[過去ﾛｸﾞ] FEZ】ファンタジーアースゼロ L鯖ｴﾙ・ﾈﾂ・ｶｾ・ゲブ晒しｽﾚ 04 (1002ﾚｽ)
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109(3): なろう投稿練習(2/2) (ｽｯﾌﾟ Sdff-YqhF) 2020/12/15(火)20:19 ID:oEwH+xUtd(2/2) AAS
「くそっ、なんで、こんな」
せめて、刺突剣があれば、
敵のリザードンが常に俺を睨み付けてて怖い、
トレーナーは俺を殺そうとしてる、箸しか武器がない、働きたくね〜、
さまざまな思いが交錯する。
飛んできた爆炎が目の前で弾けて、チヒロは降参を叫んだ。
ヤジがさらに大きくなる、戦闘実況はまだ続いている。
チヒロの降参絶叫は、この場では鳴き声や咆哮の類いとしか認識されないのだ。
チヒロの視界が、涙でぼやけ始める。死ぬしかないのか俺。目の前が真っ暗になりかけたその時だった。
「チヒロ！！うたうだ！！」
背後から偉そうな指示が聞こえた。
俺のヘボトレーナー、この後に及んでうたうだ？
腹がたった。ぶん殴ってやろうとして、振り返る。
トレーナーの少女の目。涙で真っ赤に腫れていた。
自慢のポケモンであるチヒロに対する、心ないヤジや己の未熟さが悔しかったのだろう。
それでも己の責務を全うしようと声を振り絞り、チヒロを信じて歌えと叫んだのだ。
チヒロは、箸をマイクに見立てて握り直した。
少女の想いに答えたい、ポケモンとしての性なのか、不思議と力が沸き上がってきた。リザードンに向き合う。
チヒロは息を吸った。リザードンも息を吸う。
灼熱か、歌か、ここからが本当の勝負なのだと、チヒロは確信した。
続く
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