[過去ログ] 【腐女子カプ厨】巨雑6498【なんでもあり】 [無断転載禁止]©2ch.net (316レス)
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193: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:46 d AAS
「…顔を合わせるたびに心臓が変にうるさくなりやがるし、今までにない感情は湧き上がるし、それをごまかすために女抱いたり、女とキスして見せてお前をあわてさせることで自分を落ち着かせてた。
それなのに、お前がほかの奴としゃべるのが嫌で、腹が立って…それが募って…」

だからあの日、もっとも手酷い方法で怒りをぶつけた。そうしておきながら、我に返って惨状を目の当たりにし、怖くなって逃げた。
ようやく、エレンの顔をまともに見つめた。あの日以来である。泣いてこすりすぎだ様子の目尻が痛々しい。
唇の小さな傷もあの日のものだ。中心の深い青から外側に行くにつれて金色に光る不思議な瞳。
最初にエレンを見たときに感じたもやもやがよみがえる。なぜこんな気持ちになるのだろうか。
しかしこの感覚に飲まれたら、また同じ過ちを繰り返す。喉の奥で小さく息を漏らすとエレンの目をしっかりと見て、ゆっくりと言葉を選んだ。

「エレン、聞いてくれ」
「……」
「俺は…ようやく理解した」
省16
194: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:46 d AAS
 あの金曜の夜。
リヴァイの怒りと苛立ちを受け止めていたエレンは、無理やり身体を開かされた。
そういう経験のないエレンの身体を、リヴァイは慣らしもせずに乱暴に割り開いたのだ。逃げようとするエレンをひっぱたいたのはリヴァイ。
それでも逃れようとするエレンの手首をネクタイできつく縛り上げたのもリヴァイだ。
乱暴しながら、怒りに満ちた目がエレンを責める。お前のせいだ、と。

『エレンっ…お前がっ…!』

配属されて、初めてまともに呼ばれた名前は自分を責めるものなのに、それでもエレンは嬉しいと思った。リヴァイの声で耳に響く自分の名が、あの頃を思わせた。

『お前が!』
『嫌、やめっ…!ぶ、ちょー…っ…ど、してっ…!も、やっ…!』

とりあえず話をしたくて必死にもがくが、それがリヴァイの怒りを強くした。
省15
195: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:47 d AAS
自分に伸ばされた手が震えていることにも気づいた。涙と汗でぐちゃぐちゃの自分に触れさせるわけにはいかない。拒否するともっと泣きそうな顔になり、慰めたかったのに体は動かなかった。

『ごめ…なさ…ごめ…』
(動けなくてごめんなさい。そんな顔させてごめんなさい。ごめん…)

気にしないでください、と言いたかったのに、それをちゃんと伝えることもできないままエレンは痛みとショックで気を失ってしまった。
意識を戻したときには部屋にリヴァイの姿はなく、机の上にタクシーチケット。
ああ、すべてが終わったのだとエレンは呆然とした。
バイでもないリヴァイが、怒りに任せて男の自分にこういう行為をしてしまうほどに自分を嫌っているのだと理解した。
生まれ変わってもまた好きになるなんてのは夢物語なのだ、と現実を突き付けられて、長い間抱えていた自分のリヴァイへの思いの滑稽さに泣けた。

(俺はバカだ)

 リヴァイのくれたチケットを遠慮なく使わせてもらって、痛む体を引きずって帰宅したエレンは、2日間ほとんど動くことができなかった。
省15
196: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:47 d AAS
「どういう…」
「好きになっても、いいんですか?」

好きになってもいのかというフレーズが、リヴァイの頭の中をかき回して一番強い痛みをもたらした。
ズキズキずる頭の奥にもやがかかり、意思を無視して口が勝手に言葉を紡ぎ始める。

「もし…逢えたら…また、好きに…なる…」
「え…」
「また…いつか、好きに…なっても、いい…か…」
「ぶ、ちょ…う…」
「お前が…約束に縛られるのが嫌だった…お前が…約束で俺を好きになるなんて、そんなのは"本物の好き"じゃない…だから…まっさらな…前世なんて関係なくまっさらな気持ちでお互い惹かれあいたいと…」
「部長!?」
省20
197: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:47 d AAS
「っ!」
「好きになってもいいかって聞いたけど…俺、ホントは記憶戻った時からまた、まだ会ってもいないあなたのこと好きになってて、ずーっと好きで。ああいうことされながら…
あなたのこと好きで…嫌いになれなくて。嫌いになろうとしたけどやっぱり好きで。好きな思いが強くなって…俺、馬鹿なんですよ…」

