動物訴訟 [無断転載禁止]©2ch.net (921レス)
上下前次1-新
591: 2016/12/22(木)23:17 AAS
善管注意義務違反の行為と因果関係
獣医師に善管注意義務違反があるかについては、平均的な獣医師であればするであろう検査等
をしたか、処置は適切であったか、薬の処方は適切であったかなどが問題になります。
さらに、損害賠償請求をするには、獣医師の善管注意義務違反の行為とペットの死亡等の損害と
の間に因果関係があることが必要になります。因果関係とは、獣医師のミスがなければペット
の死亡等の結果がなかったであろうという原因・結果の関係をいいます。
獣医師のミス、たとえば獣医師がペットのガンを見落としたとしても、ペットのガンが末期で
救済できない時点での診療であった場合には、獣医師のミスの有無にかかわらず死という結果
は避けられないので、獣医師のミスとペットの死亡に因果関係はないことになります。
善管注意義務違反があっても、因果関係がなければ損害賠償請求はできません。
不法行為による損害賠償請求
契約上の責任がなくても、故意または過失による違法行為により他人に損害を与えた場合、
民法上の不法行為 (民法709条) に当たり、損害賠償請求をすることができます。
この場合は故意または過失があったかが重要な争点になりますが、不法行為責任を問う場合の
故意または過失の立証と、前述した債務不履行責任の場合の善管注意義務違反の立証とはほ
ぼ重なるので、どちらの責任に基づく追及のほうがよいということは必ずしもありません。
時効の問題
責任追及できる時効時間については、債務不履行責任は債務の履行期から10年(民法167条1項)、
不法行為責任は被害者等が損害および加葺を知った時点から3年、行為の時点から20年(同法724条)
となっており、異なることに注意が必要です。
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