【短文】ここだけネポック魔法学校・二十三限目【推奨】 (713レス)
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(1): アーサー(1号)◆4TvnQMjQHE 20/02/13(木)22:22 ID:U5L(1/4) AAS
日も暮れて、夜空にお月さまが浮かんだ寒い寒い冬の夜。
若き学徒達が疎らに散って、深閑の廊下をぽっと照らした明るい光。

「うーん………これでいいかな………」

ふわりと漂う芳しい香り、ランタンが明るく照らす調理室の一角で静かに唸ったのは少女と見紛う程の眉目秀麗な金髪の少年。

ハートの型に流し込まれたチョコレート、後は熱く滾った檜皮色が冷めるのを待つだけだ。

僅かに開いたドアから漏れ出すあま〜いあまい初恋の香り、目的を同じくした者、またはそれに釣られた者が居ても可笑しくはないだろう。
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(1): アーサー(1号)◆4TvnQMjQHE 20/02/13(木)22:44 ID:U5L(2/4) AAS
>>473
自慢ではないがこれでもお菓子作りは得意なつもり、両手を腰に当ててふんすと得意気。身体の大きな先輩を連れて来なくて良かったと一安心、味見と称して明日の分のチョコに手を付けられていたに違いない。

「あ………こんばんは、レイブン様。
ええ、どうぞ」

軋んだドアに耳を傾け、ふと送った視線の先には見知った顔で。
頬を緩めた小さな微笑を携えて、小さな乙女を迎え入れるだろう。

「プレゼントですか?僕は今1つ完成させた所なんです」

目線を戻して手元のチョコを一瞥すれば、もう一度貴女に目を向けたアーサーは心地のいいソプラノの音色で問い掛ける。義理チョコか、はたまたそれは本命か、可愛らしいハートのチョコを箱に入れ手際よくこれまた乙女チックな包装紙で包み始める。
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(1): アーサー(1号)◆4TvnQMjQHE 20/02/13(木)23:16 ID:U5L(3/4) AAS
>>475
「アーサー、そう呼んで頂けると嬉しいです」

名も無きあの時、彼女に貰った渾名を訂正するのは忍びないが、今の自分にはアーサーという立派な名前があるが故、すがらに手を動かしつつ静かにそう言って。

「僕も沢山………ですね。お世話になっている先生とか、先輩とか………
それと大切な人…………って言えばいいんでしょうか、そんな人にです」

ランタンの淡く柔らかい暖色の光が照らしたシルクで編んだ様な乳白色の肌にほんのり朱が差したアーサーは何処か気恥ずかしそうに問に答える。
大人しめなレイヴンに更に輪をかけて静かなアーサー、在りし時に比べれば一応これでも感情表現ははっきりとするようになった方である。恋多き乙女よりも乙女チックな彼が言葉の最後に孕んだ音色の何と甘酸っぱい事か。

「レイヴン様もお料理はお得意なんですか?………いえ、とても慣れていらっしゃる様にお見受けしまして」
478
(1): アーサー(1号)◆4TvnQMjQHE 20/02/13(木)23:56 ID:U5L(4/4) AAS
>>477
「ええと………」

些かの躊躇も感じさせない物言い、きっとそこが二人間で決定的に違う所なのだろう。ぼんやりと頭に浮かんだ勝ち気な少女を掻き消して、両手を胸の前まで掲げる所作はぎこちないったらありゃしない。

「えと………………恥ずかしいので、名前は言えませんが………
一言でいうなら何時も僕の前を歩いて、僕の手を引いてくれる、格好良くて、優しい人………でしょうか
あ………一言じゃないですね、あはは………」

良く汚れを落としたカカオ豆を砕いていけば、熱いお湯の入った器に容器を移して湯煎する、ペースト状になるまでそれを続ければ、所謂チョコレートに1歩前進。
淀みなく進んでいく作業に比べ、いつになく饒舌なアーサーの顔は困った様に苦笑い。