どんな目にあっても、やはり嫌いになれなかった。
この土日、リヴァイのことを考えない時はなかった。考えて、ひどいと思いながらもやはり好きで。

「あきらめなきゃって…思ってるのにあきらめきれなくて…俺…馬鹿で…。前世から今まで、好きなんですよ、あなたを。」

エレンは泣き笑いしながら続けた。

「また、好きになっちゃってました…」
省16
198: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:47 d AAS
「こんな傷まで」
「もういいから」
「一生かけて償わせてくれ。こんなひどい事し……」

謝罪の言葉ばかりが紡がれるリヴァイの唇を、エレンの指先が抑えた。

「一生一緒にいていいってことですか?」

黙ってうなずくリヴァイに笑いかけると、

「嬉しいから、もういいです。」
省31
199: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:47 d AAS
目を覚まして姿がないというのはあの日を連想させて怖くなったがこの走り書きのメモが安心をくれた。気遣いは嬉しいが、さすがに2日も休めない。
 少しはましになった身体をなだめすかしながらどうにか出社したエレンが、部署に入ってすぐリヴァイを見て、驚きのあまり声を上げたのが先刻の事だった。

「ど、どうしたんですかそれ!」
「まあな」

まあな、では済まない。昨夜眠りに落ちる時点では無かった唇の端の傷。まだ新しい。切れたのか、少し血がにじんでいた。
ポケットを探ってハンカチを取り出し、そっとリヴァイの口の端に充てると少しだけ顔をゆがめてエレンの手をつかむと、ふっと笑った。

「何があっ…」
「え、ちょっ…え…」
「俺だよエレン」
「え?」
省24
200: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:47 d AAS
それは当たり前なんかじゃなく、
by sekaE

「いってぇ……」

 二日酔いでズキズキ痛む頭を抱えて目が覚めたリヴァイはあたりを見回した。
 普段は枠と言われるほど酒で酔うことのないリヴァイだが、繁忙期により連日の疲れが溜まっていたことと、接待の飲みで相手方にしこたま飲まされたことが原因で昨日は珍しく酔っていた。
 何とか帰ってきたはいいものの、そこで力尽きてソファーで寝てしまっていたらしい。床に投げ出したままのスーツのジャケットを見て顔を顰める。

「何でそのままになってんだ…?」

 いつもなら同棲している大学生の恋人、エレンが見咎めるだろう。皺になるからハンガーにかけろ、とよく言われている。
 最近は疲れを理由にエレンに任せてしまっていたが。そこでやけに静まり返った部屋が気になった。時計が指さす時刻はまだ早朝、エレンが居て朝食を用意している時間だ。
 はっとしたリヴァイはテーブルに置かれた一枚の紙が目に入った。
省16
201: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:48 d AAS
 いつになく突っかかってくるエレンに対してリヴァイも苛々してくる。
 連日の業務の忙しさで疲れはピークだ。話を聞いてなかったことくらい甘く見てもいいのではないか。

「ったくうるせぇな」
「なっ!?」
「時間だからもう行くぞ」
「ちょっと!リヴァイさん!」

 まだ話は終わっていない、と言うエレンを無視してリヴァイは家を出た。
 これ以上話していてもお互い苛々しているしヒートアップするだけで時間の無駄だ。
 リヴァイは合理的な判断をしたと自分に言い聞かせつつ徐々に頭が冷えてきて、他に言い方はなかったのかと今更ながら後悔していた。
 その後、リヴァイは出社して昼飯を取る時間も無く仕事に没頭していた。
省12
202: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:48 d AAS
 仕方なく室内干しになっていたワイシャツを着て放り出してあった昨日来ていたスーツに袖を通し出勤することとなった。
 昨日早く帰らなかったことは悪かったかもしれないが何も出ていくことないだろう。
 しかも電話は繋がらず、着信拒否をされている。
 満足にシャツも見つけられない自分の不甲斐なさを突然出て行ったエレンへの不満に転嫁させていた。

「昨日はすまなかったな。早く帰りたがっていたというのに」
「わかっていたなら早く帰らせろくそが……」
「いや、先方がな……しかし昨日はお前もだいぶ飲まされていたな」

 リヴァイは出勤早々エルヴィンに絡まれてただでさえ最低の気分がどん底まで落ちている。
 二日酔いで気分も悪いというのに朝に起こった出来事で憔悴しきっていた。

「昨日お前早く帰りたがっていたが、エレンと何か予定でもあったのか?」
省17
203: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:48 d AAS
「くそ…なんて詫びれば……」
「……今日を越えれば業務も落ち着く。早めに帰すから、エレンと会ってくるといい」
「……エルヴィン」
「昨日は俺も悪かったからな」

