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【腐女子カプ厨】巨雑6440【なんでもあり [無断転載禁止]©2ch.net (697レス)
【腐女子カプ厨】巨雑6440【なんでもあり [無断転載禁止]©2ch.net http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/
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603: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:18:31.50 d 品のある黒いスーツジャケットに身を包み、首には白いクラバットを巻いている。 前髪はやや右側で分けられ、襟足は短く刈り揃えられた黒髪の男。 眉根を寄せて怪訝さを顔面に貼り付けたその人物。 それは間違いなく今しがた帰って来た、この屋敷の主人だった。 その人物を視界に写した途端、エレンの瞳から大きな涙が零れ落ちる。 「あ…あ…っ、兵長…っ、兵長っ」 言いたいことは山ほどあった。 だが、一気に溢れ出るものを言葉として伝える術も分からず、衝動のまま彼に縋り付く。 堰を切って漏れ出た感情のまま、子供みたいに泣きじゃくって自分の身体に縋る少年に動揺を見せるわけでもなく、その男は肩を支えて相手を少し押し戻した。 「教えてくれ、エレン。いつから俺にそんな肩書きがついたんだ?」 その男は、先程エレンが口にした言葉を確認しようとしていた。 責めるわけでもなく、突き放すわけでもなく、落ち着かせるように頬に触れて涙でくしゃくしゃの顔をじっと覗き込む。 「俺の名前は?」 この少年の持ち前の美しい両眼はいまや白目が血走り充血して、鼻面までをも赤くさせている。整っているはずの顔を歪ませ酷い有り様だった。 「……っ」 それでも眼を背けず自分を見つめてくるグレイシュブルーの静かな瞳に、エレンの眼は戸惑うように揺らぐ。 自分はこの人をいつもなんと呼んでいるか。なんと呼ぶべきであるか。分かっていないわけじゃない。 「リヴァイ…さん」 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/603
604: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:18:57.35 d 俯き、小さな声でそう言ったエレンの肩は酷く震えていた。 その後も消え入りそうな声で続けざまに自分の名を呼び、肩に顔を埋めて泣く少年の頭を手で支える。 リヴァイと呼ばれた男は、エレンに向けていた穏やかな表情とは一変し、睨みを効かせ、相手を責めるような鋭い眼をエレンの肩越しから奥に居た人物に向けた。 困ったように苦笑いで答えるしかないハンジ。 リヴァイは、どういうことか後で説明しろと眼で問い質しているらしかった。 だがその前にチェス盤と駒がぶちまけられた床の惨状を見るに、もっと別の落ち着ける部屋にエレンを連れていき、暫く様子を見るべきか。そう考えたリヴァイが、彼から少し離れようとした瞬間、かくん、と、細身の身体が力無くその場に崩れ落ちる。 「エレン…?」 咄嗟に抱えられた少年はリヴァイの腕の中で、そのまま意識を手放した。 お互いの自室とは違い、2人で夜を過ごすための部屋は、別の場所に用意されている。 応接室や客間から離れた所を敢えて選んで用意されたその場所は、何日の間も使用されていなかったというのに、清掃を担当した本人が言う通りに塵一つ無く、ベッドメイキングも何もかも完璧だった。 ベッド脇の飾り棚に灯りを灯すための道具。香油が入ったガラスの小瓶。水差しとコップ。 いくつかの着替えとタオル、替えのシーツが仕舞われた引き出しが付いた収納棚がその隣に置いてあるくらいの、シンプルな内装。 余計な物は一切置かない。この部屋は。時間を気にするのも煩わしいから、時計だって置いてない。 お互いの身一つがあればいいと、そんな意味を持つことも知っているから、それ以上は何も言わない。確認する必要もない。 「わっ、ちょ、リヴァイさ…!」 ベッドの上で無遠慮に剥ぎ取られる衣服はあれよあれよと言う間に脱がされていくのだが、カーテンが開け放たれたままで窓から射す光を直に受けて曝された自分の貧弱な身体が哀れになり、その先を一旦止めさせたくなった。 明るいうちから致す事になろうとは思っていなかったから。 それならせめてカーテンを閉めて、暗いなら蝋燭を灯すくらいの配慮を貰いたかったのに。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/604
