[過去ログ] 安くて音のいいDACすれっど。 (937レス)
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(2): 2001/02/15(木)11:11 AAS
>>141

Volterra級数展開を行ない、その近似的逆フィルタを構築し、かつ
適応的にフィルタ係数を変えてゆくようなリニアライザはすでに考案
され、制御技術の分野で非直線歪みの改善を目的とした検討も進んで
いるが、スピーカに関してはまだまだだろう。

PerpetualのSOCSは、資料を見る限り適応フィルタですらないと思われる。

スピーカが線型時不変であると仮定した単純な固定定数の最小自乗近似
逆フィルタと推測される。元特性に平滑化フィルタをかけ、低域端の補正
周波数分解能がごく粗くてもよければ、数100タップのFIRフィルタでも
実現可能だから、恐らくはこの水準のものだろう。もっと手を抜くならば、
スピーカを最小位相系と仮定し、振幅周波数特性とそのHilbert変換を用いて
音響スペクトラムの平坦化を行なうと、タップ長はかなり削減できる。
これでも聴感上それなりの効果はあるが、位相f特・インパルスレスポンスは
当然ながら理想に近づくとは言えない。

> でも、このコレクションって、聴く位置を固定しなきゃ意味が薄れるよね。
> どの程度までなら動けるのかなぁ。

厳密には、ただ一点でしか完全な補正は成立しないから、厳密さを捨てて
スイートスポットを広げるという考え方が主流。具体的には、軸上・±15-30°
でインパルスレスポンス/振幅位相f特を計測し、これらを単純に平均するか、
もしくはこれらについて最小自乗規範に基いたフィッティングを行なう。
聴取距離を2-2.5 mとしたときに、1 m四方で極端に不自然な特性とならない
ように係数を決定するのが良かろう、とする論文があり、概ね受け入れられて
いるようだ。

問題は、効果的な補正を行なうためのインパルスレスポンス計測に種々の
ミソがあり、リスニング環境が千差万別一般ユーザにこれを行なわせることは、
簡便な計測アプリを提供したとしても、かなり困難ではないかと危惧される
ことだ。S/N等の問題ではなく、補正し切れない、または補正しないほうがよい
反射成分等をうまく回避するテクニックのことを言っているが、このあたりの
問題にPerpetualがどう対処してゆこうとしているのかは興味が持たれる。

ちなみに、業務音響システムとして同種のシステムを扱う先行のSigTech
などでは、エンジニアが実使用システムを計測し、それに基いて逆フィルタを
構築しインストールする手順を取っている。単純な逆フィルタではなく、
直接音・初期反射・残響の各要素ごとに最適な補正を行なうアルゴリズムと、
適応的処理を加味したもので、それなりの演算性能を確保したシステムだ。
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