[過去ログ] 『読みました』報告・海外編Part.4 (987レス)
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453: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 2009/10/17(土)15:41 ID:je1XTvtY(1) AAS
サー・アーサー・コナンドイル「恐怖の谷」を久々再読。
言わずと知れたシャーロック・ホームズ・シリーズ第4長編、そして最後に書かれた長編である。
作品世界(執筆・刊行は20世紀に入ってからである)であのモリアティの名が初登場する作
ということでも有名。
デビュー長編「緋色の研究」と同様に二部構成を取り、しかも後半は完全に西部小説と化すのも
共通している。ただし、状況は全く異なるが、緋色がリベンジする側のストーリーだったのに対し、本作は真逆となっておるのが面白い。狙ったものか?
正直言うて、ミステリとしての第一部はまず冒頭の暗号ネタに無理有り過ぎ、
特にこういう言葉遊び的なものを日本の読者が楽しむのは難かしかろう。
続いて起こる殺人事件の解決もこんな程度感大。
ちょい「悪魔の手毬唄」を想起させる展開だが、
凄惨な事件にもかかわらず科学捜査(DNAと言わずとも指紋鑑定)さえない時代ののんびり
ムードも感じられてしまう。
むしろ、俄然、、軽快なテンポで巻を置かせぬ第二部のハードボイルドタッチな西部小説こそ、
サー・アーサーも力を入れた部分であり、バスカヴィルよりも推すファンが存在する所以であろう。
既に指摘されているとおり、まじこれって後のハメットの世界なんである。
(ピンカートンってのももろだし)
ただし、作者は緋色と同様に第1部の犯行に至る経緯の物語(つまり動機の物語)が第2部という位置付けなのであろうが、このため第2部における折角のどんでん返しが第1部によりネタ
ばれ気味になっているのが惜しまれる。2部部分だけ独立して書くか、
1部と2部をそのまま入れ替えて書く手もあったのではないかという気もするのだ。
なお、謀殺の1件のみ(チェスター殺し)は主人公の仕業と思わせる点(弁明無し)があるのは
意識してのことであろうか。
最後は、作品世界のホームであるロンドンに戻り、モリアティ(及び彼の組織)の不気味さを強調した鬱エンド。
そう言えば、彼氏は本作には名のみしか登場しないと気付く次第だ。
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