 とりあえず、エレンの携帯にはつながらないのでエレンの実家に掛けるしかない。それで直接会いに行って詫びよう。
 そうは思ったものの誕生日のプレゼントすらない状態だ。
 帰りに急いで見繕っていくべきか、と頭を抱えながらリヴァイはその日の業務に当たった。

「おい、なんでてめぇは俺の家に突然転がり込んでんだ」
「いーだろべっつにー、彼女もいねぇんだしよぉ」
「余計なお世話だこの野郎」
省15
204: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:48 d AAS
 会話すら成り立っておらず、リヴァイはエレンの話に適当に相槌を打つのみ。これで本当に恋人の同棲だと言えるのだろうか。
 学生のエレンには社会人であるリヴァイの大変さはわからない。
 わからないなりにせめて邪魔にならないように恋人として支えようと積極的に家事をこなしてきたつもりだったし、疲れているリヴァイに文句を言うつもりは無かった。
それでも、せめて自分の誕生日くらいは二人で一緒に恋人らしい時間を過ごしたかった。
 正直忘れられていたことは少し悲しかったし、その日の朝はそれで“早く帰ってきてほしい”というエレンの話を聞いていなかったリヴァイに対して突っかかってしまった。
 それでも一緒に居られればそれでいい、と思い直してメールを送ったというのに。
 日付が変わっても帰ってこなかったリヴァイについに堪えられなくなったエレンは部屋を飛び出し二駅ほど離れたジャンのアパートまでやってきた。

「…一緒に暮らしたら、もっと毎日が楽しいんだと思ってた」

 エレンとリヴァイは家が近く、家族ぐるみでの付き合いが昔からあった。
 だからリヴァイが年の離れたエレンの面倒を見るかたちでよく一緒に居たのである。
省12
205: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:49 d AAS
「もう駄目なのかな……」

 漫画を上に乗せて顔を隠す。あの人のことが好きなのに、傍に居たいって思うのに。
 こんな日々がもうずっと続いていて、それがエレンにとっては辛かった。
 ―――結局、リヴァイさんにとって俺はどうでもいい存在だったのかもしれない。
一緒に暮らしているのに、前よりも心が遠く離れているように感じた。
 リヴァイは重い足取りで帰路に着いていた。時刻は夕方、かなり早い時間に業務を終えることができた。
 ついでに明日有給をもぎ取って、あとはエレンに会いに行くだけだと一先ずエレンが帰っているだろう彼の実家に電話をかけた。
 ところがエレンは実家には帰っていないらしい。何かあったのかと聞いてくるエレンの母に対して何でもないと誤魔化して切るとリヴァイは一気に落ち込んだ。
 エレンは今どこに居るのだろうか。場所を知ろうにも未だ着信拒否をされている。
 唯一エレンの友人であるアルミンの連絡先が手掛かりになるかもしれないが、明らかに自分が悪い上にエレンに避けられているとなれば彼にもエレンの居場所を教えてもらえないかもしれない。
省10
206: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:49 d AAS
 エレンの最近の様子が思い出せない。こんな様子ではエレンの欲しいものが浮かぶはずもなかった。
 愛想をつかされても仕方がない。
 レポートで忙しい時期もあっただろうに全部家のことはやってくれていた。
 自分のことばかりでエレンのことを考えてやれていなかった。
 エレンが当たり前にくれる気遣いに、笑顔に、温もりに。
 自分は安心しきっていたのかもしれない。
 夜遅くに帰ることが多くてエレンに先に寝ることを言いつけて、エレンの寝ているベッドに潜り込んで抱きしめればその温もりに安堵する。
 それで日々の忙しさも乗り切れた。繁忙期が終わるまでだから、と自分だけ一方的に甘えて満足していた。
 エレンが物わかりよく何も言ってこないのをいいことに。
 あまつさえ誕生日すら忘れていたのだから救いようがない。
省11
207: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:49 d AAS
 リヴァイは他にも思い当たる様々な場所を探った。
 ごみ袋の置いてあった場所には
『ゴミだしありがとうございます!ご褒美にひざまくら一回!』、掃除機には『自分で掃除するの久しぶりですよね?ご褒美に肩たたき一回!』、洗濯用洗剤の箱の内側に張られた紙には『洗濯機回してくれるんですね!ご褒美に一緒にお風呂一回!』
と。
 ―――俺はどうしようもないクソ野郎だ。
 エレンはこんなにもリヴァイと一緒に暮らすことに努力してくれていた。
 それなのにその甲斐もなく、何もしようとしないリヴァイに対して何を思っていただろう。
 誕生日の朝になっても“おめでとう”の一言すらなく、“うるさい”とまで言ったリヴァイに。
 あんなにいつも慕ってくれていた愛しい恋人に、自分はどこまで酷いことをしていたのだろう。

