【短文】ここだけネポック魔法学校・二十三限目【推奨】 (713レス)
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635(1): シャディ◆L1x45m6BVM 20/04/13(月)00:25 ID:T0e(1/4) AAS
>>634
「いやそれはアーサーくん怒るんじゃないかな?」
「僕はまあ大丈夫だけどさー」
手料理を求めてのこの有り様ではアーサーもちょっとは怒ってもいいと思うシャディであった。
とはいえ謝ってる様子を見るとシャディの方はすぐに気にしなくなる。酒を飲んだ上での発言には嘘が少ないものであるから。
「ラ!? …………どうだろ、まだわかんないや」
好きの違いがイマイチ掴めていないシャディは驚いてこそいたが、すぐにそんなことを言って――。
「全然違う道みたいだけど!?」
省3
636(1): リィン&アーサー◆4TvnQMjQHE 20/04/13(月)00:53 ID:dJB(2/5) AAS
>>635
『だよね………だよねええええぇぇぇ…………
うう………きらわれたらどーしよ…………はあ………』
どう言い繕っても変えられない事実、凡そ善良とは言い難い行いに強く反省したリィン。深いため息を溢し、物憂げな表情を浮かべたリィンの目には涙が浮かんでいる。
笑ったと思えは泣いたりネガティブになったり感情の起伏が激しかったり、の割にはすぐ立ち直ったり全く持って酔っ払いとは本当に面倒くさい。
『んー?べつにだいじょーぶでしょー。ワタシのせいでここまでつれてきちゃったんだもん、わるいよぅ』
背を向けたシャディの肩に添えられた大きな手、申し訳ないと言う気持ちもあるのだろう、どうあってもこのまま返したくはないらしい。
『それともワタシといっしょじゃ………イヤ?』
省1
637(1): シャディ◆L1x45m6BVM 20/04/13(月)01:04 ID:T0e(2/4) AAS
>>636
「いやまあ……嫌われはしないと思うけど……」
アーサーは優しい少年だ、彼が人を嫌うというのは余程のことをしでかした時くらいだろうと思ってる。
謝ることができるなら仲直りもできるだろうと慰める。酔っ払いとはいえ同じ生徒。
後ろで悲しそうにされるとほっとけないのである。
「いやいやその気持ちはありがたいんだけど……ね…………」
添えられた手に手を乗っけて、反射的に振り返ってみるのだが。
振り返らねば良かったと思わないことはないのだろう。別の意味で。
「うぐ、い、嫌って訳じゃないけど、ほら一応僕男子だしね?」
省2
638(1): リィン&アーサー◆4TvnQMjQHE 20/04/13(月)01:39 ID:dJB(3/5) AAS
>>637
『………………』
許してくれるかどうか、アーサーの心の内は結局の所本人にしか分からない。口を噤んで押し黙るリィン、しかしシャディの言葉は揺らいだ彼女の心の慰めとなるには充分だったのだろう、その顔は落ち着きを取り戻し始めていた。
『イヤじゃないならいーじゃん!おいでよ。それにもうこんな時間だしさぁ、ひとりぼっちでねるのさみしいなぁ?』
男子だから一体何だと言うのか?夜遅くに後輩を寮に保護する事のどこが問題だというのか?そんな屁理屈を盾に食い下がるシャディの身体を少しずつずーりずーり。悲しいかな男女の性差を軽く吹き飛ばす体格差。
元々スキンシップが多く面倒見が良い性格が、お酒によって変な方向に行き過ぎた結果である。
言語学者を志す彼女、その扉を開ければその先は様々な国の言語が入り交じる本で埋め尽くされた空間だった、何とも女性らしくない部屋である。
省2
639(1): シャディ◆L1x45m6BVM 20/04/13(月)01:51 ID:T0e(3/4) AAS
>>638
そんなちょっといい話も今の状況では中々どうして笑い話。慰めをかけることができたシャディがただいまみょうちきりんな状況だ。
「いやいやいや!? こんな時間まで飲んで――ハッ!」
シャディが部屋に入ることになった決定打は騒ぎに目を覚ましかけた寮の女子が扉を開けようとしたことである。
見つかると色々不味い、とのことで影魔法すら忘れて、そして力が抜けたタイミングで転がり込むことになった。
さてまあ部屋に入れば、その内装を見てちょっと意外そうに惚けてる。
省5
640(1): リィン&アーサー◆4TvnQMjQHE 20/04/13(月)02:48 ID:dJB(4/5) AAS
>>639
『???なんでだいじょうぶじゃないのー?』
ここで心底不思議そうな顔をしている時点でもう正常な思考判断を期待するだけ無駄である。
後退るシャディとそれを追うリィン、背にしたベッドに触れ自らの間違いに気付いたであろうタイミングでそれは唐突に起こった。
『じゃ、ねよっか。本とか蹴らないように気を付けt……わぁっ!』
なんと言ったそばから自分で積み重ねられた本を蹴り飛ばし、バランスを崩したのである。
シラフであれば傾いた身体を踏み留まらせる事が出来たがしかし、まっすぐ立って重心を維持する事すら難しい今の彼女にそれを実行出来るだけの気力は残っていなかった。
省9
641: リィン&アーサー◆4TvnQMjQHE 20/04/13(月)02:49 ID:dJB(5/5) AAS
//すみません、最後の行は
それは、貴方と月のみぞ知る
に変更で………
642: シャディ◆L1x45m6BVM 20/04/13(月)03:01 ID:T0e(4/4) AAS
>>640
「いや君が蹴るの!?」
思わず突っ込む方に向かった。バランス崩す相手を咄嗟に止めることは、動揺もあって失敗。
しかし、寸でのところで接触箇所を減らせたのは影魔法のおかげだろう。