605: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:19:01.66 d あー!わー!とか叫んでる間に結局全部脱がされてしまい、残った恥じらいを捨てきれないエレンはシーツを身に纏おうと手繰り寄せて握り締める。 その様子を見ながら腰を下ろし、今度は自分の衣服を脱ぎ始めるリヴァイを、直視出来ずに視線を不自然に泳がせたエレンは明らかに挙動不審だ。 「いい加減慣れねぇのか」 慣れる、わけがない。 現役の兵士であるこの人の屈強な肉体を見せ付けられたら、どんなに自主トレしようと屋敷で燻っているしかない自分の身体なんて比べてしまえば情けないったらない。 だから女性のような恥じらいというよりかは、そっちの方がエレンにとっては酷だった。 でもそんなどうにもならない劣等感を知られることすら恥である。 「だ、だって。…だって、オレ、記憶があやふやだから、毎回初めてのような、ものなんです」 自分の上へのし掛かってきたリヴァイに対しどうか容赦を…と、そんな意味も込めての、苦し紛れの言い訳だった。 その言葉に少し口端を吊り上げ嗤うリヴァイの顔は影になった所為もあってか、いやに蠱惑的であり、エレンは心臓を直に撫で上げられるような恐怖と期待の矛盾した切迫感に身を震わせる。 「そりゃあ、ヤる度に初々しくて堪んねぇな」 …なぁ、エレン? 艶めいた低い声でそう言われてしまえば、もう。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/605
606: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:19:28.51 d 耳から犯されたそれが首を下り、背筋から伝わって腰までをも悪寒が走り抜ける過程で既に。 痺れが全て快楽に変わる事を、予感させていた。 さっきの初めて宣言はどこへやら。 自ら腰を揺すって躯をしならせ、いい、いい、と浮かされたように繰り返し囀ずる淫靡さに、持っていかれそうになりながらリヴァイは迫り上る射精感に堪えていた。 「っ、…おい、ちょっとは自制しろ…ッ」 「や、あっ、止まんな…んぁあっ」 いつの間にか完全に主導権が奪われている。 無垢だった少年をここまでにしてしまった自分に罪があると今ここでリヴァイは懺悔したい気持ちにまでなったが、申し開きをしたいその相手は聞いてもらえるような状態ではなさそうだ。 元々加減をしてやるつもりであったから、前戯も丁寧に時間をかけ、挿入後も様子を見ながら動きを緩やかにしてやっていたというのに。 途中から自分で動きたいと言い出したエレンに、本人のペースでやらせた方が相手にとっても楽かと考え、上にさせてやったのが間違いだった。 一度イかせたしそれで落ち着くだろうと思ったのだが、余計に拍車を掛けてしまっただけのようだ。 我を忘れ向こう見ずに突き進む性格もリヴァイは理解しているつもりだったが、今日のエレンは妙に性急で、貪欲である。 「やッ、んン、やだぁ…っ、ほしい、りばいさ…っ、もっとシて欲しぃ…ッ、」 「…ッ、エレン…」 そんな可愛いことを、腰を擦り付けながら言う。 脳を掻き交ぜられるような甘い声でねだられ頭が麻痺しかけて、倒錯行動に至らせるほどの危険すら感じたが、理性の綱をそれでもリヴァイは手放さなかった。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/606
607: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:19:32.52 d 身を起こし、エレンを抱き締めると、宥めるように背中をさする。 「…駄目だ、今日はゆっくり。…な?」 「ふ、ぅ、ん…うぅ、」 その言葉に相手の肩に取り縋り、必死で自分を落ち着かせ従順になろうとするいじらしいエレンに、いい子だ。と言って、震える額にキスを落とし、乱れた髪を梳いてやる。 本当なら淫ら極まりない声で泣くまで喘がせ、溺れさせてやりたいくらいだが。 倒れたばかりでこんな行為を強いていることさえ間違いなのに、これ以上無理をさせるわけにもいかない。と、リヴァイは我慢させざる負えなかった。 首に手を回して相手の律動に合わせられるまでにやっと自分を取り戻したエレンの腰を抱いて、緩和な動きで下から突き上げる。 洩れ出た熱い吐息を時折奪って口付け、エレンの様子を見ながらリヴァイは抽送を繰り返していたのだが、閉じられた瞼の端から突然、水滴が頬を伝って零れだした。 動きを止め、どうした?と、聞きながら、眦から零れ落ちた涙を唇で拭ってやっても、留めどなく溢れ出て更に止まらなくなったので、困り果てたリヴァイはエレンの頬を両手で抱えるようにして押さえ、真っ直ぐ見つめる。 「おいおい。泣かれたら、善くねぇのかと思っちまうだろ…?」 具合が悪いのか?と聞くリヴァイに、ふるふると首を振って、エレンがしゃくり上げる。 途中で気分が悪くなったら中断するから、ちゃん言え。と、最後まで自分の事を第一に気遣ってくれているリヴァイの優しさに、エレンは今まで押さえていた涙がついに決壊してしまった。 「……ん、ふ………って、だって…っ、こんな、近くにいるのに遠くて、こわいんです…また離れ、たら、リヴァイさんのこと、全然分からなくなっちゃうかもって…思ったら、オレ…ッ」 ずっとそんな不安を抱えていた。 一緒に居る間は相手の事が分かるのに、傍に居ない時は何故かリヴァイの記憶だけが薄れていく。 同期の皆や幼馴染みのことは絶対に忘れないのに、リヴァイのことだけが、何故か。 事故で一時的に失われただけかに思われていた記憶の穴は、リヴァイに関することだけが未だ進行して広がっていた。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/607
