オレはネロに振り向く。 「そうだな。お前を信じるしかねぇ」 ネロは任せろという感じで頷く。 「奴らが水溜りの上を歩いたら、そいつを投げるんだ、いいな?」 ネロはミサを無視して、黒いハットに手を載せ、銀色の小さな球形を握り締めた。 オレはネロに答える様に脇腹を肘で小突いた。 「ああ。派手にやろうぜ」 オレは奴らが水溜りの上を歩くまで、じっと待った。 オレは緊張で唾を飲み込み、ごくりと喉を鳴らす。何故か喉が渇き、冷や汗が頬を伝う。 オレはネロが気になり、ネロに振り向いた。 ネロは左手をジャケットのポケットに手を突っ込み、右手で銀色の小さな球形を握り締めて手を構えている。 後ろの敵と前の敵を気にしながら、ネロはタイミングを窺っている。 どうやら、ギリギリまで奴らを引き付けるつもりらしい。 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/715
717: 斉藤和巳(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:45:01.81 ID:XEi7410U0 「今だ!」 ネロが力強く叫んだ。 緊張でオレの心臓が口から飛び出しそうになる。 「ほらよっ! 大人しくしやがれ!」 オレは水溜りの上を歩く奴らに向かって、銀色の小さな球形を放り投げる。 銀色の小さな球形は放物線を描いて水溜りに落ちた瞬間、強烈な青白い電撃が魔物たちを巻き込んで襲い始める。 あまりの眩い光に、オレは思わず「うっ」と声を漏らす。顔の前で眩い光を手で遮り、片目を瞑る。 「ぐぉぉぉぉん!」 魔物らが水溜りの上で咆哮を上げながら、魔物の身体は黒こげになり黒煙を上げ、絶命したのかばたばたと横に倒れてゆく。 電撃を食らわなかった魔物らは、一瞬何が起こったか理解できず、首を傾げてお互い顔を見合わせる。 数秒が経ち、魔物らは仲間の死体を見つめて悲しい眼をして後退り、ぞろぞろと踵を返して樹の影に消えてゆく。 まだ諦めてないのか、樹の影で魔物の紅い目が光っているのが不気味だった。 オレは脱力感とともにため息を零す。 オレはネロに振り返って、ネロの肩に手を置く。 「なんとかなったな。正直、お前の親父の発明品、馬鹿にしてたぜ」 オレは親指を突き出す。 ネロの親父は、ゾット帝国騎士団の科学者だ。 よく変な物を発明しては、騎士団と親衛隊に役立っている。 自慢げにネロは、オレとミサに親父の発明品を見せびらかす。 秘密基地で親父の発明品を弄っては、武器を改良するのがネロの趣味とかなんとか。 そんなんじゃ、女が呆れるぞ。いつもオレは思う。 お前が親父の発明品を弄る時、ミサがいつもつまらなそうにしているのがわからないのかよ。 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/717
718: 黒田博樹(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:45:34.65 ID:XEi7410U0 ネロが鬱陶しそうにオレの手を払いのける。 「よせよ。お前は何も考えずに突っ走るところがある。無駄な戦いは避けたい」 ネロは瞼を閉じて肩を竦める。 オレは頭の後ろで手を組んだ。 「悪かったな、何も考えてなくて。今回は、お前に助けられたな」 ネロの背中越しに、魔物らが黒こげになっているのを見て、オレは口笛を吹く。 「ねぇ。こんなとこにラウル古代遺跡があるわけ? 見たとこ森が広がってるし、でっかい湖はあるし。何もないじゃない」 ネロのインカムに、ノイズ交じりでミサから無線が入る。 お前は暢気でいいよな、ミサ。オレとネロは散々な目に遭ったってのに。オレは愚痴を零す。 オレは空を仰いで額に両手をくっつけ、お気楽なミサを探す。 オレはミサを探すのを諦めて頭の後ろで手を組み、樹の影に消えてゆく魔物らを見送る。 「あいつらも諦めてくれたし、さっさとこんなとこ離れようぜ」 オレは肩を竦めて歩く。 ネロの横を通り過ぎようとした時、ネロは手でオレを制す。 「待て、奴らの様子が変だ。油断するな、カイト」 ネロは何匹か残った魔物を見回した後、自分が倒した魔物の前にいる、生き残った魔物たちを睨み据える。 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/718
