[過去ログ] ◇ 心霊ちょっといい話 ver.15 ◇ (1001レス)
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624: 2010/02/21(日)17:30 ID:RU0CDWoM0(3/3) AAS
377 本当にあった怖い名無し sage 2006/09/23(土) 21:17:40 ID:1imsm4Hr0
突然俺は猛烈に眠くなってきて、もう目を開けているのも苦痛なくらいになった。
「お疲れのようですね。どうぞ横におなり下さいませ」
巫女さんはふらつく俺の頭を両手でそっと抱え、彼女の膝の上に乗せてくれた。
彼女の長い黒髪が俺の顔にさらっと掛かる。彼女の黒髪に似合う髪飾りってどんなのだろう、
と柄でもない事を考え、暖かく柔らかな感触を頭に感じつつ俺は深い眠りに落ちていった。

「おい、○○。起きろや」
親方の声で目を覚ました俺はバッと飛び起き時計を見る。
朝の7時。目の前にはニコニコした親方と神主さんが居る。
「あ、すみません親方。昨夜遅くなったんで泊まっちまいました」
俺は親方にどやしつけられるかとビクビクしながら謝った。
「ふ。お堂の中で一晩過ごすなんざ、おめぇもそろそろ一人前かぁ?」
なぜか嬉しそうな親方。なんとか怒られずに済んだようだ。

「あ、神主さん、昨夜はありがとうございました。食事届けていただいて。」
「はぁ?なんですかそれは?私は存じませんが?」
「え?だって神主さんのお身内だっていう巫女さんが酒と食事を持ってきてくれて...」
「いやあ、あなたがお堂に泊まってるのに気付いたのは今朝ですよ。
朝、様子を見に来たらあなたの軽トラが階段の下に止まっていたので
何か有ったのかと思って親方に連絡して、一緒にお堂に来たのですが...」
「え?そんなはずは...?」戸惑う俺を見て、親方が大笑いしながら言った。
「大方、腹減らしながら寝ちまったからそんな夢を見たんだろうよ。
それか、オオカミ様がおめぇの働き振りを気に入ってご馳走してくださったかだ。
まあ後でお礼の酒でも納めれば良いんじゃねえか。」

一週間後、無事に竣工した神社を奉納する儀式も終わった。
俺は休日に一人で神社に行き、酒と銀細工の髪飾りを納めた。
帰りに鳥居を潜ろうとしたとき、お堂の前に間違いなく誰かが居る様な
濃厚な気配を感じて振り向きそうになったが、そのまま一礼して階段を降り始めた。
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