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【腐女子カプ厨】巨雑6439【なんでもあり】 [無断転載禁止]©2ch.net (505レス)
【腐女子カプ厨】巨雑6439【なんでもあり】 [無断転載禁止]©2ch.net http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/
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306: 名無し草 (アウアウ Sa6f-G+K4) [sage] 2016/04/06(水) 20:55:33.04 a 腰ちゃんと順一ほんまやったんか草 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/306
307: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:55:43.54 d アルミンに協力を要請された時は冗談じゃないと思ったが、エレンがこのおっかない大人を待ち続けてる間喧嘩をふっかけても張り合いがなかったことを思い出すと、勝手に頷いていたから全くあの死に急ぎは質が悪い。 リヴァイは、で? と顎をしゃくった。 「ここにエレンがいるわけじゃねえんだな」 「は、はい。これを渡すようにと」 半分震えながらもメモを渡すジャンからひったくるようにメモを受け取ったリヴァイがまたしてもチッと大きく舌打ちをする。 「……ここでてめえを締め上げればとっととエレンの場所を聞けるのか?」 「か、勘弁してください!! 俺も教えられてないんですよ!!」 「……そうか。分かった。巻き込んで悪かったな」 「い、いえ……」 そう言って背を向けたリヴァイに、ジャンは一気に身体の力を抜いた。 「くそ……」 ぐったりとしながらアルミンへと電話をかける。リヴァイの到着を知らせるためだ。 「おいアルミン、リヴァイさんやべえぞ、魔王みたいになっちまってる」 『あはは。さすがリヴァイさんだ』 「……お前な」 魔王のようだったと聞いて笑い飛ばせるこいつは一体何なんだ。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/307
308: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:55:47.79 d なんてことはない。アルミンはちょっとだけ怒っているだけだ。 『だってエレンがあんなに苦労して会いに行ったんだもの。リヴァイさんにだって頑張ってもらわなきゃ』 お前らはほんとエレンのことしか考えてねえな、とジャンは溜息を吐くと、天を仰いだ。 デパ地下でケーキでも買って帰ろう。 「……さて」 リヴァイは車に戻るとメモを開く。 『128,603+8,709,959=?』 思わずハンドルに突っ伏した。これはなかなかに難しい問題をふっかけてきたようだ。 「クソが……」 自分よりもかなり年下の人間にこうも振り回されるのは面白くないが、エレン絡みだと思えばやってしまうのがリヴァイである。 早くエレンに会いたい。 リヴァイは頭をフル回転させ、問題へと立ち向かった。 「驚きました。早かったですね」 かつてエレンが通っていて、リヴァイの出会った場所。春休みがもうすぐ終わるであろう高校の校門の前でリヴァイはアルミンを捕まえた。 「頭がかち割れそうだ」 不機嫌を隠そうとしないリヴァイに、アルミンは苦笑を零した。どんなに不機嫌で怖いオーラを纏っていてもリヴァイは理不尽に暴力を与える人間ではないことをエレンから聞いてちゃんと知っている。 だから少し困らせたところで怖くもなんともない。 「お付き合いいただいてすみません。でも、僕としてもエレンがあなたを待ち続けているのを傍で見てましたから」 「……それについては、お前らにも心配かけた。悪かった」 「いいえ、ご無事でよかったですし、お仕事なのも理解してますが結局行動をしたのはエレンからでした」 それなら、リヴァイさんもエレンの為に動かないと。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/308
