竹村延和とチャイルディスク Part2 (861レス)
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338: 2012/09/05(水)10:36 ID:XUxbDGg7(1) AAS
乙!こんなに長いとは…しかもまだまだ続きそうだな。
竹村自身語っているけれど、この人の魅力は自身に正直なところだよね
新しい音が聴きたいな
339: 17 2012/09/05(水)13:54 ID:8wAL1m3O(1/7) AAS
3.どこかで、あなたがコンピューターで制作しているのは、ターンテーブルや
MIDIで制作していた時期の延長線上にあり、単に制作のスピードが速くなったと読
みました。コンピューター・プログラミングとトラック作りは、時には非常に複雑
になることがあるので、テクニックに自分が埋もれてしまう感覚を覚えることはな
いでしょうか?
音楽制作における、あなたの「学習」のプロセスと、「全てをコントロールするプ
ロセス」はどのような状況になっているのでしょうか?
もっと分かりやすく言えば、あなたは想像した通りの音をコンピューターで作るこ
とができるのでしょうか?もしくは、機材で実験していく上で、出てきた音をかき
集めているのでしょうか?
340: 18 2012/09/05(水)13:58 ID:8wAL1m3O(2/7) AAS
まず現場ではそういうことを考えている時間があれば僕は、数曲仕上げることでしょう。
そう単純に区別できませんし、作ってる最中は言葉の枠内で
思考できません。どこからどこまで制御してどこまで不確定か、
最近は道具が発達して、モノを作る意味がわかり難くなっています。
誰でもそれ風の音が仕上がるという、インスタントコーヒーや
レトルト食品のように、お湯を注いだり、電子レンジのスイッチを押すだけで、
音楽ができる時代に実際なっています。でもそれを料理するとか、
コックの仕事と誰も呼ばないように、自動アレンジ機能やプリセット・アルゴリズム、DSPプラグイン満載の
作曲ソフトウェアに作ってもらってるような工程を作曲すると呼ぶ人はいないでしょう。
341: 19 2012/09/05(水)15:03 ID:8wAL1m3O(3/7) AAS
世の中はこのように極端に便利になりすぎていて、
おせっかいなサービスが溢れています。混同されがちな事柄に
「作ること」と「感じる」があります。それらは似ているようで正反対なモノを指します。
形を作ることは道具の過剰な進化で、
誰でも扱えるようになりますし、膨大な時間を必要とした
演奏技術の習得などは意味を失いつつあります。
342: 20 2012/09/05(水)15:15 ID:8wAL1m3O(4/7) AAS
でも「感じる」部分を補ってくれる道具は何処にも何もありません。
それはその人の存在そのものとでもいうべき、尊い個性の領域なのです。
創作過程で判断を下す時、音色を決める時、メロディが出てきた瞬間、
問われるのは 作れるという技術でなく、どう感じているか?
あなたの中の「美」とは何か?ということです。そして
自分で作曲法をみつけること、つまりプロセスこそが大事なんです。
343: 21 2012/09/05(水)17:20 ID:8wAL1m3O(5/7) AAS
即興をする理由は自分が、理論から逃れようとして音の現前に居るという
ことを再確認し、そして身体性を音に刻むためです。
そして何より全て楽しんでやるということ、準備しない、
予期不能の状態に自分を置くことで、多くの発見があります。
344: 22 2012/09/05(水)17:28 ID:8wAL1m3O(6/7) AAS
僕は散歩が大好きで、外国の知らない町に行くと、
地図を持たずにわざと知らない方向に歩き出し、自ら進んで迷子になります。
イタリアで10時間くらい自分が今何処に居るかわからず、歩き続けたこともあります。
そういう時の自分は即興している時の自分と同じ精神状態で、目に入ってくる風景や
音全て新鮮で、スリリングでとても楽しく、動物のカンのようなものをフルに使って行動します。
345: 23 2012/09/05(水)17:43 ID:8wAL1m3O(7/7) AAS
全て計算の上だと気持ちの部分で姑息になり、モノ作りしても楽しめないんです。
機材の発達、作曲法の探求など
全てをコントロールするということの影には些細な規模であっても根底には
管理しようという支配欲が明らかに存在しています。
それで押し通して良いものが生まれるとは思えません。整然と
綺麗に構築されたモノは作りやすいでしょう、ただそれは
ファシズムの国の気味の悪いほど管理され尽くした社会と同じで、
外見は綺麗ですが、何処か不気味で、不健康、不自然なエゴの匂いを放つでしょう。
解体や再構築など新しい手法と錯覚しがちな作業でも根底は同じです。
そこに人間の気配が明らかに存在しますし、
省2
346: 24 2012/09/06(木)15:29 ID:Nk7yesZ0(1/8) AAS
東洋の宗教的な考え方に「他力」というものがあります。それは神の力のようなもので、
色んな姿に形を変えて人間に降りてきます。
どんなに研究、訓練を日々積み重ねても、自分の思考に、自分が驚くなんてありえません。
しかし夢中になっている時、つまり「我」を忘れた瞬間の無防備な状態、そういう時に降ってきます。
モノを作ってる人は皆多かれ少なかれ、そういう一瞬を知っていると思います。
347: 25 2012/09/06(木)15:34 ID:Nk7yesZ0(2/8) AAS
言葉にすると大げさですが、そういう神が微笑んでくれるような瞬間をずっと待ってるわけです。
それはシンセや機材が壊れるトラブルかもしれないし、複数のミュージシャンでセッション中に