608: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:20:00.53 d リヴァイと過ごした日々の大事な記憶を何度も何度も反復し、紙に書き留め、忘れまいと抗う事を人知れず繰り返していたけれど、いつかまた完全に喪失してしまったらという恐怖がエレンをいつでも責め立てた。 「……。大丈夫だ。俺はお前を覚えてる。ちょっとくらい忘れても、ちゃんと思い出させてやるから…」 だからもう泣くなとリヴァイはエレンを強く抱き締める。 その言葉にやっと開かれた揺蕩う瞳は水底の硝子玉のようにゆらゆらと綺麗で、尚も愛しさが込み上げる。 自分を信じて疑わないのであろう純真な瞳ごと、舐め回して愛してやりたいくらいだった。 愛しいと感じる身体そのものが情欲に直結しているみたいにリヴァイを昂らせてしまったから、エレンは自分の中に収まっていたモノを、強制的に思い出させられて腰にずくん、と、快感が走る。 抱き締めたままで堪らずリヴァイが中を穿つと、甘ったるい矯声が耳に心地よく響いてそれを更に引き出すようにして腰の動きが速くなり、互いの熱を限界まで掻起させるのも容易かった。 「んンぁ、ふぁあっ、あ、ぁっ」 「……っは、エレ、ン…ッ」 最奥まで捩じ込み、中イキさせて自分の種をこれでもかってくらい植え付けてやりたい程だった。 しかし、ドライオーガズムは平常でも暫く動けなくなるくらい身体に負担がかかるものだ。 元より今日は大事を取ってそこまではしないつもりだった。 肉穴が、きゅうきゅう締まって限界を訴えてくるので、イキそうか?と、聞けば、こくん、こくん、と頷いて、エレンが絶頂を前にしがみ付こうとするので、リヴァイは中から濡れて滑る自身を引き抜いた。 なんで?どうして?と、恨めしそうに震えている哀れな瞳に構わず、血管が浮き出て極限まで猛った肉棒を相手のそれに擦り付ける。 エレンの手を取り互いのモノを握らせて、リヴァイも一緒に強く握り込んで裏筋をぐっと擦り上げた。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/608
609: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:20:04.91 d 「っあぁ、ン…!あ、ーんんッ」 「ーーッ!」 吐き出した自分の体液が相手の性器を汚していることすら、得も言われぬ快感で。 出した後で白濁に塗れたぺニスをしつこく擦り付け絡ませ合うという動物じみた行動にすら互いに酔いしれて、いつまでも2人は名前を呼び合い濃厚なキスを交わして確かめ合った。 くたりとベッドに沈むエレンの体をきれいに拭いてやって、服を着せてやる。 自分で出来ますと言ってもけっきょくリヴァイがやってしまうとエレンは分かっていたから、全部任せた。 何から何まで、すみません。と、手間をかけさせている事を律儀に謝るエレンに、俺が好きでやっていることだとリヴァイは言いながら毛布をかける。 「明日はオレが調子良かったら、対人格闘の訓練つけてもらってもいいですか?」 「ああ。」 「オレ、いつか記憶が戻って病気も治ったら、リヴァイさんと色んな所へ行きたいです」 「……そうか」 穏やかな表情で夢物語を話して微笑むエレンの頭を撫でてやれば、すぐにうつらうつらと微睡み始める。 その稚い様子にどうしようもなく愛情が湧き出てしまうリヴァイは、こめかみにキスを送った。 「無理をさせたからな。もう休め」 そう言ってやれば、素直なもので、数分も待たずにエレンは眠りへと落ちていく。 「……何処にも行けないんだ、エレン。」 深い眠りに静かな寝息を立てる綺麗な顔を見下ろしたリヴァイの瞳は冷たい影を落とし、曇る。 忘れても思い出させてやるなどと、根も葉もない戯れ言を吐いた自分のこの舌を噛み切ってやりたい。 「なんせ、俺が切り落としちまったんだからな」 飛ぶことを覚え始めたばかりで未完成だったが、真っ直ぐで美しかった柔い風切り羽を本人も気付かぬ間に削ぎ取ったのも、この鳥籠に閉じ込めてお前を騙し続けているのも、他でもない自分なんだ…と。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/609
