他板に投稿された、興味深い格言の転載スレ 17 (404レス)
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117: 2019/06/11(火)20:39 ID:sQEBcB1Q(28/71) AAS

才能の鍛錬が、才能の玩弄に落ちない事は、先ず稀有だと言っていい。


凡そ物の真相とは、人間が追求するが発見は出来ない或るものの様にも考えられるし、
発見はするが追求は出来ない或るもののようにも考えられる。
恐らくどちらも本当であろう。


人はこの世に動かされつつこの世を捨てる事は出来ない、
この世を捨てようと希う事は出来ない。
世捨て人とは世を捨てた人ではない、世が捨てた人である。


俺を支えているものは俺自身ではなく、ただ俺の過去なのかもしれない。
俺には何んの希望もないのだから。
だけど、俺が俺の過去を労ろうとすればするほど、それは俺には赤の他人に見えて来る。


理想に捕えられ、のたれ死にまで
連れて行かれたトルストイは、理想の恐ろしさをよく知っていた。
彼の定義に従えば、理想とは達する事の出来ぬものだ、
達せられるかも知れぬ様な理想は、理想と呼ぶ様な価値はないのである。


愛読書を持っていて、これを溺読するという事は、なかなか馬鹿にならない事で、
広く浅く読書して得られないものが、
深く狭い読書から得られるというのが、通則なのであります。


近代の歴史思想というものは、思想界に於ける産業革命の
如きものではあるまいかと、私はいつも思っている。
私達は、歴史に悩んでいるよりも、
寧ろ歴史工場の夥しい生産品に苦しめられているのではなかろうか。


真理の名の下に、どうあっても人々を説得したい、
肯じない者は殺してもいい、場合によっては自分が殺されてもいい。
ああ、何たる狂人どもか。
そこに、孔子の中庸という思想の発想の根拠があった様に、私には思われる。


人の有るが儘の心は、まことに脆弱なものであるという、
疑いようのない事実の、しっかりした容認のないところに、
正しい生活も正しい学問も成り立たぬという、
彼〔宣長〕の固い信念、そこに大事がある。


私達は皆めいめい自己流に生きている、そうであるより他はない、
これは実に厄介な困難な事である。
小林秀雄『政治と文学』 共感する

小林秀雄
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