他板に投稿された、興味深い格言の転載スレ 17 (404レス)
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113: 2019/06/11(火)20:35 ID:sQEBcB1Q(24/71) AAS

美しいものは、諸君を黙らせます。美には、人を沈黙させる力があるのです。


同じ理論を抱いているというので親友だと思い込む、
実はただひとりでものを言うのが不安だからに過ぎぬとは気が附かぬ。


凡そものが解るという程不可思議な事実はない。
解るという事には無数の階段があるのである。
人生が退屈だとはボードレールもいうし、会社員も言うのである。


互いに己れを主張し、攻撃と防禦の気を伺っている様な思想は、
権力のかぶった仮面に過ぎないからであります。
これらの思想は各々の陣営の中に住んでいるので、人間の精神の裡にあるのではない。


己れを実現する為の、最も現実的な保証なり根拠なりを、
原子爆弾の数の上に置いている、さようなものを思想と呼ぶのは滑稽である。
この思想としての内的根拠を全く欠き、一方、物質のシステムの明瞭性も
全く欠いた怪物に、世人は、イデオロギイなどというえらそうな名を付けました。


学者とはずい分長い間、書物に書いてある知識くらいは皆空で覚えていた人だったでしょう。
書物は、記憶の不確かな処を確かめる用しかしなかったでしょう。


詩は言うまでもないが、散文にしても物語だった。
読まれたのではない、語られたのです。
本は、歌われたり語られたりしなければその真価を現す事は出来なかったのです。


凡そ究極的な問題は、直覚によって掴む他はないもので、
直覚の率直な表現が、屡々逆説と見えるという事は、ニイチェの作でいつも経験する事です。
真の逆説とは言わば認識に於ける極めて率直な決断なので、
ひねって逆を言ってみるという様な事てはない。


現代の批評病は、いろいろな症状を現しているが、
根本のところは、物に対するこの心の手ごたえを失っている事から来ている様に思われます。
何かを批評している積りであるが、その何かが実はないのである。


ベルグソンが、晩年の或る著述の中で、これからの世にも大芸術家、
大科学者が生まれるかも知れないが、大政治家というものは、もう生まれまい、
と言っております。つまり政治は、現在既に大政治家など
いよいよ必要としない傾向を辿っているというのです。

小林秀雄
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