610: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:20:33.09 d この前はサシャとコニーが泊まりに来て。また別の日にはジャンとマルロ。 その後はピクシス指令と部下の女性が訪ねて来た。 その次はエルヴィンさんとナイルさん。昨日はまたミカサとアルミンが来ていた。 必ず毎回2人ずつ、それすらも意味があったのだと。 『身体の調子がまだ戻ってないこともあるけど、脳が情報を処理しきれなくて、一時的にまた昏睡状態に入ったんだと思う。』 『何故、エレンの記憶は戻りかけている』 『薬に対して身体に抗体が出来てしまっているのか。それとも自分の意思で飲まないようにしているのか…』 『だが、飲み続けたとしても、あいつの中に未だ燻る衝動をそんな薬ごときでずっと抑え込めるなどと、俺には到底思えん』 『そのためのストッパーとして貴方がいる』 夢か現か。その時は、自分でもよく分かっていなかったが。 裸足のまま夢遊病みたいに意識がはっきりしない頭で屋敷を彷徨って辿り着いた部屋の前でそんな会話を聞いてしまったのは、大分前の事だったろうか。 気怠さが抜けきらない身体を起こしたが、そのままでは少し寒く感じた少年は素肌にシーツを身に纏い、ベッドから這いずり出て窓から外を眺めた。 ガラス越しに空を仰ぎ見、月明かりを宿したまるい瞳は磨かれた金のような眩い輝きを放つ。 脱ぎ捨てベッドに置いたはずの服が縺れ合う間に散らばってずり落ちたのか、自分の衣服が床に散乱していた。 どうにかしようとそれらを拾い上げると、シャツから何かが落下する。 そのまま転がり落ちて壁に当たり、動きが止まった小さな石ころのような球体のものを彼は拾い上げた。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/610
611: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:20:36.99 d 自分にだけ見せる顔。雄の顔ではない、男のリヴァイだけが見ることのできるエレンの雌の顔が見たいのだ。 結果的には…そう、結果的にその顔は見ることができたし、自分のモノにもできたと思う。だが、エレンは心までは許してくれなかった。 「ぁ…っん、ァ、…っ…っ」 「良さそうだな、エレン」 「んっ、…は、ぃ…気持ち、いいで…すっ…はぁ、アッ」 エレンの背中にちゅ、ちゅ、と吸いつきながら、腰を掴んでぐちゅぐちゅになって解れている後孔を何度も穿つ。 外気に触れれば熱を持つローションがエレンの内側の肉をますます敏感にしてしまうようで、中は火傷しそうなほどに熱かった。 こうしてセックスするようになって、どのくらい経つだろうか。季節は冬から春に変わっていた。 エレンはやたらセックスをねだるようなことはしなかったが、我慢ができなくなるとリヴァイのところにやってくる、そんな感じだった。 まだ少し、リヴァイに抱かれることに戸惑っているようだったが、指先でも触れればその体は素直になった。 だが、エレンは最初の頃よりも声を抑えるようになった。 息ができているのか心配になるくらい顔を枕に押し付けて、くぐもった喘ぎだけを漏らす。 手はシーツを強く掴んでいて決して離そうとはしなかった。 まだ男に抱かれる屈辱に耐えているのかと思いきや、気持ちいいか、と聞けば素直に気持ちいいと言うのだ。 だったら我慢などせずにもっと喘げばいい。 縋りつけばいい、そう思っているのにエレンは頑なにそうしようとはしなかった。 「おい、エレン」 「ぁ…な、なに…っン、ぁっ、っ、…アッ、ひあ!」 声を我慢されるのが不愉快で、一度性器をずるりと抜くと、その体をひっくり返してこちらを向かせた。 顔を真っ赤にして瞳を潤ませ、荒い息を繰り返すエレンは驚いた様子でリヴァイのことを見た。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/611
612: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:21:26.64 d 「な、なん…っ」 「たまにはいいだろ。声、我慢するな」 「えっ、ちょっと待っ…アッ、」 「いいな?」 「あぁ…っ、待っ…リヴァイさ、まだ、いれないで…っ」 「ああ?」 抜いたばかりでまだ少し開く後孔に性器の先端を押しあてようとした所で、エレンがそこに手を伸ばしてそれを阻んだ。 「こっちでするなら、…っ手、縛ってください…っ」 「……なに?」 「お願いします…っ初めての時みたいに、両手、縛ってください…!」 リヴァイはその懇願に頭がくらくらした。 確かに初めてエレンとセックスした時はネクタイで両手を縛ったが、あれはエレンが抵抗するからであって、別にリヴァイに緊縛の趣味があるわけではない。 「…理由は?」 「………なんとなく、…っいいから!