309: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:56:14.70 d ことりと可愛らしく首を傾けたアルミンに、リヴァイはただ溜息を吐くだけだった。 「お疲れのところすみません。実は実行するときにエレンにもちょっと怒られたんですよ。でもエレンも勝手に旅に出たのを悪いと思っているみたいで僕たちを邪険にできない。だからエレンもあなたに会いたいのを堪えて付き合ってくれてるんです」 怒らないであげてくださいね、と言われてリヴァイは少し目を細めただけだった。 怒りはしないが、少しだけベッドの上で啼かせてしまう可能性は大いにある。 「これで最後です。エレンを迎えに行ってください」 最後に渡されたメモは何の変哲もないただの地図だった。 ふわりと、リヴァイの鼻を春の温かな香りが掠めていった。 エレン、エレン。お前は一人でそこで待っているのか。何年も待たせて、会いに来させて、あんな風に寂しかったと泣かせて。 それでも愛してると言ってくれた。 リヴァイの足は自然と早くなる。春の空気は熱を上げるリヴァイの体温にじっとりと汗を滲ませた。 あの熱帯のような鋭い日差しではない。木を掻き分けて進むわけでもない。 だけど、エレンまでひどく遠く感じた。 それよりも遠い距離を、エレンは飛んできてくれたのだ。 ならば、今度は自分が、飛んでいこう。 エレンはアルミンに言われた場所でぼうっとベンチに座っていた。 人気はない。結構な穴場なのだここは。 ひらりひらりとすぐ傍で色の薄い花びらが舞い散っている。 少しだけ早い満開を迎えるこの桜があるこの高校の裏山の展望台は、エレンとリヴァイの思い出の場所だった。 あの日もこんな桜吹雪の中だった。 学校を去るリヴァイを呼び出して、泣きながら、縋りながら告白をした。 リヴァイは泣くエレンの背を抱き締めてその想いに応えてくれた。 最初から目を奪われ、初めての感情に振り回され、それでもリヴァイの優しさに諦められなくて。 想いに応えたリヴァイもまた、最初からエレンを傍におきたいと思っていたらしい。 だからやたらと用事を言いつけられたり補修に付き合ってくれたりしたのか。 理由など分からない。 ただ、こいつは俺のものだと思った。 そう好きな人に言われてときめくしかなかったエレンは、そこまで思い出して顔を赤くした。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/309
310: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:56:18.54 d かつかつかつ、と磨き抜かれた革靴が階段のコンクリートを駆け上がってくる音を聞いて、思わず立ち上がった。 「エレン!!!」 「リヴァイさん!!!」 息を乱し、空港からそのままあちこち駆けまわって来てくれたリヴァイにエレンも駆け寄って、桜吹雪の中強く抱き締め合った。 「お前な……ほんと、お前らな……」 「すみません……お疲れなのに、こんなことになっちまって」 「いやいい……とにかくお前に会いたかった。エレン、ただいま」 ただいま、という言葉にエレンは瞳を潤ませた。待っていた、その言葉を。ずっと待っていた。 「………おかえりなさい……!!」 「もう長期の出張はこりごりだ」 「エルヴィンさんからも今回のことについては謝罪がきました。でもお仕事ですし、仕方ないですよ」 「ふざけんな俺が耐えられねえ。もう二度とごめんだ」 ぎゅううと強く抱き締めてエレンの肩に顔を埋め、リヴァイはようやく帰ってきたと感じることができた。 オアシス最高。 「で、エレン」 「はい?」 「色々あるが、とりあえず聞きたいことがある」 あのポスターのことだ。 独占欲がそこそこあるリヴァイにとって、エレンを見せびらかしているあのポスターにこの先不安しかない。 いや、被写体がいいためポスター自体はとてもいい出来だ。 飾っておきたいくらいには。 「あ、あれですか……その、大学のサークルのやつにどうしてもって頼まれて……一度だけ撮ったんです」 事の発端は空港でのこの国くる外国人向けのポスターの募集だった。 それにエレンの通う大学の写真サークルが乗っかり、モデルを探していたところエレンに白羽の矢が立ったらしい。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/310