「い、いや別にいいから……ぁぅ」
酒の力、というにはあまりにも状況が状況。
自分から近付くならともかく、相手から来られるとシャディも動揺が大きくなり、近付いてくると流石に回避しようとした直後。
ぐぇ、とちょっと呻いた。
省7
643(1): シャディ◆L1x45m6BVM 20/04/16(木)22:34 ID:4gJ(1/3) AAS
さてさて本日のネポック魔法学校は陽気に包まれていい日和。
中庭のベンチも実に心地よく、暑さに弱いシャディも今ばかりは日光の元でおやすみ中である。
「……くぁ」
そのためちょっとあくびもして。このままだとそのまま眠っていきそうな雰囲気。
通りがかったりしたのであれば、眠らぬように起こしてやったり、その様子を見守るのもありかもしれない。
644(1): リィン◆4TvnQMjQHE 20/04/16(木)22:57 ID:Mql(1/2) AAS
>>643
春の訪れを感じさせる暖かな昼下がり、勉学に励むのも良いけれど、こうも天気が良いと出歩きたくなると言うものだ。
特に目的もなく中庭を漫ろ歩き、空を見上げて明るい陽光に目を細める。上手く言語化するのは難しいが、なんかこう、幸せだなぁと思ってみたり。
「お、面白い物はっけーん」
そんな事を考えていたリィンは、たまたま視線を落とした先で見知った人物がベンチで微睡む姿を発見する。
僅かに釣り上がる口角、好奇心が服を着て歩いているような彼女がそれを見逃すはずも無かった。
抜き足差し足起こさぬように、気付かれることなく近付く事に成功すればやがて静かに彼の隣に深く腰を沈めることになるだろうか。
自然に起きたにせよしびれを切らしたリィンに横腹をつつかれたにせよ、目を醒ましたシャディが一番最初に目にするのは、覗き込むように寄せられたリィンの顔に違いない。
645(1): シャディ◆L1x45m6BVM 20/04/16(木)23:08 ID:4gJ(2/3) AAS
>>644
さて陽気に当てられてバッチリ睡眠に入ったシャディ。
起こされぬようにされれば、平和な頃の彼が気付けるはずもなく。
そして横腹をつつかれればさしものシャディもビクビク震えるわけである。
それを少し繰り返せば、なんだか面倒臭そうに起きて。
「…………おはよ……?」
まだ寝惚けているのか、リアクションはまだ薄めだ。
欠伸をして目を凝らしている彼をからかうのは案外容易なことかもしれない。
「……誰ー?」
確定、寝ぼけています。
646(1): リィン◆4TvnQMjQHE 20/04/16(木)23:36 ID:Mql(2/2) AAS
>>645
「やあやあおはようチビッコクン、良い夢見れた?」
相も変わらずのチビッコ呼ばわりのリィン、薄く開けられたシャディの瞳をじいっと見つめて数瞬、しかし夢と覚醒の狭間で揺蕩う彼の意識を見抜いた彼女は小さく笑って肩をすくめる。
さて、目の前の自分を誰とも分かっていないこの寝坊助さん。普通に揺り起こせば良いのだろうがしかし、イタズラ好きな彼女にとって普通というのは何よりもつまらないものであった。
眠い目を擦るシャディを見つめる彼女の顔は、間違いなく悪い事を考えている時のそれ。
「(隙ありってね)」
省1
647(1): シャディ◆L1x45m6BVM 20/04/16(木)23:47 ID:4gJ(3/3) AAS
>>646
「……ちびっこじゃなーい……」
のんびり欠伸混じりの抗議はだらしなく。
起こすには色々と手もあっただろうに、それを選ぶとはリィンはシャディに負けず劣らずの悪戯好きか。
まず身を寄せられたことには寝惚けもあってリアクションが薄かったが。
鼻をむずむずさせてから、吐息によって耳が擽られると目を見開き。
「んひゃぁああぅっ!!?」
ベンチから転がり落ちる勢いで飛び退いた。
捕まえてなければそのまま地面で二回くらいバウンドして耳を抑えて蹲っていることでしょう。
648(1): リィン◆4TvnQMjQHE 20/04/17(金)00:05 ID:mhE(1/8) AAS
>>647
「ちょっと驚きすぎだって………!」
脱兎の如く飛び跳ねて吹っ飛んでいった一連の流れにリィンは思わず笑みを呈する。手を口元にあてがって堪えてはいるものの、余程それが愉快であったに違いない、喉をくつくつと鳴らして。
「ふふっ………!お目覚め?くふふ………っ!」
心地よい陽射しにあてられて気分良くうたた寝ていた所にこれである、この仕打ちに不平も溢しても誰も文句は言うまい。
期待を裏切らない反応にひとしきり笑った後に、満足したリィンは未だ地面に転がっているシャディを助け起こそうと手を差し伸べるだろう。
649(1): シャディ◆L1x45m6BVM 20/04/17(金)00:17 ID:UYa(1/8) AAS
>>648
「いだだだ…………め、目は覚めたよ……!」
かなり強めに地面に身体を打ち付けたらしく、踞りながら恨み節を。
尻尾がぶんぶんと振られているが、これは触ろうとしても避けられるだろう。
さて不満こそ言わないが、助け起こされるために手を取ったタイミング。
彼が起き上がった直後、リィンは違和感を覚えるかもしれない。
――影の手が複数、リィンの周囲を囲っているのである。シャディの足元から。
650(1): リィン◆4TvnQMjQHE 20/04/17(金)00:39 ID:mhE(2/8) AAS
>>649
「すっごい飛んでったけど大丈夫?いったそー………」
身体を気遣いつつ手を伸ばしているがしかし未だに彼女の顔は微笑を呈している、余程ツボに入ったのだろう。やってる事は悪質極まりないのだが悪意も何も無いのが厄介である。
「え?なになに、もしかして怒ってる?
