他板に投稿された、興味深い格言の転載スレ 17 (404レス)
1-

114: 2019/06/11(火)20:35 ID:sQEBcB1Q(25/71) AAS

個人の独創により、普遍的人間性を表現しようとする十九世紀理想主義の
権化たる点において、ベエトオヴェンは、文学の世界で言うなら
ゲエテやバルザックに比すべき稀有な芸術家だった…


天下を整理する技術が、大根を作る技術より高級であるなどという道理は
ないのでありますが、やはり整理家は、無意味な優越感に取りつかれるらしい。
交通巡査でさえそうかも知れぬ。


自分の経験した直観が悟性的判断を越えているからと言って、
この経験を軽んずる理由にはならぬという態度です。


私は、美術や音楽に関する本を読むことも結構であろうが、
それよりも、何も考えずに、沢山見たり聴いたりする事が第一だ、
と何時も答えています。


今日の知識人達にとって、己れの頭脳によって
理解出来ない声は、みんな調子が外れているのです。
その点で、彼等は根底的な反省を欠いている、といっていいでしょう。


近代科学の本質は計量を目指すが、精神の本質は計量を許さぬところにある。


極端に言えば、絵や音楽を、解るとか解らないとかいうのが、もう間違っているのです。
絵は、眼で見て楽しむものだ。音楽は、耳で聴いて感動するものだ。
頭で解るとか解らないとか言うべき筋のものではありますまい。


ソヴェトには言論の自由はないであろうが、沈黙の自由ならある筈だ。
言葉のしゃれではない。黙らされた人間は、必ず沈黙によって自己を現すものであり、
この力は必ずしも言論の力に劣るものではありませぬ。


文字のなかった時代の教養人とは、無論、何でも頭で覚えていた人だ。
そしてこれを上手にしゃべった人だ。
そういう教養人の態度が、文字ができ、書物が書かれると、
急に変わってくるという様なことは考えられぬ。


浪漫主義が流行させた、独創とか個性とかいう言葉は濫用されています。
濫用しているうちに、知らず知らず、芸術作品の個性という意味が下落する。
下落して単なる個人個人の相違という意味と混同されます。

小林秀雄
1-
あと 290 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.003s