311: 名無し草 (スプー Sd9f-G+K4) [sage] 2016/04/06(水) 20:56:20.75 d >>303 腰の方はなんて質問やったん 104期の中でおしゃれ気にする人は?とかけ http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/311
312: 名無し草 (ワッチョイ ab82-eoZT) [sage] 2016/04/06(水) 20:56:24.10 0 >>297 マルロやのうてゆみうがルル助ける可能性は何%くらい? わいルルとゆみうの再会を心待ちにしとるんや http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/312
313: 名無し草 (ワッチョイ 7326-Iq2g) [sage] 2016/04/06(水) 20:56:28.41 0 >>230 入れてきたは BB2C慣れとるから使いこなせるまで時間かかりそう このスレ見つけるのも大変やったで デフォやと不適切なスレで非表示っぽいな http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/313
314: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:56:44.15 d 「ほんとに一度だけって約束で……、まさか採用されるなんて思ってなかったんですが……」 「お前が妙な奴に絡まれないか心配だ」 「大げさですね……」 「ふざけんな絶対寄ってくる」 エレンは苦笑するばかりだが、リヴァイの心配は尽きないだろう。 「なんせ写真の出来はすごく良かったからな」 「あ、確かに自分でも自分じゃないみたいで、なんか不思議でした」 「なあ、何を考えて写真を撮ったんだ」 「……っ」 言葉に詰まるエレンの腰を更に引き寄せる。 ごうと風が吹いて、桜が降り注ぐ中、キスを交わす。 「あなたに、」 むせかえるような花の香り。 白く霞む背景の中、それこそ桜色の頬をしたエレンが息も絶え絶えに告げる。 「おかえりなさいと言える、その日を思って」 それはまさしく今日のことだった。 だが、リヴァイが見たエレンの表情はあのポスターとは全然違う。 それはリヴァイしか知らない、エレンの表情である。誰にも教えてやるものか。 あとリヴァイさんがいつ突然帰ってきても一番最初におかえりなさいとポスターでもいいから言えたらいいなと思ってと言われたリヴァイはエレンを抱き上げて桜吹雪と同じように踊りそうになるのを必死に堪えて、抱き上げたまま車へとダッシュした。 どうしてやろうかこいつ。 END(笑) http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/314
315: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:56:48.26 d 十八歳の誕生日に恋人ができた。 相手は近所に住む母親の従弟で、リヴァイという。 エレンより十五歳年上の彼は、外資系の会社に勤めていて、月の半分くらいは出張で家を空けている。 そんな彼を小さな頃から大好きで、逆を言えばリヴァイしか好きじゃなかった。 物心ついた頃から、リヴァイの膝は自分のもので、両親が苦笑するくらいだった。 当時は学生だった彼も、エレンが小学生の頃に社会人になり、会える機会がぐんと減った。 「しょうがないでしょ。リヴァイ君だって、いつまでもエレンのお守りだけをしてる訳にはいかないんだから」 しょぼくれて膝を抱えて座っているエレンに、母親が呆れたように腰に手を当てて溜め息をついた。 「だって、リヴァイさん、今度プラネタリウム連れてってくれるって言った。野球も一緒に観に行ってくれるって……」 あれもこれも、みんなエレンがねだったことだ。 ぐちぐちとしている息子に、業を煮やした母親が喝を入れる。 「あー、うっとおしいね! 少しはお日様に当たって遊んでおいで!」 猫の子のように首根っこをつままれて、外へ放り出された。 家のすぐ傍は公園で、誰かしらがいつも遊んでいる。 顔を出せば、野球かドッヂボールに誘ってもらえるだろう。 幼馴染みのアルミンが新しい図鑑を持ってきて一緒に見ようと言ってくれるかもしれない。 しかし、今は公園でみんなと遊ぶ気はまったくなかった。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/315