「恋をするってこういうことなのかなぁ………」
省4
480
(1): アーサー(1号)◆4TvnQMjQHE 20/02/14(金)00:35 ID:u0g(1) AAS
>>479
「え、あ………い、今のは内緒、ですよ………?
絶対にです………特にリィン様には………」

まさか聞こえていたとは夢にも思わないアーサーは、無意識の内に零した言葉に対する返答にあからさまに取り乱す。自らの唇にそっと人差し指をあてがいながら、囁くように言の葉を紡ぐ。
彼女がそう言った事柄を無闇に喧伝するとは到底思わないがしかし、デリケートな内容なので慎重になるものだ、特に絶対に聞いてほしくない人がいる場合は。なんせ1日と経たずにバラされるが故。

「温かい物も冷たい物も沢山用意しましょうね
ふふ………こういう事は初めてなので、なんだかとても楽しみです」

いつか来るかも知れないそんな日を思い浮かべて。

「はい、僕は完成しました。少しフレーバーも加えてみたんです
レイヴン様は甘い物とちょっと苦い物、どちらがお好みですか?」???
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(1): アーサー(1号)◆4TvnQMjQHE 20/02/14(金)01:17 ID:AIG(1/2) AAS
>>481
良かった…………とホッと一息、胸をなでおろす。ほんの少しの沈黙が静寂を呼ぶ。

「レイヴン様は雨がお好きなんですね。ですが、お日様に照らされるのも悪くはありませんよ?
丁度いい木陰に腰を落ち着けて、そこにシートを広げたら、景色を楽しみながらお茶を飲んでお菓子を食べるんです
ああでも、もう少し暖かくならないと寒いですね」

ああけれど今日のアーサーは本当に饒舌だ、雨が好きな彼女に晴れの日の良さを語ってみたりして、二人の会話は暫くの間、この大きな調理室の一角を彩るのだろう。

「ええ、良ければレイヴン様も、苺を少し加えてみました」

星を象ったチョコレートを収めた箱を、色とりどりの装飾がなされた包装紙で手際よく包んでいく。やがて赤いリボンを結べばようやく完成、両手でそれを差し出して。
省4
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(1): アーサー(1号)◆4TvnQMjQHE 20/02/14(金)01:48 ID:AIG(2/2) AAS
>>483
風の向くまま気の向くまま、結局の所お天道様の気分次第、陽光に当てられるのも良いけれど、窓を叩く雨足に耳を傾けながら嗜む紅茶もまた趣きがあるというものだろう。

「わぁ………宜しいのですか?レイヴン様、大事に食べますね、ありがとうございます」

ぺこりと丁寧に、されど嫌味のない所作で感謝と共に礼をすればアーサーもまた、差し出された無垢な包装が施されたそれを受け取って。何処か感慨深そうに手に収まったプレゼントを眺める。

「ええ、レイヴン様も………
今日はご一緒出来て光栄でした。また、一緒にお菓子を作りましょうね」

気付けば夜も深くなり始めた頃合いだ。そろそろ良い子は寝る時間、見回りの先生に見つかる前に退散するとしよう。悪い事をしているかのような背徳感に、ほんのちょっとだけ胸が高鳴った
省2
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(1): リィン・レントルート◆4TvnQMjQHE 20/02/28(金)22:01 ID:O9p(1/5) AAS
>>558
「あぁっ!!アブなぁーーい!!!」

辺り一面に広がる雪景色、そんな真白で綺麗な絨毯の上に1つたたずむ黒い影。
少し離れた場所での喧騒が、突然それに向けられたのには理由がある。
声の主に目を向けたと言うのなら、きっとそこには貴方へと向けて走る大きな人影と、そして額に向けて真っ直ぐ飛来するそれはそれは大きな雪玉が映ったに違いない。
ここまで来れば後はもう言うに及ばず、不幸な少年シャディの運命や如何に。
561
(1): リィン・レントルート◆4TvnQMjQHE 20/02/28(金)22:21 ID:O9p(2/5) AAS
>>560
「いやぁートルネード投法したら手が滑っちゃってさ!
君、大丈夫?ごめんねー!」

