[過去ログ] とんでもねぇ話だなぁこれぇ!? by東浩紀 #832 (1002レス)
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956: 05/28(火)10:53 ID:0(956/1000) AAS
>>950
知能が低すぎて倫理など100%科学であることすら知らない無知
遺伝的アルゴリズムの概念は、1960年代にジョン・ホランドによって提唱されました[1]。ホランドは、自然選択の過程を工学的問題の最適化に応用できると考えたのです。1975年には、ホランドの弟子であるデイビッド・ゴールドバーグがスキーマ定理を発表し[2]、遺伝的アルゴリズムの理論的基盤を強化しました。スキーマ定理は、遺伝的アルゴリズムにおいて、適応度の高いスキーマ(遺伝子の部分列)が指数関数的に増加することを示したのです。
一方、利己的遺伝子説は、1976年にリチャード・ドーキンスが著書「利己的な遺伝子」で提唱しました[3]。ドーキンスは、生物の進化の主体は個体ではなく遺伝子であり、遺伝子は自身の複製と存続のために個体を利用していると主張したのです。この観点から、親子関係や互恵的利他行動なども、遺伝子の利己性から説明できると論じました。
ドーキンスは、1976年の著書「利己的な遺伝子」で、表現型の概念を拡張し、ダムを作るビーバーの行動なども、遺伝子の影響下にあると論じました[4]。さらに、1982年の著書「延長された表現型」では、この概念をさらに発展させ、生物の行動や形態だけでなく、営巣や文化的所産なども、遺伝子の影響下にあると主張したのです[5]。
また、ドーキンスは1976年の著書「利己的な遺伝子」で、文化的な情報の伝播単位として「ミーム」の概念を提唱しました[3]。ミームは、遺伝子のように複製・変異・淘汰のプロセスを経て進化していくと考えられます。1993年には、リチャード・ブロディが「ウイルスとしてのマインド」で、ミーム概念をさらに発展させ、宗教や思想などを、自己複製するミームの複合体として捉えました[6]。
このように、遺伝的アルゴリズムとスキーマ定理、ビルディングブロック、利己的遺伝子説、ミーム概念は、1960年代から1990年代にかけて発展してきた比較的新しい理論です。これらの概念は、生物の進化だけでなく、文化の進化も含めた、包括的な理解を可能にしてくれます。神という概念に頼ることなく、生命の複雑さと多様性を科学的に説明できる道具立てが整ってきたと言えるでしょう。
[1] Holland, J. H. (1975). Adaptation in natural and artificial systems. University of Michigan press.
[2] Goldberg, D. E. (1989). Genetic algorithms in search, optimization, and machine learning. Addison-Wesley Longman Publishing Co., Inc.
[3] Dawkins, R. (1976). The selfish gene. Oxford university press.
[4] Dawkins, R. (1982). The extended phenotype. Oxford University Press.
[5] Dawkins, R. (1999). The extended phenotype: The long reach of the gene. Oxford University Press.
[6] Brodie, R. (1996). Virus of the mind: The new science of the meme. Hay House, Inc.
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