316: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:57:25.76 d 今、リヴァイに会いたいのだ。 「だって……約束したし」 ナントカの一つ覚えのように呟いて、エレンは閉められてしまった玄関を見上げる。 もう三か月、リヴァイに会っていない。限界だ。 そう思ったら、エレンは涙がじんわりと滲むのを感じた。 学年が変わる前には、毎週のようにリヴァイと会っていたのに。 リヴァイの家は、エレンの家から徒歩で五分ほどの場所だ。 丘の上に建つ一軒家で、子供のエレンでも迷う事はない。何度もエレンは、母親には内緒でリヴァイの家の前まで行ったがいつも留守だった。 「今日は、いるかな」 エレンは、リヴァイの家に向かって歩き出す。 リヴァイの両親は今年の春、転勤でこの街を離れた。 派手なアロハのようなお揃いのシャツを着たふたりが写っている転居ハガキが家に届いたのを、エレンも見た覚えがある。 てくてくと丘を登って行くと、リヴァイの家が見えてきた。 ナチュラルカントリー風のエレンの家とは違う、モダンな作りの建物は今日もシン……と静まり返っている。 「やっぱりいない」 駐車場に、車がない。インターフォンを鳴らしても、もちろん返事はない。 リヴァイはどこに、行ってしまったのだろう。 「リヴァイさんに会いたい」 どうしても、一目だけでもいいからリヴァイに会いたくて、エレンはリヴァイの家の門の内側に入り込んだ。 ガレージが良く見える玄関前に植えられた細い幹の木の下に、エレンは座り込んだ。 「ここなら、リヴァイさんが帰ってきたらすぐにわかるもんね」 今日こそは。一目だけでも。 エレンはリヴァイに会ったら、この三か月のことを何から話そうか指折り数えだした。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/316
317: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:57:30.58 d ふわりと身体が浮く感触がして、エレンは目をしばたかせた。 自分が抱き上げられているのに気が付いたが、眠くて仕方ない。 遠くで母親の声が聞こえるので、父親に抱かれているのだろうか。 エレンは開きかけた目を、またとろんと瞑った。 しっかりとした腕は、エレンをまるで宝物のように抱いてくれている。 ぎゅっと抱き寄せられて、エレンは頬を擦り付けた。 そこからふわりと香ってきたのは、サンダルウッドとオークモス。 それにまつわるブレンドされた他の香りは、エレンの大好きな香りだ。 大好きな、リヴァイの纏う香り。 そこで自分が抱かれているのが、父親ではなくてリヴァイだと気が付き、エレンは飛び起きる。 「リヴァイさん!」 目を擦りながら顔をあげれば、間近にリヴァイの顔があった。 エレンを見つめている青灰色の瞳は優しい。 会いたくて会いたくて仕方がなかった人物が、そこにいることにエレンは歓喜した。 「ああ、起きたか」 リヴァイはエレンが目覚めたのを知って、声を和らげた。 「おかえりなさい!」 エレンは、リヴァイの首に両手を回してしがみついた。 「おかえりなさい、じゃない」 「え、違うの……?」 「エレン!」 ようやく帰ってきたのではないのかと、眉を下げたエレンの後ろから母親の声がした。 「あれ、母さん。どうしたの?」 「どうしたじゃないでしょ!」 首だけを回して声の方を見れば、母親がものすごい形相でエレンを怒鳴っていた。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/317