早く縛れよ!」 じゃないと入れさせない!みたいに叫ぶものだから、リヴァイは不本意ながらも床に放られた自分のネクタイをとる。 だが、エレンに「皺にしちゃうからオレのにしてください」と言われて、言うとおりにエレンのネクタイでその両手首を縛った。 「痛くないか?」 「平気です…もっときつくてもいいくらい」 これでも結構きつめに縛ったのだが、少しの隙間にエレンはまだ不満そうだった。 「跡がついちまうだろうが」 「いい…明日、休みだから」 そして、手首を縛るために起きあがらせていた上半身をどさりとベッドに横たえると、エレンはリヴァイを見上げて言った。 「ひどく、してください…」 エレンが何を考えてこんなことを言うのかがわからなかった。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/612
613: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:21:30.89 d それはそうなのだが、リヴァイはそれでは納得できないのだ。 「どうして?だってさ、君の可愛いエレンはセックスしたい時に来るわけで、リヴァイだって自分の所にきてくれて満足。 彼は気持ちいいし、お互いそれだけの関係でしょう?実際それだけの繋がりでしかないんだし。むしろそれだけの関係ならもっと気持ち良くなりたいと思うんじゃない?」 女だというのにはっきりと言うハンジに若干ひきつつも、リヴァイは一理あるその言葉に眉を潜めた。 「それじゃあ体だけみてぇじゃねぇか。アイツはセフレじゃない」 「は…本気で言ってる?セフレじゃなかったらなんなの?」 リヴァイは黙考した。 エレンはセフレじゃない、と思う。 確かに会う度にセックス…というかセックスするためにしか会わないけれど、リヴァイの中ではそうではないのだ。 それだけの関係にしたくない。男のエレンが同性のリヴァイに抱かれる。 そんなのは普通では考えもしないことで、彼が自分の手の中に堕ちてきただけでも僥倖だと言うのに、リヴァイはそれ以上をエレンに求めているのだ。 「リヴァイがそう思ってなくても、きっと彼はそう思ってるよ。だからリヴァイの所に行くし、セックス自体に嫌とも言わない」 「…それでも、アイツは」 正直に話そう。 リヴァイはエレンのことを自分のモノにしたいと思っていた時から、たぶん、彼に好意を抱いている。 支配したいと思うのも、自分のモノにした優越感に浸りたかったのも、全てただの独占欲だったのだ。 こんな関係になる前、二度も強引に抱いてしまったことを少なからず後悔していたリヴァイは言うなればただの不器用で、これ以上嫌われてしまわないようにするにはどうしたらよいかわからなかった。 とりあえずもう無理矢理に手を出すことを止めよう。 けれど、あの日エレンに初めて呼びとめられた。 何か言いたいことがあるのだろうと、あまり人の入らない保管室に連れていった。 体に触れてしまうと抑えが利かなくなるから、出来るだけ触れないようにした。 煽るようなことを言ったのも、エレンがいつでも逃げ出せるように逃げ道を作ったつもりだった。 けれど、エレンは顔を仄かに赤くして、潤んだような瞳を期待に染める。以前とは違う反応だった。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/613
614: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:21:56.69 d 氷海樹 恋に落ちる音はどんな音 どうにも先日から、リヴァイの頭の隅をチラチラと掠めて離れないものがある。 『3年大将のハチマキ、頂きます…っ!』 体育大会でリヴァイに立ち向かってきた1年生大将のひとり、エレンのことだ。 そのときはもちろん瞬殺してやったが、以来、リヴァイの頭を悩ませるようになった。 彼は調査団の後輩でもあるので、それなりに関わりがある。 関わりはあるし掃除の指導なんて何度もしているが、こんなにも脳内にチラつくのは初めてのことだった。 (なんだってんだ、クソッ) チラつくのは決まってひとつ。 エレンがただでさえ大きな目をギラギラとかっぴろげて、こちらを睨みつける顔だ。 直後にハンジがやらかしたせいでその日は曖昧になってしまったが、とうにリヴァイの悩みは始まっていた。 浮かぶ残像を振り払うように首を振る。 そこでふと聴こえた声に顔を上げた。 今は昼休み、開け放った窓のおかげで校庭の声が聴こえてくる。 「エレン! ミカサとアルミンも聞いて下さい! ついに…ついにメロンパンを手に入れましたよーっ!!」 「マジか! すっげえな?!」 「それはすごいね、サシャ!」 「おめでとう」 「はい! 今までの私の努力がこれでひとつ報われ…っむぐむぐ」 「食うのはえぇよ…」 「サシャ、もう少し味わってもバチは当たらないよ…?」 言うまでもなく、エレンと彼の友人たちの声だ。 窓から校庭を見下ろしてみれば、グラウンド傍の芝生で弁当を広げているエレンたちの姿がある。 しばらく彼らを…正確にはエレンを…眺めて、リヴァイは打ちのめされた。 (なんでアイツを気にしてんだ、俺は…!) ただの後輩だ。 調査団へ乗り込んできた猪突猛進で、ときどき生意気な口を利く後輩。 (…あのとき、巨人をぶっ殺したいと言った顔も悪くなかった) と思ってから、リヴァイはまたも打ちのめされる。 (だから…!) エレンの、友人たちと弁当を食べる顔。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/614