「……打ちのめされてる場合じゃねぇ」
省18
208: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:49 d AAS
 勝手に借りていたジャンの部屋着を脱いで着替える。身支度を済ませたエレンはさっさとジャンの部屋を出た。

「悪かったな」
「いーからとっとと仲直りしろよ」
「……おぉ」

 エレンが苦笑いで手を振るとジャンは微妙な顔をしつつガチャリとドアを閉めた。
 それを見届けてから、エレンは俯いて歩き出す。これから実家にでも帰ろうか。そう思っていた。
「―――エレン!」
「え?」
 そう思っていた矢先、エレンを呼ぶ声がした。声の方を見ようと顔を上げれば、リヴァイが走って眼前まで迫っていた。
「り」
省21
209: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:49 d AAS
「お前が与えてくれるもの、全てに安心しきって甘えていた……お前にこんなに我慢させて、酷いことをして、出て行かれるのも当たり前だ」
「……」
「お前に愛想を尽かされても仕方がないことをした……だが、それでも俺はお前と別れたくない」

 どんなにみっともなくともリヴァイはもうためらうことは無い。エレンを強く抱きしめた。

「もうスーツは放り出さねぇし、食器も片付ける。洗濯だってするしゴミ出しだて喜んでやる。お前は何もしなくていい……だから、傍に居てくれ…」
「っ」

 エレンはその言葉を聞くと、リヴァイにしがみついて声を震わした。

「お、俺…ずっと苦しかった!」
「……ああ」
「昨日も、ただ一緒に居るだけでよかったのに…リヴァイさん、帰ってこないし」
省17
210: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:49 d AAS
 頭を下げるリヴァイにエレンは笑う。今まで年上で完璧なイメージしかなかったリヴァイだったが、実際は少し違った。
そして、それもいとおしかった。

「……エレン、今更だが、誕生日おめでとう」
「はい」
「明日は有給を取った。埋め合わせ、といったらあれだが、明日は好きなところに連れて行ってやるし、何でも買ってやる」

 リヴァイがそう言うとエレンは首を横に振る。

「そういうのいらないんで、明日は一日中家に居て、ずっと一緒に居たいです」
「〜〜〜お前は!」
「へっ?」 

その言葉にリヴァイはたまらなくなってエレンをソファーに押し倒した。
省11
211: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:50 d AAS
かみやゆすら

「…探している資料があるんだが、調べてもらえるか」
「あ、はい。何の資料ですか?本の名前とか、解りますか」
「本の名前、というか…ウォール時代のことが書いてある文献を探しているんだ」
漠然としたリヴァイの要求をどう受け取ったのか、図書委員は目をぱちりと瞬かせる。そうしてこてんと小首を傾げた。
その動作を困惑と受け取ったリヴァイは、遠慮なしにまた溜息を吐く。やっぱり一年坊主には荷が重たかったか。
「ああ、いい。自分で探すから」
彼に頼るのは諦めて、今の時間内で出来る限り探してみようとリヴァイは踵を返しかけて、くいと袖口を引かれる感覚に足を止める。
振り返れば、遠慮がちに、だがしっかりとリヴァイの制服のジャケットを握り締める手。
潔癖のきらいがあるリヴァイにとっては余り好ましい動作ではなくて、多少の不快感が袖口でざわめいた。
省16
212: (スププ Sdaf-PVnu) 2016/11/28(月)17:50 d AAS
おいおい図書委員としてそれはいいのか、と多少気になったけれど、午後の授業がもうすぐ始まろうという今、図書室にはもう自分達以外いないことを見て取って、リヴァイは肩を竦めるだけでそれを流すことにした。
「せんぱーい、学生証貸してください」
先程より随分気安くなった口調で、図書委員がリヴァイを呼ぶ。制服のポケットから取り出して渡すと、男にしては華奢な指が丁寧にそれを受け取った。
慣れた手つきでカードリーダーに通せば、パソコンの画面にリヴァイの情報がぱっと表示される。
画面をちらり、そうして手元の学生証をちらり、小首をこてんと傾けた図書委員の視線の動きが気になって何となく追いかけていると。
「リヴァイ、せんぱい」
小さな、小さな声で彼に名を呼ばれてはっとする。
彼の視線は既にリヴァイが借りる本に移ってしまっていて、きっと自分の呟きをリヴァイが拾ったことにも気づいていないんだろう。それでも、聞こえてしまったその響きがどうしようもなくくすぐったい。
いよいよ自分の頬の熱さを自覚して、リヴァイは慌てて彼から目を逸らした。
「貸し出し期間は一週間です。忘れずに返してくださいね」
省13
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