[過去ログ] 『読みました』報告・国内編Part.5 (982レス)
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492: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug 2009/01/30(金)23:41 ID:1Iw7HSMA(1/3) AAS
「もう誘拐なんてしない」東川篤哉(文藝春秋)

下関に住む貧乏大学生翔太郎は先輩に半ば押し付けられた
たこ焼き屋のバイトで門司に遠征した時、何者かに追われていた
美少女を助ける。その少女・絵里花はヤクザの娘であり、父親の
監視から逃れたいのだと語る。事情を聞いた翔太郎は彼女の望みを
叶えてやるためにある犯罪を実行しようとするのだが……。

久しぶり2冊目。珍しく地方が舞台のミステリー。作者の持ち味である
コメディタッチな筆致には、時に余りのベタさに反応に困りながらも、
楽しめる。しかし、ミステリーとしては大したことない。がっかりした。
今更こんなネタ(だけ)で長編書いていいのか?
省2
493: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug [sage毒殺という殺人方法] 2009/01/30(金)23:45 ID:1Iw7HSMA(2/3) AAS
「ジョーカー・ゲーム」柳広司(角川書店)

戦前の日本に創られたスパイ養成学校通称D機関。そこでは
選抜されたスパイ候補生達が魔王と仇名される怪人結城中佐に
厳しい訓練を受けていた。彼らはやがて密命を帯び世界各地で暗躍する。
連作スパイ短編集。

「はじまりの島」に刮目したものの、以降手を出しかねていたところ、
本作を読んだのはこのミス2位だったからともう一つ理由がある。
去年某テレビ番組を観ていたら本作が紹介されていたのだが、
そこでゲストの一人が「こういうものを読んでいると人間アホになる」
と言ってのけたのである! 何たる悪口! 何たる雑言!
省5
494: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug [sage毒殺という殺人方法] 2009/01/30(金)23:47 ID:1Iw7HSMA(3/3) AAS
(続き)
観れば如何にも××××が原因で××出来ず、××を使って
何とか×××という×××を得ていると言った様な風体の輩である。
恐らく×××が××ない不満を勝手に××××のせいにして八当たり
したものと思われるが、誠にもって度し難い大馬鹿垂れの鎌足である。
こういう奴の存在は百害あって一利なしだと思う。
二度とテレビに出て欲しくない。

閑話休題。スパイものの方法論的に言って短編というスタイルは
難しいのでは思っていたが、中々頑張っている印象。ただ、
結城中佐のスパイ哲学は穿ち過ぎて破綻している様に思われる。
省5
495: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2009/01/31(土)18:57 ID:KSWvmhJz(1) AAS
山本博文監修「こんなに変わった歴史教科書」を読んだ。
教科書出版会社でもある東京書籍から刊行された、
1972年と2006年を中心に教科書を読み比べ、その差異のトピックを抽出した
歴史ミステリねた満載の本であり、それなり楽しめる。
新書・文庫でミステリばかり読み耽っている奴はこの程度の歴史常識はしっかりと押えて
おけという感がある。
この点で各項目の頁下段に記された「この時代(時代概観である)」「歴史年表」
「同時代の世界の動き」は学習に資するものがあろう。
歴史もミステリも愛好する俺には、有名な頼朝や信玄、尊氏の画像が全くの別人と判明したこと
(この過程の記述が正にミステリの謎解き)が特に面白いものがあった。
省1
496: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2009/02/01(日)15:36 ID:bSWw6SC3(1) AAS
角田光代「空中庭園」を読んだ。
縁無き作家と思うていたが、前記した「森に眠る魚」の凄まじいまでのサスペンスに魅せられた。
直木賞受賞作ではあるが、非サスペンスの「対岸の彼女」は今ひとつという感があったが、
本作は首都郊外の大団地に住む一見平凡な一家の深層を抉って読ませるものがある。
連作形式だが、妻の視点で語られる表題作が一頭地を抜く面白さ、
母娘の思惑を描いて間断するところがない。
あとがきを石田衣良が書いているが、「パトリシア・ハイスミスのサスペンスのようだ」という指摘は
ツボを突いたものがあるかと思う。ただし、ラストの親子水入らず貸切状態の路線バスのシーン
を見ると、本作の評に「乾いた絶望」という表現を用いるのはいかがなものか。
それなりに家族相互の受容を描いたものとは理解出来ぬだろうか。
省2
497: [age] 2009/02/01(日)19:31 ID:ebEgqMGM(1) AAS
うるせー!書斎よ、ここはお前のメモ帳じゃねえんだ、妄想は鶴ヶ峰公園の便所のカベでやれや、
いいかげんにしろよ、もう俺たちそろそろガマンの限界だぞ!
498: 2009/02/01(日)22:06 ID:uc5h7gRN(1) AAS
どうしてボクチンが行くと、店員が迷惑そうな顔をするのか?