719: 小坂誠(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:45:56.85 ID:XEi7410U0 「今度はなんだよ」 オレは舌打ちして、斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけ、残った魔物たちを見回す。 こいつら、何しようってんだ? オレたちの前から立ち去らずに残った魔物は、なんと黒こげになった魔物の死体を喰い始めた。 魔物は喧嘩しながら、魔物の死体を貪る。生々しい咀嚼音が聞こえる。 信じられない光景を目の当たりにして、オレは思わず後退る。 「!? ど、どうなってんだよ」 オレは手に変な汗を掻いていた。 ネロがオレを制した手をゆっくりと下す。 「さあな。嫌な予感がする」 ネロは緊張した声音で、腰に巻いたホルスターのオートマチック銃の柄に手をかける。 ネロは余った手でジャケットのポケットに手を突っ込んだ。さっきの武器を使うのだろうか。 共食いしている一匹の魔物が貪るのを止めて顔を上げ、低く唸りながらオレたちに吠えて威嚇して見ている。 その魔物は、低く唸りながら足を踏み鳴らし、なんと姿を変え始めた。 その魔物は皮膚が解けてメタリックの骨格が露わになる。足の爪がさらに鋭くなり、背中にキャノン砲が現れた。 それぞれメタリックの骨格姿に変えた魔物の背中に様々な武器が現れる。 ミサイルランチャー、ガトリング砲、ビームキャノン砲。 姿を変えた魔物が勝ち誇った様に口許を綻ばせ、紅い目が鋭く光り、次々に背中に装備した武器を発射したり撃ってくる。 オレの瞳に、奴らの攻撃が迫るのが映る。 くそっ。ミサの奴、何してんだよ。 こんな時に。オレは焦り苛立った。 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/719
720: 山田哲人(福岡県) (ワッチョイ 9917-yILz [124.159.140.223]) [sage] 2022/09/10(土) 01:46:20.69 ID:XEi7410U0 禁断の森の奥 ミサ登場 姿を変えた魔物が勝ち誇った様に口許を綻ばせ、紅い目が鋭く光り、次々に背中に装備した武器を発射したり撃ってくる。 オレの瞳に、奴らの攻撃が迫るのが映る。 くそっ。ミサの奴、何してんだよ。 こんな時に。オレは焦り苛立った。 「ウォーターボール!」 その時、オレたちの頭上でミサの声が降った。 ミサがオレたちの頭上で呪文を詠唱した声が聞 こえたかと思ったら、オレの身体がジャンボシャボン玉に包まれ、ふわりとオレの身体が浮き上がる。 その間に奴らの攻撃がオレのジャンボシャボン玉に当たるが、奴らの攻撃がジャンボシャボン玉に吸収されてゆく。 「ど、どうなってんだ!?」 オレはジャンボシャボン玉の中でバランスを取るのに必死で、ジャンボシャボン玉の中で忙しく回転している。 回転しすぎて気分が悪くなり吐きそうになり、ロ許を手で押さえる。 逆さま状態で隣のネロを見る。 ネロはジャンボシャボン玉の中でハットを押さえ、胡坐をかいてジャケットのポケットに手を突っ込んでいる。 ネロの奴、平然とパランス取りやがって、優雅に景色を堪能してやがる。 オレは逆さまの状態でネロを睨んで拳を振り上げる。 こうなったら、意地でもバランス取ってやる。 オレはジャンボシャボン玉の中でバランスをとるのに悪戦苦闘し、くるくる回ること数分が経ち、そろそろバテた頃。 オレはコツを掴み、やっとジャンボシャボン玉の中でバランスが取れる様になる。 オレは胡坐をかいて頬杖を突き、勝ち誇った様にネロを睨む。 ネロは相変わらずハットを押さえて胡坐をかき、ジャケットのポケットに手を突っ込み、眼下に広がる景色を堪能している。 無視かよ。オレは俯いてため息を零す。 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1662721301/720
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