タタタッと駆け寄り安否を確認、白い飛沫を巻き上げて豪快にすってんころりんシャディ君に心配そうに声を掛ける。
まあまあ大きい雪玉故にダメージも少なくはないだろうか、未だ痛みに耐え兼ね雪に沈んでいるのなら、その背に手を回して抱き起こす事も厭わない。

その間冗談めいた言い回しの謝罪がきっとシャディに向けられるだろう。

『おねーーーちゃーーーーん!ダイジョウブーーーーーー?』

リィンの背後、やや離れた位置にて声を上げた少女、心配そうに声を掛けている彼女の手には雪玉が。
その周りにもシャディと同年代程の少年少女がちらほらいる所を見れば雪合戦の最中であったと察するのは難しくはないだろう。
省1
563
(1): リィン・レントルート◆4TvnQMjQHE 20/02/28(金)22:53 ID:O9p(3/5) AAS
>>562
「あっちゃ〜これまた見事に………、やぁ〜ホントゴメンネ」

これ以上無いくらいのクリーンヒット、これが人様の顔じゃなければ「やるなアタシ」と自分を褒めてあげたい所だが、狙ってやった訳じゃあ無い上に彼が涙目な所を見るに、リィンお手製の巨大雪玉は見た目通りの威力を発揮したらしい。
そんな物を作るから手を滑らせるんだと言うツッコミがあればはいその通りですと言うしか無い。

額に手を当てて舌を出してはいるが一応は反省しています 一応は

「惜しい!けど覚えててくれて嬉しいぞ少年!
あっそうだ!折角だしチビッコ君もあsばふっ!」

絶妙なニアミスをかましたシャディだが、大雑把なリィンは僅かなイントネーションの違い位は笑って流してしまうもの、むしろこうして一緒に遊ばないかなんてお誘いを掛けるくらい。
省6
565
(1): リィン・レントルート◆4TvnQMjQHE 20/02/28(金)23:27 ID:O9p(4/5) AAS
>>564
「エッ!それズルくない!?あたっ!」

2つ3つと投げた雪玉、本人にとっては狙い澄ました一投も、何もせずともシャディの横を通り抜けては向こうにいる子供達に被害を与えていたり居なかったり、最早これも才能の域である。

「チョットー!それルール違反だって!いたたたっ!」

あっちに行ったりこっちに行ったり、能力を活かした撹乱攻撃にリィンは成すすべなしである、バッシバッシと雪玉を浴びながら不平不満を叫ぶもなんだかんだ言いながら楽しそう。

「そっちがその気ならこっちにも考えがあるしぃ?
皆時間を稼いで!第一陣前へー!あの黒いのをやっつけるのだ!」
省4
567
(1): リィン・レントルート◆4TvnQMjQHE 20/02/28(金)23:57 ID:O9p(5/5) AAS
>>566
「ノーカンノーカン!だってそれわざとじゃないし………ッ!」

無垢な白に刻んだ幾何学的模様がその複雑さを増していく度、魔力にも似た不可思議な気配が【ソレ】から溢れ出す。

「そんなモノで我が親衛隊を落とせるとでと思うてか!アタシらの結束は鋼よりも硬い!

ってアレレ?」

古の奇跡を呼び起こす術式の完成を目前にしたリィンが高らかに叫んだその時、不敵な笑みを隠さずに顔を上げた彼女はまさに気の抜けた声を上げてその笑みを崩した!
省3
569
(1): リィン・レントルート◆4TvnQMjQHE 20/02/29(土)00:42 ID:HJh(1) AAS
>>568
怒涛に押し寄せる雨あられの様な雪玉に覚悟を決したリィンは、地面に刺さった棒をバトンめいてくるりと回して引き伸ばす。棒術を思わせる動きで飛来せし冬の暴力(雪玉)を打ち返し、走り寄って来た子供達には圧倒的体格差でもって順に千切っては投げ………もとい転がして。