書斎馬人 著
499: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug 2009/02/05(木)23:11 ID:jMLXDiVT(1/2) AAS
「狂犬は眠らない」ジェイムズ・グレイディ(早川書房)

CIA専用の精神病院通称<キャッスル>で精神科医が殺された。
死体を発見した5人の患者達はこのままでは自分達が容疑者にされる
と考え、独自に犯人を捕らえるべく病院から脱走する。しかし、
彼らはそれぞれ心に傷を負った病人であり、薬を服用しなければ
やがてはどうなるか判らない。果たして
間に合うのか?

バカミスアワード受賞作だっけ?
やたら分厚いから一瞬SFかと思った。設定が秀逸やね。究極の
デッドライン・サスペンス。しかもそれぞれが特異な弱点を
省7
500: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug 2009/02/05(木)23:12 ID:jMLXDiVT(2/2) AAS
すいません。スレ間違いました。
501: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2009/02/07(土)23:10 ID:zvaZ1Ztm(1) AAS
広瀬正「T型フォード殺人事件」を読んだ。
表題作はSFオタには神的存在の作者によるレトロムード満載(野村萬斎ではない(w )のミステリ。
ただし、T型フォード車内を密室に見立てた謎解きは小技で全く面白くない。
SF作品にも見られるこの作者の悪い性向なのだが、序盤のクラシックカーねたも長過ぎて
うざったい。
他2編の収録作品に関しても簡単に講評しておこう。
「殺そうとした」
火サス・昼ドラレベルな作。サイドブレーキねただが、
このレベルのミステリでは今ではどうしょうもないという感あり。
「立体交差」
省5
502: 2009/02/08(日)08:24 ID:biuaTwOG(1) AAS
クロック城殺人事件

なんだよコレ…orz
久々に読むのが苦痛に感じた逸品
503: 2009/02/08(日)23:54 ID:epl9+Z7x(1) AAS
アリスミラー城をオススメする
504: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug [sage外側は掃除する] 2009/02/10(火)01:18 ID:fC+zhX5j(1/2) AAS
「聖女の救済」東野圭吾(文藝春秋)

IT社長が自宅で毒殺された。しかし毒物は発見されず、
有力な容疑者であるはずの妻には鉄壁のアリバイがあった。
捜査に当たった草薙警部は容疑者に一目惚れしてしまい、
それを危惧した内海刑事は独断で湯川に助力を求める……。

何か「こんなトリックで長編を書き切るとは!?」的な前評判を
見かけたのですが、読んで納得。これは確かに短編のネタです。
それを長編に上手く溶け込ませているかと言えば……
まあまあ成功してますかね。タイトルの意味にも掛っていますし。
でも(メル欄)でしょう。
省3
505: 読後感 ◆VkkhTVc0Ug 2009/02/10(火)01:34 ID:fC+zhX5j(2/2) AAS
「図書館革命」有川浩(メディアワークス)

原発でテロ事件が起こり、類似した題材を扱ったことのある作家が
メディア良化委員会に狙われる。作家の身柄を保護した関東図書隊は、
この事態を利用して敵に打撃を与えようと目論む。

一応はシリーズ最終作(別冊は続いてるけど)。
結局、扱うテーマ(のいくつか)には共感しながらも、
ストーリーとキャラクターには共感出来ないという状況は最後まで
変わらなかった。あとがきで敢えて良化委員会側は描写しなかったとか
言い訳がましく書いてるのも頂けない。しかも理由は述べませんってw