ごめんごめん、ちょっといたずらしようとしただけなんだよー」
小さなシャディの手を取って、引っ張り上げようと力を込めた所でふと感じた背筋をなぞる冷たい予感。陽光降り注ぐ日中には不釣り合いな漆黒、それが我が身を取り囲んでいるとなればそれは尚更に膨らんでいく言うもの。
冗談を笑い飛ばすような語調で語っているがしかしそんなリィンの瞳に宿っていたのは一抹の不安。
651(1): シャディ◆L1x45m6BVM 20/04/17(金)00:56 ID:UYa(2/8) AAS
>>650
「大丈夫に見えるかな……!」
やっぱり聞こえる恨み節。とっても弱々しいし幼いけれど。
相手に悪意がないと知っていても、それでも思うところはあるというのが本音である。
怒ってるかと言われたら怒っているのだ。なんせ体全体が痛い痛い。実は起きてる間にプルプルしている。
「…………いたずらだから、だいじょーぶ」
がっしと握った手。逃がす気はないとばかりに掴まれて。
――払い除けるのが遅れれば、その手は一斉に群がり。
省1
652(1): リィン◆4TvnQMjQHE 20/04/17(金)01:16 ID:mhE(3/8) AAS
>>651
「ですよねー………」
ああ物凄く痛かったんだろうなと言うのは低く響くような怨嗟の声で否が応でも計り知れた、痛みと怒りに震える眼下のシャディを見てようやく少し反省したリィンであった。
「ちょ……そんな怖い顔しないでよチビッコクン、一応悪いと思ってるしさ………
だからそれ、引っ込めてくれると嬉しいなって思ったりして………」
けれども濃く暗い闇の手はゆっくりと、しかし確実に迫ってきていた。引き攣るような笑みを浮かべて、何とか見逃してはくれまいかと彼の良心に委ねようとしたが、離すまいと強く握られた己の手を見てそれは無駄であったと知る。
「ま、まっtあははははは!!ストップストップ!それは反則だからっっっははははははは!」
653(1): シャディ◆L1x45m6BVM 20/04/17(金)01:36 ID:UYa(3/8) AAS
>>652
「――やーだ♪」
悪魔、というよりは小悪魔。
そんな表現が似合いそうな表情と声で、影の手を仕向ける。
そして擽りが開始されてもその手を離す気配はない。逃がす気が更々ない。
「あはははは! もっとやれやれー! まあやってるの僕だけど!」
その擽りは暫く続く。時間にして約三分。短いようで擽りを受け続けるには非常に長い。
それが終われば、シャディは満足げに笑いながら目の前で仁王立ちしていることでしょう。
どうだ! とばかりに。
654(1): リィン◆4TvnQMjQHE 20/04/17(金)02:10 ID:mhE(4/8) AAS
>>653
笑うと言うのは意外にも体力を消耗する行為である、それを三分間、なおかつ擽られ無理やりともなれば先程とはその疲労は非常に大きなものとなる。
お気に入りのブレザーとスカートが塵埃に塗れるのも厭わずに地に伏して、先程とは打って変わってこちらが見上げる構図。
「はぁ……はぁ……もうむり、死んじゃう………」
息も絶え絶えに大の字になって青空を仰ぐ、投げ出した手と足にじんわりと浮かんだ汗が陽射しを受けて輝いて。
「もー負けた負けた………はぁ、疲れたからちょっと手貸して」
素直に負けを認めたリィンは力無く笑えば上体を起こしてそれはそれは楽しそうにしているシャディへと手を伸ばして助けを求めた。
省3
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