[過去ログ] 【泣ける!】西村寿行Part6【抜ける!】 (1001レス)
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40(3): 2007/07/11(水)22:13 ID:DS0Y9aZ9(1) AAS
>>33
初期作品の総決算と言ってもいい「わが魂久遠の闇に」で凄絶な復讐譚の頂点を極めた寿行は、インタビューで「これからはユーモアを交えた作品しか書きたくないね」と答えている。
その後に書かれたのが、ユーモア路線の先駆けになった作品「闇に潜みしは誰ぞ」で、この頃からキャラクターの会話に意識してユーモアを散りばめるようになったようだ。オレはこの辺からが中期と考えている。
それがやがて「わらの街」の保月・森戸のコンビや、「風紋の街」の本家・分家、そして復活した死神コンビなどに受け継がれていく。
その頃同時に、それまでの男二人の相棒小説の構図に、土田明子や逢魔麻紀子のような女性パートナーが昇格。闘う寿行ヒロインも、このあたりから登場し始める。(この辺の分析は北上次郎の受け売りだが)
どこからが後期かというのも難しいけれど、作品にヒューマニズムを過剰に意識し始めた頃からなのかな。
ただ、お地蔵様をはじめとする宗教への接近は、すでに「闇に潜みしは誰ぞ」の頃から見られるし、ヒューマニズムを扱った作品でも「癌病船」「濫觴の宴」など傑作は多いから、一概に決めつけることはできない。
しかし、1985年頃から、バイオレンス、エロ、ユーモア、ヒューマニズムのバランスが微妙に狂った作品が徐々に現れ出したのも事実。
それまで命を掛けて闘っていた敵とラストでは酒を酌み交わしたり、エロシーンは相変わらず強烈でも初期〜中期のような(脳を焼く)ようなしつこさに欠けたり、無茶をやってすぐ悶絶する伊造親分のようなお笑い専門担当キャラが登場したり‥‥
ファンとしては充分楽しめるのだが、初めて寿行に接する読者には微妙な作品が多くなってくる。
「学歴のない犬」「くずおれた神々」あたりが、作品のバランスや充実度を考えると、後期の代表作と言っていいかも知れないが、オレは両作品ともラストに少々不満を感じている。
むしろ後期では「人間の十字路」の鬼女の話がいい。
中編くらいの長さだが、全体の暗いトーンと伝奇小説の傑作「鬼」を思わせる陰惨な展開がオレ好み。
短すぎて物足りない感は残るけど、短いからこそピリッとしているとも言えるし、初期〜中期の傑作に比較すると弱いが、まあ秀作の部類だと思う。
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