318: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:57:56.52 d 「な、なに?!」 「アンタって子は! 心配させて!」 そこで、初めてエレンは気が付いた。辺りはもう夕闇を通り越して、真っ暗だという事に。 「あ……」 事態を悟ったエレンは、声を詰まらせた。 「あとちょっとで、警察に電話するところだったんだからね!」 鬼の形相の母親は、怒っているのに泣いているように見えて、エレンはどうしたらいいのかわからなくなってしまう。 「ご、ごめんなさい。オレ、オレ……」 心配をかけてしまったことに気がついて、エレンは涙が一気にあふれるのを止められない。 「うぇぇ……ごめんな……い!」 わんわん泣きだした泣きだしたエレンと、やっぱり泣いてしまった母親の間でそれまで黙っていたリヴァイが仲裁に入る。 「カルラさん、落ち着いて。エレンも、反省してるからもう許してやってほしい。なんにもなかったのだから、良かった」 落ち着いた声は、二人をなだめてくれる。 「……まったく、エレンはリヴァイ君が好きで好きでしょうがないんだから」 最後はそう締めた母親は、エレンに向かって手を差し出した。 「さあ、帰りましょ」 「や、やだっ! リヴァイさんと一緒にいるっ!」 やっと会えたリヴァイと離れるのはいやだと、エレンは泣いた。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/318
319: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:58:00.88 d そして根負けしたのはリヴァイの方で。 「カルラさん、今日エレンをうちに泊まらせていいですか」 「リヴァイ君だって、お仕事から帰ってきたばかりで疲れてるでしょ」 「いや、明日は休みだし、エレンがこんなんなのも、俺のせいだし気にしないでください」 リヴァイは、エレンを抱いたまま、母親に話しかける。 エレンはエレンで、リヴァイの首にかじりついたまま離れないぞという意気込みなので、母親は早々に諦めた。 「じゃあ、申し訳ないけど、お願いするわ。あとで着替えとか持っていくから。明日の晩は、うちにご飯食べに来てちょうだい。それならいいでしょ、エレン」 「うん! ありがとう!」 肩をすくめた母親に、エレンは笑顔で返事をした。 「泣いたカラスがもう……だね」 「現金だな」 エレンを間に挟んで、大人二人は苦笑しきりだった。 「あと数年はこのままかと思ったが、意外と早く時期がきたな、エレン」 初めて見る、リヴァイの恋人としての顔だった。 保護者でも庇護者でもない、対等な人間を相手にした時のリヴァイの顔は、凶悪な程に色気があって。 「俺と、恥ずかしいことしような」 甘い艶を孕む声で囁かれたら、エレンはもう陥落するしかなかった。 まだまだ陽の高い時間から、ベッドの上にいることに居心地の悪さを覚えて、エレンはうろうろと視線を彷徨わせる。 リヴァイはチェストの傍で、こちらに背を向けて何事かをしている。 その間に、もう逃げてしまいたい衝動に何度も駆られて、エレンは腰を浮かせては戻るという事を繰り返していた。 「リヴァイさん……?」 不安になって声をかければ、リヴァイは振り向かずにもう少し待っていろと返事をしてくる。 スーツの上着だけ脱いだ彼の背中を、エレンはいたたまれない気持ちで見つめた。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/319
320: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:58:28.75 d そしてようやく振り向いた彼が手にしていた物を見て。エレンはぽかんとする。 「リヴァイさん……それ、それなに……?」 ベッドの枕元に置いたそれは、ローションのボトルとスキンのパッケージ。それから…… 「デジタルビデオカメラだな。正式に言うならカムコーダ」 そう、リヴァイの手には小型のレコーダー一体型のビデオカメラが握られていた。 「これは仕事で使ってるやつだが、まだ新しいから使いやすい。ワイプも使えるしな」 「ワイプ……?」 「サブカメラが付いていて、多方面から映像が撮れる」 「それ……まさか……」 「初めてだからな。エレンの可愛い顔を残しておかないと」 おかないと!って意味がわかりません! 速攻逃げ出そうとしたエレンの足首を、リヴァイが握る。 そのまま自分の方へ引き寄せて、リヴァイがくるぶしに口付けをひとつ。 そして、伸し掛かってきたリヴァイが、枕元の壁にあるニッチにビデオカメラを置いた。 カメラの本体には、すでに赤いランプが灯っている。 「大丈夫だ。やってる間は、気にならないくらい溺れさせてやるから」 顔を寄せられて、唇を奪われる。 ファーストキスだと言うのに、最初から本気のキスを仕掛けられてエレンは喘いだ。 唇を舐められて、その隙間から舌が忍んでくる。 唇が触れるだけがキスじゃないと、リヴァイは徹底的にエレンに教え込む。 口蓋の裏の誰もが弱い部分を舌先で刺激して、驚いて逃げる舌を絡ませるように舐めあげて、いつしかエレンはとろんとキスに酔ってしまう。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/320
