島田荘司 64 (826レス)
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757: 08/21(水)06:51 ID:e5QLKR9O(1/2) AAS
進む少子高齢化、成長しないどころか後退しはじめた経済、そして頼りにならない政府──そんな危機迫る状況にもかかわらず、なぜか日本国民は落ち着いているようだ。その“不思議”を米紙「ニューヨーク・タイムズ」が解説する。

数十年間ほとんど成長をみなかった景気が、いまや後退段階に。減り続ける人口、昨年の出生数は過去最低。政治が硬直しているように思われるのは、事実上権力を握っているのが一党であり、どれほどスキャンダルまみれになろうと、不支持率が高まろうと、その状況に変わりがないからだ。

この平穏さは、ことなかれ主義の表れである。「しょうがない」というのが、国民の口癖のようなものなのだ。

日本人が無頓着である理由はわかりやすい。失業率は低く、電車は時間通りに運行し、春になれば桜が咲く。神社やショッピング街は旅行客であふれ、株式市場は史上最高値を更新した。いくぶんのインフレはあったが、ラーメンなら一杯7ドル(約1000円)以下で食べられるし、おかずが複数ある定食でも12ドル(約1700円)ほどだ。

住宅事情は東京でさえも概して手頃だし、国民皆保険制度もある。犯罪件数も少ない。2022年のデータでは、銃による殺人事件は日本全国でたった4件。スマホをレストランに置いてきてしまっても、戻ればおそらくまだそこにあるだろう。

「いまの生活状況には、かなり満足しています」

クラシックの打楽器奏者ツジモト・チヒロ(26)はそう話す。彼は調布にある映画館から妹と一緒に出てきたところだった。日本人は「諦めてしまっていて、自分の生活が充実して健全である限りは、結構幸せ」なのだとツジモトは説明する。「日本は平和ですから」とツジモトは続ける。

2025年には5人に1人が75歳以上となる予定にもかかわらず、移民の受け入れに苦労しているこの国では、労働力不足も次第に露呈するだろう。実際すでに、日本が誇る制度のいくつかに綻びが生じている。
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