「重い重い……!キブ……!」

しかしシャディ率いる遠投部隊と子供達の捨て身の特攻に奮闘叶わずサンドイッチにされたリィンは程なくして取り押さえられたままギブアップを宣言したのでありました。

「フゥン、すっごいねーシャディ、そんな事まで出来ちゃうんだ」

イクサが終われば皆また仲良しこよし、親にだき付く小猿めいて背中にくっついた女の子を背負っていたり、活発な男の子を嗜めるかのように手を引いた保護者の様な様相のリィンが零した感嘆の音色。ここに来て初めての年相応の振る舞いである。
省4
628
(1): リィン&アーサー◆4TvnQMjQHE 20/04/12(日)22:06 ID:kIR(1/3) AAS
石造りの廊下を照らすランタンが、微風に揺らぐ。仄暖かな色の移ろいと、窓から差し込む月光が何時も見ている空間にまた違った彩りを与えてくれる。
自分一人であったなら、きっとこの風景に静かな安らぎを得られたのだろうけれど。

「あの………ちゃんと立ってくださいリィン様………」

石畳を叩いた二つの足音、片方は小さく控えめで、もう片方は不規則で大きなもの。
人通りも殆どない森閑の通りは、ただの足音であっても良く響いて気を引くものだ。もしそれに惹かれて近くを通りかかる事があったのならば、ふらついた長身な少女と、その傍で支えるように腕を回した小さな少年が目に入るだろうか。

少年が呟いた酷く抑揚の小さな言葉、けれども何処か困ったように眉を顰めたその顔を見ればその感情を読み取るには容易いだろう。足取りが危うい彼女に半ば強引に連れられて自室を送り返そうとしている所であった。

『うえ………きもちわるい……』
省1
630
(1): リィン&アーサー◆4TvnQMjQHE 20/04/12(日)22:47 ID:kIR(2/3) AAS
>>629
支えるとは言っても140cmと180cm超えの驚異の身長差40cmである。
それに加え同年代の少年と比べても特に非力なアーサーにとって、女性であっても遠慮無しに身体を預けて来る彼女をその身一つで抑えるのは、近付いてきたシャディに声を掛けられるまで全く気が付かなかった程度には苦労しているらしい。

「あぁ………こんばんは、シャディさm『いよーぅちびっこクンじゃんひさしぶりぃ!元気してたぁー?』」

生憎とお辞儀が出来る状況では無いが故、頭を下げるだけの軽い挨拶、続けて発した言葉はしかし、リィンやたら大きな声で掻き消される事となる。拒まなければリィンの手が伸びてシャディの頭をこれでもかと撫で回すだろう。

そんな彼女は窮屈さを嫌ったのか、ボディラインを強く強調するブラウスは胸元を大きく開いた出で立ちで、大人びた顔立ちはほんのり朱を孕んで艶めかしい。
言葉を発する度に香る芳香は、凡そ子供にとって縁遠いものであるのは行くに及ばず、悪酔いしているのは誰の目にも明らかだ。

「実は………」
省4
632
(1): リィン&アーサー◆4TvnQMjQHE 20/04/12(日)23:32 ID:kIR(3/3) AAS
>>631
『痛ぁーー!だってきになったんだもーん?
………あーーなんかふわふわする、えへっ、えへへぇー』

身体を満たした浮遊感、味わった事のない感覚に気分を良くしたリィンは終始ニコニコ。元からそんなに無かった年上としての尊厳もこうも乱れていれば形無しである。しかも年下に怒られる始末。
頭に落ちた黒い手のチョップに頭を抑えて悶絶、大した痛みは感じていないだろうが、お酒が入っているからか普段以上にオーバーで。

「すみません、シャディ様。心苦しいですが、よろしくお願いします。いつかお返しをさせて頂きますので…………」

シャディの手を借りたリィンからやがてゆっくりと離れればペコリと丁寧に、しかし嫌味の無い所作を交えて礼を言えば、パタパタとその場を離れていくだろう。

『ねーねー、ねーねーねー、好きな娘いるのーー?』
省3
634
(1): リィン&アーサー◆4TvnQMjQHE 20/04/13(月)00:14 ID:dJB(1/5) AAS
>>633
『うん、おさけだけらよ〜
アーサーがねぇ〜、てりょーり食べないなって言ったらごはんつくってくれるっていってたんらけど食べられなかったなぁ〜……
だいじょーぶかなぁ………ちょっとわるいことしちゃったかもぉ〜。シャディクンもゴメンね〜』

