◆三島由紀夫の遺訓◆ (511レス)
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: 2011/02/28(月)12:06
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230: [] 2011/02/28(月) 12:06:34.23 ID:xcpqc+mn それならお前は知識人として、言論による運動をすればよいではないか、と或る人は言ふのであらう。しかし 私は文士として、日本ではあらゆる言葉が軽くなり、プラスチックの大理石のやうに半透明の贋物になり、 一つの概念を隠すために用いられ、どこへでも逃げ隠れのできるアリバイとして使はれるやうになつたのを、 いやといふほど見てきた。あらゆる言葉には偽善がしみ入つてゐた、ピックルスに酢がしみ込むやうに。 文士として私の信ずる言葉は、文学作品の中の、完全無欠な仮構の中の言葉だけであり、前に述べたやうに、 私は文学といふものが、戦ひや責任と一切無縁な世界だと信ずる者だ。これは日本文学のうち、優雅の伝統を 特に私が愛するからであらう。行動のための言葉がすべて汚れてしまつたとすれば、もう一つの日本の伝統、 尚武とサムライの伝統を復活するには、言葉なしで、無言で、あらゆる誤解を甘受して行動しなければならぬ。 Self-justification は卑しい、といふサムラヒ的な考へが、私の中にはもともとひそんでゐた。 三島由紀夫「『楯の会』のこと」より http://egg.5ch.net/test/read.cgi/rongo/1296353789/230
それならお前は知識人として言論による運動をすればよいではないかと或る人は言ふのであらうしかし 私は文士として日本ではあらゆる言葉が軽くなりプラスチックの大理石のやうに半透明の贋物になり 一つの概念を隠すために用いられどこへでも逃げ隠れのできるアリバイとして使はれるやうになつたのを いやといふほど見てきたあらゆる言葉には偽善がしみ入つてゐたピックルスに酢がしみ込むやうに 文士として私の信ずる言葉は文学作品の中の完全無欠な仮構の中の言葉だけであり前に述べたやうに 私は文学といふものが戦ひや責任と一切無縁な世界だと信ずる者だこれは日本文学のうち優雅の伝統を 特に私が愛するからであらう行動のための言葉がすべて汚れてしまつたとすればもう一つの日本の伝統 尚武とサムライの伝統を復活するには言葉なしで無言であらゆる誤解を甘受して行動しなければならぬ は卑しいといふサムラヒ的な考へが私の中にはもともとひそんでゐた 三島由紀夫楯の会のことより
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