321: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:58:32.80 d 室内に響くリップ音がエレンの思考力を奪って、リヴァイのなすがままになっていく。 さりげなくリヴァイが位置を調整して、エレンの顔がよく映るようにしていることにも気が付かない。 エレンを背中から抱いて耳朶を食みながら、一つずつボタンを外していく。 徐々に露わになる首筋に、紅い痕をいくつも付けながらエレンのシャツをはだけて、ベッドの下に落とす。 「エレン、可愛い……」 耳朶から耳殻にターゲットを変えて、リヴァイはエレンを何度も味わう。 キスに酔ったエレンは、ぐったりとリヴァイに身体を預けて、なすがまままだ。 こんなにもキスが気持ちいいなんて、知らなかったエレンは、ふわふわとした気分で自分の身体を探る手に身を震わせていた。リヴァイの手が動く度に、身体が反応してしまう。 胸の飾りやうなじを食まれながら、両手で摘ままれれば明らかに快感が腰から這い上がってくる。 「……っ、んっ」 両の胸の乳首がリヴァイによって、育てられ弄られる。最初はなんの感触もなかったそこが、今は明らかな快楽を拾っている。噛み殺そうとしても、秘かな声が漏れてしまう。 「……ぁ、も、そこやだ……」 低下した思考力で首を振れば、うなじを甘噛みされる。 「ここは嫌か。じゃあ、こっちだな」 するりと離れた手が脇腹をかすって、エレンのボトムを緩める。指が下着をくぐり、直接下腹に触れた。 「リヴァ……!」 慌てて止めようと手を重ねたが、その手ごと股間を揉みしだかれる。 「ひゃ……んっ!」 自分でもびっくりするような甘い声が出て、エレンは驚く。 リヴァイの手が、自分の手の上から股間を揉んでいる。まるで自慰をしているようで、エレンは恥ずかしさに身を捩った。 「もぅ、やだぁ……!」 許容範囲をとうに超えて、エレンが涙目になる。 リヴァイにされている事が嫌なのではなくて、恥ずかしいのが嫌なのだと思う自分は、もう終わっていると思う。 あんなに無理だと思っていたことが、いざ始まってしまうと気持ち良くて、馬鹿みたいに声を上げてしまう。 涙をぽろぽろ流しながらリヴァイを睨むと、苦笑された。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/321
322: 名無し草 (ワッチョイ f395-imw8) [sage] 2016/04/06(水) 20:58:37.88 0 >>306 ごめんわいとしたことが間違っとったは 順一やのうて純一やったは草 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/322
323: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:59:00.56 d 「あ? 何だって?」 リヴァイは思い切り眉をしかめ、机越しに真面目な顔をしているエルヴィンを見据えた。 リヴァイが低い声で不機嫌を隠しもせずにいるのに、エルヴィンはいつものことだとさらりと受け流すだけだ。 「聞こえていただろう。エレンを縛る練習をしておけ」 どうやらリヴァイの聞き間違いではなかったらしい。 リヴァイは音を立てて机に手を着くと、エルヴィンとの距離を詰めた。 「なぜ。縄でぐるぐる巻きにでもしろっていうのか?」 「そうは言っていない。ただ、手錠がいつでもあるとは限らない。それに手錠だけでは心もとない。全身を芸術的に拘束しろと、上からの指示だ」 芸術的に、の言葉でエレンを拘束することの意図を把握し、思わず舌打ちをしてしまう。 リヴァイの気持ちを知っていながらなんと残酷な命令だろう。 もっとも、リヴァイは己の感情で動くような愚かな男ではない。 