でも、手塚兄と柴咲の掛け合いの場面は本書のハイライトであり
省3
506: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2009/02/21(土)14:52 ID:FFG2dIM/(1) AAS
清張スレのレス執筆用に東野圭吾「容疑者Xの献身」を再読。
時間を置いて読んでみると、ケイゴ作品中でも面白い謎解きミステリ
(刊行当時、本格ミステリか否かの議論があったが、この点は手がかりの呈示という面から
懐疑的にならざるを得ない)
かと思うが、登場人物が探偵と犯人を筆頭にして物語を進行させるための操り人形に
過ぎないというミステリの典型的な構成であり、やはり直木賞はどんなもんだったかというのが
正直な感想である。
例えば、元お水系バツ2・子蟻のヒロインのピュアさは不可思議、清張先生ならもっとリアルに
この手のウーマンのずるさ・賢さを書き上げたと思われ。
507
(1): 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2009/02/22(日)13:09 ID:km1aGDHC(1/2) AAS
朱川湊人「花まんま」を読んだ。
ミステリちゅーか、ホラー作品集である。
表題作は直木賞受賞作。
リーインカーネーションを描いたコテコテなホラーなんだが、あっさりと受賞。
高橋克彦作品にしてもそうだが、ミステリやホラーに甘くSFには非常に厳しい直木賞、
果たしてこれで良いのか?
大好評につき(励ましのメールを多くありがとう。この糞BBSの場を借りてだがお礼を申し上げて
おく)、収録作品全話講評逝ってみよう!
・「トカビの夜」
病弱な朝鮮人の子が死んだ後に妖怪トカビ(正確な発音ではない旨が述べられている)と
省16
508: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2009/02/22(日)13:09 ID:km1aGDHC(2/2) AAS
・「送りん婆」
タイトルは都市伝説的なエピを想起したのだが、ポスト送りん婆的立場にあった女性みさ子の
回想記、締めが凄み過ぎな感もあり、さほど面白い話とは思えず。
・「凍蝶」
大阪市街地という舞台から、謎の女性ミワの正体は物語途中で読めた。
丁寧に読むと、南国に棲息するはずの蝶の出現も当時からの温暖化の影響と見れば、
その消失以外(蝶の化身とされたミワの弟が死んだという明記はない)は怪奇現象が
これといって見当たらない作。
主人公の少年ミッちゃんことミチオは言うまでもなく被差別部落出身、
作者が巧くかわしながら書いているのがわかる。
509: 2009/02/22(日)15:56 ID:uHUOrB7c(1) AAS
>>507
励ましのメール送りたいんで、メルアド教えてください。
510: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2009/02/28(土)23:00 ID:ZezdYEkY(1/2) AAS
先日、久々に「容疑者Xの献身」を再読し、同年刊行で本格ミステリ大賞を巡り
接戦を演じた島田荘司「摩天楼の怪人」がふと気になり、本作も再読してみた。
会話態も多いとはいえ、NYの建築・歴史に関するシマソーの薀蓄が満載(本筋に直接には
関係しないもの、詳し過ぎるもの多)された600頁弱の大部なものだが、
ミステリ以外の部分(特にフェアな本格としてはNG作品と言い得るが)に力を注いでいる分、
逆に雑学的に楽しめるものがあった。
「暗闇坂の人喰いの木」あたりから発揮されて来た情景描写の巧みさも、
60年代のNY風景を描き出して申し分ないものがあるし、
本格の旗手シマソーには珍しいNYPDの刑事を主としたハードボイルドタッチの警察小説風の
趣向もそれなりに面白い。
省7
511: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2009/02/28(土)23:00 ID:ZezdYEkY(2/2) AAS
横溝御大、マエストロ鮎の後継と思うていたシマソーだが、本作は大乱歩的ユートピア願望が
前面に出た現代幻想小説という感が強く、この観点からなら楽しめるかと思う。
思うに、2005年はコテコテな謎解き長編ミステリ「容疑者Xの献身」が直木賞を受賞するという
日本ミステリ史上に特筆すべき年であったが、同時にミステリ界内部のトピックに過ぎないとはいえ、
90年代前半までは無冠とはいえ、その存在感で圭吾を圧倒していたシマソーが、
大作「摩天楼の怪人」を持ってしても、このミスではベスト10ランク外、文春では10位と
圭吾の「容疑者Xの献身」(共に1位を獲得)の前に大きく後塵を拝し、
ミスオタワールドたる本格ミステリ大賞でも僅差で敗れるという名実共に男性ミステリ作家の
第一人者が世代交代したエポックメーキングたる年だったと言い得る。
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