口にしたのはお酒だけだと言うリィン、間延びした語尾に回っていない呂律、飲み過ぎは危険だと言うのがよく分かる図である。
けれども自分が他人に迷惑を掛けてしまっていることは認識出来ているらしく、ショボンとして二人へと謝罪を呟いて。しかし少し気恥ずかしいのかそれは何処か独り言のような声色で。

『ちがうちがーう!ライクじゃなくてラブな娘!
んーとね………こっち!』

すっかり大人しくなって暴れる心配は恐らくしなくても大丈夫だろう、しかし依然として泥酔状態にあるのは変わらず、指差した帰り道が尽く間違っている。
その最中下で顔を赤くしてやきもきしているシャディの心中なんてお構いなしである!結局なんやかんや彷徨って、自室についたのは三十分程経ってから。
省1
636
(1): リィン&アーサー◆4TvnQMjQHE 20/04/13(月)00:53 ID:dJB(2/5) AAS
>>635
『だよね………だよねええええぇぇぇ…………
うう………きらわれたらどーしよ…………はあ………』

どう言い繕っても変えられない事実、凡そ善良とは言い難い行いに強く反省したリィン。深いため息を溢し、物憂げな表情を浮かべたリィンの目には涙が浮かんでいる。
笑ったと思えは泣いたりネガティブになったり感情の起伏が激しかったり、の割にはすぐ立ち直ったり全く持って酔っ払いとは本当に面倒くさい。

『んー?べつにだいじょーぶでしょー。ワタシのせいでここまでつれてきちゃったんだもん、わるいよぅ』

背を向けたシャディの肩に添えられた大きな手、申し訳ないと言う気持ちもあるのだろう、どうあってもこのまま返したくはないらしい。

『それともワタシといっしょじゃ………イヤ?』
省1
638
(1): リィン&アーサー◆4TvnQMjQHE 20/04/13(月)01:39 ID:dJB(3/5) AAS
>>637
『………………』

許してくれるかどうか、アーサーの心の内は結局の所本人にしか分からない。口を噤んで押し黙るリィン、しかしシャディの言葉は揺らいだ彼女の心の慰めとなるには充分だったのだろう、その顔は落ち着きを取り戻し始めていた。

『イヤじゃないならいーじゃん!おいでよ。それにもうこんな時間だしさぁ、ひとりぼっちでねるのさみしいなぁ?』

男子だから一体何だと言うのか?夜遅くに後輩を寮に保護する事のどこが問題だというのか?そんな屁理屈を盾に食い下がるシャディの身体を少しずつずーりずーり。悲しいかな男女の性差を軽く吹き飛ばす体格差。
元々スキンシップが多く面倒見が良い性格が、お酒によって変な方向に行き過ぎた結果である。

言語学者を志す彼女、その扉を開ければその先は様々な国の言語が入り交じる本で埋め尽くされた空間だった、何とも女性らしくない部屋である。
省2
640
(1): リィン&アーサー◆4TvnQMjQHE 20/04/13(月)02:48 ID:dJB(4/5) AAS
>>639
『???なんでだいじょうぶじゃないのー?』

ここで心底不思議そうな顔をしている時点でもう正常な思考判断を期待するだけ無駄である。

後退るシャディとそれを追うリィン、背にしたベッドに触れ自らの間違いに気付いたであろうタイミングでそれは唐突に起こった。

『じゃ、ねよっか。本とか蹴らないように気を付けt……わぁっ!』

なんと言ったそばから自分で積み重ねられた本を蹴り飛ばし、バランスを崩したのである。
シラフであれば傾いた身体を踏み留まらせる事が出来たがしかし、まっすぐ立って重心を維持する事すら難しい今の彼女にそれを実行出来るだけの気力は残っていなかった。
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