[過去ログ] 『読みました』報告・海外編Part.4 (987レス)
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(1): 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2009/10/04(日)10:20 ID:/auYmBCt(1) AAS
グリン・ダニエル「ケンブリッジ大学の殺人」を読んだ。
ケンブリッジ大考古学教授の手になる母校をメーンな舞台にした本格ミステリである。
「訳者あとがき」によれば、刊行以来、絶版状態になることもなく読み継がれているとのことだが、
現在では、一応、英国産のストイックな本格ミステリであるという以外は特筆すべき価値は見出せない作とも言い得、同じく大学を舞台にした作でも前記した「ミスター・ディアボロ」の如き、
コンパクトなまとまり、怪奇や冒険による装飾も無い論理的推理1本道ゆえ、
文庫500頁超のボリュームを読み切るのは、いささか(注 いささか先生ではない(w )
かったるい感もあった。
また、パリが舞台となる終盤は、これにちなんでというわけでもなかろうが、
怪盗ルパン風のトンデモ展開(替え玉ネタ等)になってしまうのが萎え、
ここは、ハイテーブルあたりを背景に、お約束とも言える謎解き探偵小説らしい関係者一堂を
集結させた名探偵による謎解きで決めて欲しかったものである。
キャラ的には最後の最後で花を持たせる形になるものの、スコットランドヤードのマクドナルド警視
は腕利きなのか否か微妙な扱い。地元ケンブリッジ署のウィンダム警部はステーキ大好き、
自転車通勤の庶民的な好漢なのだが、結局、道化扱いなのが気の毒な感あり。
従って、名探偵役は事件発生現場のカレッジ副学寮、作者を模したと思われる考古学教授の
サー・リチャードと相成る次第だが、英国のインテリらしい階級意識丸出し(タバコ屋の女店員の
美貌は認めながらも違う世界の人間扱い等)、犯罪処罰に関する独自な見解の持ち主というの
が面白い。メーンキャラでも事件関係者でもない登場人物の口を通して
「独身の人間は歳を取るにつれてバランスを欠くようになる」とあるが、正にこれが具象化された
キャラなのである。だが、この人物造詣は面白くはある。
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