615: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:22:32.49 d 調査団で活動するときの顔。 それから。 巨人に対するときの顔。 チーハンチーハンと騒いでいるだけの、煩い子どもだと思っていたのに。 (そうだ。あれはただの後輩だ) 強く頭(かぶり)を振って、リヴァイは窓の外から無理やり視線を引き剥がした。 調査団の活動は、秘密裏の部活ゆえに正規の部活動が終わった後に始まる。 「お疲れ様です!」 「あ、エレン。アルミンたちもいらっしゃい」 今日も彼らは調査団の部室へ来たようだ。 生物部に寄ってからやって来たリヴァイは、廊下を歩いているだけで分かる部室の騒がしさに眉を寄せた。 仮にも闇に紛れた部活、もう少し密やかに出来ないものか。 (そういえば…) エレン・イェーガーという後輩が1人でいるのを、リヴァイは見たことがない。 まあリヴァイ自身もなぜかハンジとミケがよく寄ってくるし、ペトラたちもいつも4人でいるし、常につるんでいるのも珍しくはない。 「おい。もう少し静かに出来ねえのか、てめぇら」 「あっ、リヴァイさん!」 「リヴァイ先輩、おつかれさまです!」 しかし人数が多いというのは、掃除にはありがたい。 学校の窓は壁美化部の範疇だが、旧校舎の大部分は調査団が使用している。 「てめぇら、今日は倉庫の掃除だ」 「えぇーっ?!」 「また掃除ですかぁ?!」 (こいつら、掃除に対する意識がなってねぇな…) 躾直しか、とハリセンを取り出そうとしたところへ、後ろから走ってきたハンジが取りなした。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/615
616: 名無し草 (アウアウ Sac1-xmDs) [sage] 2016/04/07(木) 20:22:35.18 a >>595 うんこかな? http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/616
617: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:22:36.95 d 「まあまあ、1年生諸君の気持ちはよーく分かるよ。でもね、今年の調査団の活動方針は、顧問の先生がいないと決定も履行も出来ないんだ」 「…アルミン、りこうって何だ?」 「実行するってことだよ」 「へえ」 「そういえば、調査団の顧問って誰なんですか?」 「エルヴィンだよ」 「エルヴィン先生?」 3年生の学年主任をしている教師は、エレンたちも知っている。 彼の授業は週に1度しかないが、とても分かりやすいしキースと違って話しやすい。 「秘密裏の部活だからさ、顧問として活動するのは私たちよりもっと大変ってことだよ」 「へえ…」 そうなんだ、と1年生たちの顔が納得に変わったところで、リヴァイが舌打ちをした。 「チッ、喋ってねえでさっさとやるぞ。時間は有限なんだ」 どうせ今日も、エルヴィンは来ないだろう。 その意見にはハンジたちも同意であったので、文句は言わない。 「エルドたちは部室と隣の空き部屋だ。ハンジとミケはガキ共を倉庫に連れてけ。…エレン、お前はこっちだ」 「えっ?」 ハンジの後を追おうとしていたエレンは、なぜか呼び止められて目を丸くした。 「俺…ですか?」 「そうだ、お前だ。俺の掃除を手伝え」 首を傾げながらもリヴァイに着いていこうとしたエレンの腕を、ミカサが掴む。 「待って、1人ではきけ…危ない。私も行こう」 「…ミカサ。危険も危ないも同じ意味だよな?」 言い換えれてないぞ、というエレンにしてはずれていないツッコミを、彼女はスルーした。 「リヴァイ先輩。エレン1人では大変なので、私も手伝います」 「いいや。お前は倉庫だ」 「! なぜですか?!」 人数が多い方がと食い下がるミカサに、リヴァイは犬を追い払うように手を振る。 「俺もやるんだ。それに狭い部屋に人数はいらねえ」 ミカサはぐっ、と唇を噛んだ。 深刻そうな空気だが、中身は掃除の組分けの話である。 埒が明かない、とエレンはミカサの両肩を掴んだ。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/617
