[過去ログ] 【安倍内閣】の支持率はなぜ回復するのか 映画「ゲッベルスと私」から読み解く (610レス)
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(4): クロ ★ 2018/07/02(月)09:18 ID:CAP_USER9(3/3) AAS
「凡庸な政治的人間」の罪を象徴

 彼女の独白が今の日本と何の関係があるか。安倍政権をナチス政権になぞらえる粗雑な思いつきではない。この映画は、転換期の政治意識がいかに形成されるかを提示している。ポムゼルは自分を非政治的人間だと主張する。だから知らなかったし、結果も免罪されるという。だが、彼女は知っていた。身近なユダヤ人たちが消えるのに気づき、異常な事態が進行していると感づいていたからこそ、知らん顔をして我が身を守り、恋人からも距離を置いた。自分個人の利害得失にだけ敏感な、社会や歴史の行方全体には目を閉ざす政治意識の持ち主なのだ。ハンナ・アーレントの「悪の凡庸さ」を借りれば、「凡庸な政治的人間」の罪を典型的に象徴している。

 転換期の政治は、危機や国難を声高に唱え、「突破するための改革」と称して矢継ぎ早に大きな政策転換を繰り出す。変化を受け入れさせるため、さまざまな標語や決まり文句や掛け声を反復する。気づけば政治が過剰に社会生活を覆い、少なくない人々が政治に目覚め、それと意識せずそれまで持っていなかった政治意識に染まっていく。それは決して戦時期の特殊な現象ではない。一人の平凡で真面目な市民が、どのように自分から進んで政権に動員される政治的人間へと変貌し、そのことに無自覚なまま大きな政治の潮流を支える隊列へ加わるに至るか。麻生太郎副総理兼財務相が5年前「誰も気がつかなかった。(ナチスの)あの手口に学んだらどうか」と述べたのは、改憲手続きのレトリックにとどまらず、今の日本政治全体の手法と発想について、思わず本質を突いた箴言(しんげん)だったのかもしれない。

(伊藤智永)

終わり
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