【草の葉】 ウォルト・ホイットマン 【W. Whitman】 (122レス)
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71: まーじ ◆ykDJvODuLA [] 2014/03/17(月) 20:35:16.40 ID:a8cwWSXn 言葉よ、本の内部をうずめる言葉よ、おまえたちは何者だ、言葉はもはや無用、だって見たまえ、聴きたまえ、 わたしの歌はあの大気のさなかにあり、わたしが歌を歌うときは、旗印と長旗にもはためいていてほしい 長旗 上がっておいで、詩人よ、詩人よ、 上がっておいで、魂よ、魂よ、 上がっておいで、いとしい幼子よ、 わたしといっしょに雲と風の中を飛び、無量無辺の光とたわむれるがよい http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/poetics/1322887489/71
72: まーじ ◆ykDJvODuLA [] 2014/03/17(月) 20:41:14.73 ID:a8cwWSXn 詩人 しかしわたしは海ではなく、赤い太陽でもなく、少女のように笑いさざめく風でもない、 吹きつのる強い風でも、吹き付ける烈風でもない、 おのれが宿る肉体にむちをあてては、恐怖や死へと追い込んでいく霊でもない、 わたしは姿を見せずに訪れて、ただひたすらに歌い、歌い、歌い続け、 小川となってさらさら流れ、驟雨となって地面に注ぎ、 http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/poetics/1322887489/72
73: まーじ ◆ykDJvODuLA [] 2014/03/17(月) 20:47:30.40 ID:a8cwWSXn 魂の製作は、地球が語る、耳に聞こえぬあの言葉が担う、 名匠は地球の言葉を心得ていて、耳に聞こえる言葉よりも、そちらのほうを多く使う。 改良は、地球が語る言葉の一つ、地球の足どりはのろまではなく、急ぐでもなく、 そもそもの始めから、すべての属性、発育、成果をおのれ自身の中に潜ませており、 美しい反面だけでなく、数々の極致を披露しながら、欠陥や贅肉も結構しっかり晒している http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/poetics/1322887489/73
74: まーじ ◆ykDJvODuLA [] 2014/03/17(月) 21:10:45.92 ID:a8cwWSXn 地球は弁じたてることをせず、情に流されることも、計画通りに振る舞うこともない、 悲鳴もあげず、急ぎもせず、説得も威嚇も、約束もせず、細かい詮索には手を染めず、 失敗なんかつゆほどもせず、ドアはことごとく開け放って何一つ拒まず、何一つ締め出さず、 すべての権力、物象、国家について告げ知らせ、締め出すものは何一つない http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/poetics/1322887489/74
75: まーじ ◆ykDJvODuLA [] 2014/03/17(月) 21:57:12.07 ID:a8cwWSXn アメリカスギの密林の中で息絶えてゆく巨木の声 「さようなら、わたしの兄弟たち、さようなら、おお、大地と大空よ、さようなら、 君ら隣人である海よ川よ、わが寿命はつきた、最後の時が来た」 中略 かのアメリカスギの密林の中で、斧の鋭利な舌でざっくりと切り裂かれつつ、 巨木がおのれの死の歌を歌っているのを聞いた。 http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/poetics/1322887489/75
76: まーじ ◆ykDJvODuLA [] 2014/03/17(月) 22:05:04.58 ID:a8cwWSXn 今まさに極致となる、新しい人のあなたに、この新しい帝国を、 あなたに約束されて久しいこの国土を、わたしたちは保証し、あなたに捧げる。 あなた、深淵で不可思議な意図よ、あなた、普通人の霊を宿した男よ、 己自身が唯一の支え、法は定めても法に従うことのない万物の目的よ、 中略 あなたの寵児たる、人間、あなたそっくりの種族も、ここでなら強く優しい巨木となり、 ここでなら大自然と釣り合うぐらいの背丈になれる、 http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/poetics/1322887489/76
77: まーじ ◆ykDJvODuLA [] 2014/03/17(月) 23:56:21.37 ID:a8cwWSXn おお、希望と信念よ、おお、国を追われた愛国者の生涯の痛ましい終局よ、 おお、頭の病める心よ、 だが慈悲の甘みが、苦い破滅を醸成し恐怖におびえた君主たちが戻ってくる、 それぞれにお供を連れて威風堂々、つき従うは首切り役人、坊主、収税吏、兵隊、 法官、領主、獄吏、おべっか使い、 若者たちのこれらの死体、絞首台からぶらさがる彼ら殉教者、灰色の鉛で打ち抜かれた彼らの心臓は、 冷たく不動のままと思えはしても、トサツしきれぬ活力を、ほかのどこかでたぎらせている http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/poetics/1322887489/77
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