618: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:23:02.09 d 「まあまあ、1年生諸君の気持ちはよーく分かるよ。でもね、今年の調査団の活動方針は、顧問の先生がいないと決定も履行も出来ないんだ」 「…アルミン、りこうって何だ?」 「実行するってことだよ」 「へえ」 「そういえば、調査団の顧問って誰なんですか?」 「エルヴィンだよ」 「エルヴィン先生?」 3年生の学年主任をしている教師は、エレンたちも知っている。 彼の授業は週に1度しかないが、とても分かりやすいしキースと違って話しやすい。 「秘密裏の部活だからさ、顧問として活動するのは私たちよりもっと大変ってことだよ」 「へえ…」 そうなんだ、と1年生たちの顔が納得に変わったところで、リヴァイが舌打ちをした。 「チッ、喋ってねえでさっさとやるぞ。時間は有限なんだ」 どうせ今日も、エルヴィンは来ないだろう。 その意見にはハンジたちも同意であったので、文句は言わない。 「エルドたちは部室と隣の空き部屋だ。ハンジとミケはガキ共を倉庫に連れてけ。…エレン、お前はこっちだ」 「えっ?」 ハンジの後を追おうとしていたエレンは、なぜか呼び止められて目を丸くした。 「俺…ですか?」 「そうだ、お前だ。俺の掃除を手伝え」 首を傾げながらもリヴァイに着いていこうとしたエレンの腕を、ミカサが掴む。 「待って、1人ではきけ…危ない。私も行こう」 「…ミカサ。危険も危ないも同じ意味だよな?」 言い換えれてないぞ、というエレンにしてはずれていないツッコミを、彼女はスルーした。 「リヴァイ先輩。エレン1人では大変なので、私も手伝います」 「いいや。お前は倉庫だ」 「! なぜですか?!」 人数が多い方がと食い下がるミカサに、リヴァイは犬を追い払うように手を振る。 「俺もやるんだ。それに狭い部屋に人数はいらねえ」 ミカサはぐっ、と唇を噛んだ。 深刻そうな空気だが、中身は掃除の組分けの話である。 埒が明かない、とエレンはミカサの両肩を掴んだ。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/618
619: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:23:06.06 d 「ミカサ。お前にはお前の役目がある。子供みたいな駄々こねてんじゃねえ!」 君たちも子どもだよ、というツッコミを飲み込んだハンジは偉かった。 エレンに真正面から諭され、彼女はようやく頷く。 「…分かった。終わったらすぐに行く」 「おう」 「おい、話が終わったならさっさと行くぞ」 「はい!」 先に歩き始めたリヴァイを追い掛けるエレンを、ミカサはいつまでも見送っていた。 「……これ、掃除の話だよな?」 ジャンの呟きは誰にも拾われなかった。 リヴァイが向かった先は、元は職員の宿直室らしかった。 簡単な調理場と調理器具や食器があり、来客用なのか仕切りのない隣には小さめの応接室。 「旧校舎にこんな部屋が…」 「俺たちしかいないからな。勝手に使わせてもらってる」 さて、とリヴァイは掃除専用スタイルへと切り替える。 要するに、埃避けのバンダナとマスク代わりの布を付け、ハタキを装備した状態のことだ。 「うぇっ、リヴァイさんいつの間に」 「おい。てめぇもさっさと着替えろ」 「いや、着替えるったって…」 それ大掃除の格好じゃ…と言い掛けたエレンを、まさかとリヴァイが睨み上げる。 「エレンよ…掃除を舐めんじゃねぇぞ」 ピシッとその両手に張られた白い布。 鋭すぎる眼光に、エレンは思わず悲鳴を上げた。 「躾直してやる」 「ヒッ?!」 掃除は上から。 面倒でも物を避けながら。 「うぅ…何なんです、これ」 「なんだも何も、掃除のための正式なスタイルだろうが」 「掃除に正式スタイルって何…」 どうにも心地の悪い頭の三角巾を直して、エレンはリヴァイを振り返る。 「ていうかここ、十分綺麗じゃないですか…」 「ぁあ? 何言ってやがる」 この埃が見えねえのかと凄もうとしたリヴァイは、エレンを見るなり固まった。 ちょうど口許の布を下ろしたところであったエレンは、目を見開いているらしいリヴァイに首を傾げる。 「リヴァイさん?」 「……………何でもねぇ」 たっぷり数秒を使って顔を背けたリヴァイは、さっさと続きをしろと言っただけだ。 (どうしたんだ?) http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/619
620: 名無し草 (ワッチョイ 9c1c-xmDs) [sage] 2016/04/07(木) 20:23:11.49 0 >>524 なんやゾロっぽい http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/620
