[過去ログ] ◇ 心霊ちょっといい話 ver.15 ◇ (1001レス)
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(2): 2009/11/22(日)09:52 ID:brOtIIkR0(1/3) AAS
父と妹の話。

 4年ほど前、父が肺がんで亡くなりました。
過労やストレスなどもあり、余命半年の所、2か月で。

 父は大変子煩悩で、遅くできた末妹を、とても可愛がっていましたし、
また、末妹も極度のファザコンと言えるぐらいに、父とはべったりでした。
「いつも笑い顔でいろ」と言う父の言葉を体現するかのように、妹は太陽のように明るい笑顔。
生まれた時から、妹は内臓に疾患があって病弱だったけど、父はそれでも大変可愛がってました。
父が倒れてから、妹は東京での仕事を辞めて帰郷し、付きっ切りで看病しました。

 変わり果てた父の傍で、妹はいつも、手を握って話しかけて居ました。
「父ちゃん、あれ(テレビに映ってる食べ物)美味しそうだね、父ちゃん早く治ってよ。兄ちゃんに連れてってもらおう」
省14
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(1): 2009/11/22(日)09:54 ID:brOtIIkR0(2/3) AAS
 葬儀の最中、悲しみに暮れる家族をしり目に、妹はいつもの笑顔でした。
母親が「父さんが死んだのが悲しくないのか?!」と常時詰っていましたが、妹は笑っていました。
「やっぱり頭が春なのよ…」と、噂する親戚や近所の人も居ました。妹は小さいころから少し特殊なところがありましたので。
でも、妹は気にせず笑顔のままでした。

 火葬も終わり、父の遺骨が家に帰ってきた日、夕飯を食べ終わって、妹と伯父(父の兄)がたばこを外で吸っている時の会話が、
何気なくすぐそばの俺の部屋に聞こえてきました。

「おじちゃん、あのね。私、父ちゃん死んで嬉しいわけじゃないよ」
「解ってる。お前が一番悲しいの、おじちゃん解ってる」
「一番悲しいのは、母ちゃんだよ。兄ちゃん達も姉ちゃんも、みんな泣いてるのに、私涙でないの」
妹の優しさに、涙が出ました。そして、妹につらく当りつづける母に辟易したりもしました。
省14
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(2): 2009/11/22(日)09:55 ID:brOtIIkR0(3/3) AAS
「おばあちゃんの隣にはね、父ちゃんがメガネかけたような人がいたの」
「それ、お前たちのじいちゃんだよ。そうか、そうか…迎えに来たのか」と伯父が言って泣きました。
父方の祖父は、父が若いころに他界しています。

 きっと、妹を可愛がっていた父が、少しでも悲しみを和らげて上げようと見せた姿なのかもしれません。

 それから程なくして、妹は再び上京し、仕事を始めました。
大晦日も働くぐらい、忙しい職場。
でも、元旦の朝には、会社がお雑煮や餅を振舞ってくれた。
寒空の下で、それを仲間達と頬張りながら談笑し、少し視線を移すと、父がにっこり笑って頷いていたそうです。
父は、妹の所にちょくちょく現れるようで、なんだか「本当に死んだのか、親父」と思ったりもします。
俺や別の兄弟の所にも現れ事は2回ぐらいなのに、やっぱり父は妹がとても心配なんだろうな。
省4
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