幕末剣豪強さ議論と雑談 (722レス)
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(1): 2010/02/13(土)05:14 AAS
>>20
あの道場は化物ぞろいだな

形稽古の威力-寺田五右衛門

 一刀流の中西忠兵衛子正の門下に
寺田五右衛門、白井亨という二人の組み太刀の名人があった。
何れも劣らぬ豪傑で一見識をたてた人々であるから
その門に居ながら師家中西氏の教え方とは違って、
一つ道場に於て寺田派、白井派、中西派と三派に分れ、
もみ合って稽古し、その都度稽古が一致しないで議論が沸騰していたというから面白い。
寺田は轄打の稽古は更にやらない人で組み太刀ばかり稽古をした人である。
省3
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(1): 2010/02/13(土)05:15 AAS
「拙者は何れも御承知の通り仕合は好まない、
然し、強って望みとのことならば是非に及ばず、
拙者は馴れたる素面素籠手で木刀をもってお相手をする、
お手前たちは、面籠手身を堅め、こちらに隙があらば少しも遠慮に及ばぬ故、
頭なり腹なり勝手次第に充分に打ち給え」

と、云い放ったので、何れもその広言を憤り、
寺田に重傷を負わしくれんものと一人手早く道具をつけ輻を打ち振ってたち向う、
寺田は素肌で二尺三寸五分の木太刀を携げしずしずと立ち出でて来た。

スワ、事こそ起りたれと、師の中西氏をはじめ手に汗を握り勝負如何と見詰めているうち相手
は寺田の頭上真二つに打ちおろさんと心中に思う時、寺田が声をかけて、
省2
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(1): 2010/02/13(土)05:16 AAS
そこで相手がまたこんどは寺田氏の小手を打ち折ってやろうと思う途端、寺田は、
「小手へ打って来れば斬り落して突くぞ」
と、悉く相手の思うところ、為そうとするところを察して、
そのことを一々機先を制して云い当ててしまうにより、
相手はなかなか恐しくなり、手も足も出しようがなくなり、
すごすごその場を引き退いて感服するより外はない、
その後へ二人三人入り代り、吾れこそ寺田を打ち据え呉れんと、
代る代る立合ったけれども何れも同様で
寺田に一度も打ち出すことが出来なかったということである。
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