621: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:23:31.37 d まあ、掃除が終わらなければ他のことはさせてくれないようなので、大人しく従う。 リヴァイはハタキに意識を戻したエレンを盗み見て、内心で頭を抱えた。 (どういうことだ…可愛いってなんだ可愛いって!!) そう、リヴァイは口の当て布を下ろして振り返ってきた三角巾姿のエレンを、あろうことか『可愛い』と思ってしまったのである。 (待て…あいつは男だろうが! 確かに可愛い顔をしてるが!) …と言い訳を脳内で叫んで、再び自分の思考に絶望した。 (おい…可愛いって顔ならやつの馴染みだというきのこ頭の方が…いや、あれも男だ。クリスタって女のことを言うんじゃないのか) しかしクリスタの姿を思い返してみて。 (エレンの方が可愛いだろうが!) と、セルフツッコミのち絶望というコンボを自ら喰らう。 器用な男だ。 「リヴァイさーん?」 悶々としているリヴァイをエレンが呼んだ。 「こっちの棚終わりましたけど…」 「…分かった。確認する」 (人には手ぇ止めるなって言っといて、リヴァイさんの手の方が止まってんじゃん) ムッと頬を膨らませて、エレンはぼすりとソファへ座る。 他の誰かがやろうものなら「掃除中だ」とか「埃が立つ」とハリセンを飛ばすところだが、今回のリヴァイは違った。 (クッソあざとい!!!) 先ほどうっかりどきゅんとキたかもしれない、掃除スタイルのエレン。 そのエレンが同じ格好でソファに座り、膝に立てた両手に顎を乗せて膨れっ面をしているのである。 そのまま叫びそうな声を深い溜め息に変え、リヴァイは掃除の終了を告げた。 「まったくなってねぇが、今日はもういい。倉庫を手伝ってこい」 「? 分かりました」 釈然としないながらも、エレンは立ち上がる。 「その掃除スタイル用の三角巾はお前にやる。どうせ倉庫でも汚れるしな」 「はあ…ありがとうございます…?」 首を傾げるエレンに、なぜ首を傾げるのか尋ねたいのはリヴァイの方だ。 エレンが部屋を出ていけば、部屋の中は一気に静かになる。 (なんだってんだ畜生…) ソファへどかりと腰掛け、2度目の深い溜め息を吐く。 そこがエレンの座っていた箇所だなんて自覚はリヴァイにはなく、彼は片手にハタキを握り締めたまま考える人になっていた。 シュールである。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/621
622: 名無し草 (スプッ Sdb8-xmDs) [] 2016/04/07(木) 20:23:35.85 d スン、と鼻を鳴らしたミケに、即時復活を遂げたハンジが食いついた。 「そうそう! 特にペトラなんか女神って言われてるクリスタと張り合っちゃって、この間恋バナしてたよ!」 「恋バナ?」 「そ、恋愛話。まあリヴァイには縁がない…わけでもないか〜」 靴箱にラブレター入ってたりするもんねえ、とハンジは笑う。 「迷惑なだけだ」 「うわ、今の台詞で世の男子生徒を敵に回したよ?」 「知るか」 調査団の部室はそろそろだ。 「じゃあ、クリスタは彼氏欲しいな〜とか思わないの?」 「そんなもんいらねーよ! アタシがいるからな!」 「もう、ユミルったら」 ペトラが笑顔のままで固まった。 そのシュールさにクリスタとユミルは気づくことはなく、ペトラは自ら金縛りを解く。 「と、ところで。クリスタは『恋に落ちる音』ってどんな音だと思う?」 引き攣る口許を直したペトラが、改めて会話を再開させた。 クリスタは疑問を抱かず食いつく。 「素敵な言葉ですよね! 私の好きな曲にもその歌詞があるんです」 「確かに素敵よね。でもこれってどんな音なのか気にならない?」 気にならない、わけでもなかった。 「うーん、心臓が鳴る音だとしたら、ドキン?」 言ったクリスタを、ユミルが後ろからぎゅうぎゅうと抱き締める。 「うっわ可愛い! アタシはそんなクリスタにキュンってするな!」 ペトラは笑顔のまま固まりかけたのを阻止した。 「『ドキン』と『キュン』ね。あり得そうだわ…」 「何か可愛らしいものが落ちる音なら、『コトン』とかじゃないか?」 唐突なエルド参戦。 それをペトラとクリスタは許した。 「一理あるわね」 「あっ、一目惚れなら目が合った音とか!」 「それどんな音だ?」 「え、えっと…ばちん?」 まるで火花だ、頬を張られた音だと笑ったところへ、不機嫌な声が割り込む。 「おい、てめぇら。調査団の活動は静かにやれと言わなかったか?」 「リ、リヴァイ先輩!」 ガラリと調査団部室の扉を開けると、まさに噂をしていたペトラとクリスタ http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459947423/622
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