[過去ログ]
かき消す空に光る雲を見た (173レス)
かき消す空に光る雲を見た http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/poem/1159449124/
上
下
前
次
1-
新
通常表示
512バイト分割
レス栞
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索
歴削→次スレ
栞削→次スレ
過去ログメニュー
159: 名前なし [sage] 2009/06/05(金) 16:22:58 ID:iPo+Vblj クリテムネストル ええ、私はあの人を憎んでいました。では、その立派な父親がどんなだったか、教えてあげましょう! そう、私は二十年後にやっと、アガートの味わった喜びを味わおうとしているのです! 女というものはみんなのもの。でもこの男のものにだけはなりたくないという男が、 必ず一人はいるのです。私にとってのその唯一の男、それは王の中の王、父親の中の父親、それこそがあの人だったのです。 ちぢれた口ひげをたくわえ、そのいつも小指を立てた手で、私を生まれた家からもぎ取ろうとやってきた日、その日から、 私はあの人を憎みました。あの人は小指を立てて盃を傾けました、馬が道をはずれて駆け出した時にも、小指を立てて馬を御しました、 王杖を握ったときにも……そして、私を抱いた時には、私は背中に四本の指しか感じられなかったのです。私はかっとしました。 そしてあの明け方、あなたの姉のイフィジェニイを生贄台に送った時、恐ろしいこと! その両手の小指が太陽の中に くっきりと浮かび上がったのを見たのです! 王の中の王が、何という馬鹿げたこと! あの人は大袈裟で、優柔不断で、愚か者だった。うぬぼれ一方で、見境もなく人を信じた。 王の中の王といっても、つまるところはあの小指と、どうしてもちぢれの直らないひげ以上の何ものでもありません。 頭を浴槽の水にもぐらせてやっても無駄でした。偽りの愛の夜に、ひげを引っ張り、からませてみても無駄でした。 舞姫たちの髪が馬の尾のようになびくデルフの嵐も無駄でした。 ひげは、水からも、臥所からも、雷雨からも、時の流れからも、金色に輝き、ちぢれたままで出てくるのです。 そしてその小指を立てた手で、私に近寄るよう合図をし、私は微笑みながら傍へ行くのです。何故? そしてそのちぢれ毛に囲まれた口に接吻を求め、私は駆け寄って接吻をするのです。何故? http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/poem/1159449124/159
上
下
前
次
1-
新
書
関
写
板
覧
索
設
栞
歴
あと 14 レスあります
スレ情報
赤レス抽出
画像レス抽出
歴の未読スレ
AAサムネイル
Google検索
Wikipedia
ぬこの手
ぬこTOP
0.004s