命じられたならば、命じられただけの働きをする。 「チッ……貴族の豚共がまた妙な知恵を付けたな。巨人化したら俺がすぐに削げるとわかっているだろうに」 「巨人を見たことがない方々には、いくらか刺激が必要なんだろう」 「……壁の外には刺激しかないっていうのに、気楽なもんだ」 皮肉に皮肉を重ね、リヴァイはエルヴィンを見下ろす。 エルヴィンは静かに視線を返すだけだ。リヴァイは声を潜めた。 リヴァイと共に本部から戻って来たものの、リヴァイはエレンに地下室――つまりはエレンに与えられた部屋――の掃除を命じ、一人執務室に籠ってしまっている。 リヴァイが地下室に訪れるまで掃除を続けるよう言いつけられているが、エレンが掃除を始めてからそれなりに時間が経った。 毎日の掃除終了の時間を大きく過ぎても、リヴァイが地下室を訪れる気配はない。 おかげでエレンは先輩兵士から様子を見に来られる度に「もう掃除はいいんじゃないの?」と休憩を提案され、苦笑いして首を横に振るばかりだ。 洗いたてのシーツもベッドの上でぴんと皺ひとつなく伸ばされ、いよいよすることがなくなってくる。 一体どうしてリヴァイはわざわざ部屋の掃除を命じたのだろうか。 毎日の掃除よりも入念に、という意味だとはわかっていても、エレンを含め新兵はそう荷物が多くない。 特に巨人という脅威に最前線で刃を握る調査兵団は。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/323
324: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:59:04.69 d 兵団服や立体起動装置、ブレードなどは支給されたものだが、一番大きなエレンの持ち物になっている。 この地下室には、そんな僅かなエレンの持ち物の外には、ベッドと毛布、枕、それから明かりくらいしかない。 どこを掃除しようか悩んでしまうのも仕方ないだろう。 なんとか掃除をするものを見つけようとあたりを見回すと、鈍い光を放つ鎖が目に入る。 「あとは……これ、か?」 支給された、とは言い難い。最初からこの部屋に安置されていただろう鈍色の鎖は、エレンの両手を拘束するための手錠だ。 しかし、同時にエレンが生存するための命綱でもある。 エレンが嬉しさで胸をドキドキさせていると、リヴァイは部屋を見回して頷いた。 「部屋は……悪くない。掃除の腕を上げたな」 「先輩方も何度も様子を見に来てくれたので」 「ああ、あいつら。そういえば、いい加減勘弁してやってくれと言いに来たな」 あはは、とエレンは思わず乾いた笑いを浮かべてしまう。 エレンが念入りに掃除をする姿を見て、彼らは手伝う場所すらないのだと理解した上で休憩を促してくれていたのだ。 先輩方がエレンの様子を見に来てくれていたのは、何も化物への監視だとか、兵士としてエレンに休憩を促すためだけではなかったらしい。 リヴァイへの進言もしてくれていたとは、頼りになる先輩だ。 リヴァイは掃除の出来を確認し終えると、エレンの隣をすり抜けて換えたばかりのシーツが張られたベッドに座る。 隣を通った時にふわりと香る匂いは優しい石鹸で、エレンは自分の汗臭さに恥ずかしくなる。 そういえば、本部から古城に戻ってからずっと掃除をしていたので、汗と埃にまみれている。 血がないだけ壁外調査に出ているときよりはましかな、という程度だ。リヴァイは綺麗好き≠セ。 エレンはさりげなくリヴァイの座るベッドから一歩下がって距離を取った。 後ずさるエレンを気にも留めず、リヴァイは話を切り出した。 「ところで、だ」 「は、はい」 ベッドのリヴァイがエレンを見上げる。その静かな視線と声にエレンの背が自然と伸びた。 「エレン、お前に掃除を命じたわけだが、俺も準備をしてきた」 「準備、ですか」 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/324
325: 名無し草 (スプー Sd9f-G+K4) [sage] 2016/04/06(水) 20:59:06.42 d 純一なん!? http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/325
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