ミスして出てしまったノイズ音や、切れてしまったギターの弦が、思わぬサウンドを導いてくれ、
きっかけの役目をおうかもしれないのです。
ですが、目的、欲求に最短のプロセスでモノ作りをしていると、それらは好ましくないトラブルでしかなく
次の瞬間、数秒後もう忘れ去られ、やるべき締め切りにおわれる羽目になることでしょう。
348: 26 2012/09/06(木)15:38 ID:Nk7yesZ0(3/8) AAS
管理、支配するということを忘れることが、「他力」つまりインスピレーションを招き、呼び覚ましてくれます。
目的に最短な方法ばかりでなく、常に何からでも学ぶ気持ちと余裕をもっていると、
どんな障害や好ましくないアクシデントでも、「気」の持ちようで良いアイデアに変えることができます。
349: 27 2012/09/06(木)15:42 ID:Nk7yesZ0(4/8) AAS
欲求を満たすための道具の発達は、本来スピード効率をあげる名目で
開発され、歓迎されているように見えますが、紙の楽譜やテープの時代からコンピュータ時代になって
何百倍もトリッキーで凝ったことが可能でかつ、数百倍のスピードで作れるにも関わらず
実際生み出される音自体はビートルズの時代からさして進歩しておらず、
便利になって時間に余裕ができるはずが、得られた時間でまた新たな欲が生まれ
欲望の無限ループに落ちいっていて誰もそれに気付かず、そこから逃れようとまた
新たな便利道具を欲し、適用するという...馬鹿げた繰り返しです。
350: 28 2012/09/06(木)15:47 ID:Nk7yesZ0(5/8) AAS
何ら精神的余裕を確保することにはつながっていないことに誰も気付こうとしません。
タルヴェーラ監督の「ヴェルクマイスターハーモニー」という映画にあるように、
西洋の音楽が過剰に発達した影にはいつも所有しようという欲望があったのです。
それは理論に留まらず、機材の発達という形で、現在もなお続いています。
351: 29 2012/09/06(木)15:49 ID:Nk7yesZ0(6/8) AAS
一方、アジアやアフリカ、アラブには未だ太古の響きが残っています、
がそれらすら、ブルジョワなコンテンポラリー作曲家の獲物と化していて、
第三世界をヒントにしたなどと素材として利用されていますし、
サンプリングに観念的で、難解な意味性を持ち込む
ノイズミュージシャンもいますが、言葉と音自体との距離は広がる一方で、
まるで言い訳の様に聞こえてしまいます。
352: 30 2012/09/06(木)15:50 ID:Nk7yesZ0(7/8) AAS
ですが、同じ引用する行為でも、80年代のHIPHOPは大量の他人のサンプリングを
そのまま使用しているにも関わらず、
姑息な匂いや罪悪感など微塵もなく、衝動的で、無邪気かつ軽ろやかで痛快です。
なぜでしょう?姑息な人間的思考をせず、子供がそうであるように
もっと原初的な動物のカンを存分に働かせて作られているからだと僕は信じています。
これはもっともっと注目されるべきことだと思います。
353: 31 2012/09/06(木)16:55 ID:Nk7yesZ0(8/8) AAS
サンプリングという手法だけの議論では、これらを生むに至ったプロセスや心理状態の大きな違いが、
見事に抜け落ちてしまいます。
もちろん90年代以降のHIPHOPは商業的に巨大化し、そうではなくなっていったでしょう。
現在のHIPHOPと80年代のそれは同じ言葉で語られますが、根本的に違います。
ジャズもロックも誕生した瞬間はスリリングだったろうと予想できます。
354: 32 2012/09/06(木)23:34 ID:ygClvAjT(1/3) AAS
つまりどんな音楽ジャンル、どの分野のアートも新しいものが誕生する瞬間は、
意図などない、子供が夢中で粘土細工をこねまわしている最中のように、どこで
止めてもある興味深い形を残すと信じています。
それは無心で、無防備で遊んでいるような状態です。
結果できた作品は時間が経っても決して古くなりません。
355: 33 2012/09/06(木)23:34 ID:ygClvAjT(2/3) AAS
多くのプロミュージシャンは初期作品は素晴らしいのに、やがて
売れることと反比例して駄目になっていきます。
そこに音楽を作る責任を嫁せられ、経済的豊かさや名声と引き換えに
「喜び」を失ってしまうでしょう。
そして偉大なミュージシャンの地位についてしまったがために
学ぶという謙虚さ、と引き換えに強奪し所有するという欲望
のもと、同じことを繰り返します。
356: 34 2012/09/06(木)23:37 ID:ygClvAjT(3/3) AAS
4.「Assembler」と「10th」はかなり違うサウンドに仕上がってますよね。「10th」
はスピーチ・シンセシスとサンプルをフィーチャーしたポップ・ミュージックで、
どこかシュールなものを感じます。アセンブラー名義は非常に実験的です(Scopeな
どと似た方向性ですよね)。この二つの作品はなぜここまで違うのでしょうか?ア
センブラーのために実験的なトラックを作っておいて、意図的に「10th」ではポッ
プな作品に仕上げようとしたのでしょうか?
357: 35 2012/09/07(金)21:07 ID:l79M7lAK(1/4) AAS
それぞれの曲を作ってる時はどういうアルバムにしようなんて
考えていませんし、音作りしている最中は夢中で、考える余裕などありません。
仕上がった後、どういう選曲にするか、せいぜい尺の編集、曲名、アルバムタイトル、
ジャケットのアートワークを考える作業が僕にとってのアルバム制作で、
作曲そのものは日記のように日常貯めていたものばかりです。
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