[過去ログ] 【腐女子カプ厨】巨雑6441【なんでもあり】 [無断転載禁止]©2ch.net (1002レス)
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169: (スプッ Sdb8-xmDs) 2016/04/08(金)06:04 d AAS
 ベッドの上で思わず漏らしてしまった呟きは、誰に聞かれることもなく暖房の音に紛れて消えた。
「……、」
 現状を維持したいなら俺はあいつを追うべきではなかったし、あいつの気持ちの整理が付くまでこちらから連絡を取るべきでもなかった。
 そうすれば全てが丸く、俺が望む形に収まるのだ。適度な距離に適度な理解。
 のめり込み過ぎてはいないものの、情が全くないわけでもない、今までそうであった筈の関係に。
 だがそれは、俺ともっとどうにかなりたいのだと。
 半分泣いてるような面で告白してきたあいつの気持ちを無碍にしてまで、維持しなければならないものであるのだろうか。
 あいつにのめり込むのが怖いだなんて理由であいつを傷付けっぱなしにするくらいなら、ちょっとくらいのめり込んでしまってもよいのではないのか。
 そんな理由のせいであいつを追うこともできないのなら、そんなものなど捨ててしまってもよいのではないか――そんなことを、どうやら俺はそれなりに、本気で思ってしまっていたらしかった。
 怖いけれど。これ以上あいつとの距離が狭まり過ぎて、頭の中があいつでいっぱいになってしまうかもしれないってのは、とんでもなく恐ろしいことではあるけども。
 でもあのちゃらんぽらんをあそこまで追いつめてしまったのは他ならぬ俺なのだ。
 俺なのだ。
 申し訳ないのだと思ったし、後悔をしてもいた。そんな感情を抱いてしまう程度には、俺だってあいつのことを――

「……万事屋、……」

 いい加減、腹を括る時がやってきたのかもしれない。
 ここまでぐだぐだとあいつのことばかり考えちまってるんだ、こんなもんもうとっくに、のめり込んじまってるようなものだろうに。

 俺はベッドに俯せに寝転がり、とりあえず一服、煙草を吹かした。
 今からでもあいつを追ってみようかな、と思わないでもなかったのだが、そこは勇気の不足やらなんやらの問題で実行に移すことはできなかった。
 あいつが俺とのことに折り合いをつける時間を欲しがったように、俺にだって心の準備をするための時間が必要だ。
 そもそもその晩のうちにあいつを追うことができるような俺であったなら、端からこんなことになどなっていなかったに違いないのである。
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