[過去ログ] 新刊・増刊・増刷スレ 第124刷 (1002レス)
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455: 2022/02/07(月)00:19 ID:Hwmzcjv0(1/8) AAS
コロナ禍は深刻だが、国や東京都、大阪府の「動かざること山のごとし」により国民(住民)の被害は拡大するばかり。ところで、その悪影響で新規学卒者の内定時での賃金見込みと本年4月就労開始時点での確定賃金との違いが生じる虞がある。このことについては下級審裁判例がある。すなわち、違いが生じること自体は成立と賃金の確定にずれがあるためでやむを得ない。とはいえ明示を義務づける趣旨からいって見込み額を下回る場合、それが信義則に反する場合は許されない。見込み額を下回ること6〜8%はけっして小差ではない。しかし、オイルショックの時期で経済情勢の影響によるものであり誤りがあったとはいえない。しかも昨年度初任給より8%アップであり信義則に反するとまでは言えない、と判示した(『八洲測量事件』東京高判S58.12.19)。そうするとやはりコロナ禍との事情ゆえ多少の相違はやむを得ぬものの、しっかりと当該事情を説明することが最低限使用者に求められているということであろうか。
456: 2022/02/07(月)00:19 ID:Hwmzcjv0(2/8) AAS
そこで思い出すのは、中国が経済成長する以前に中国人留学生を内定した某企業が4月の就労時直前に中国への長期駐在を命じた件で、その賃金を内定時の4分の1の額に減縮したとの事案があった。会社側の言い分は、当時の中国での賃金水準を勘案したから、というものであった。たしかに大都会・上海での労働者の平均月収にして当時、日本円で1万円にも満たない時代である。結局、この学生はそれを不満にあっさりと退職してしまった。今と異なり外国人の長期雇用など、およそ考えられない時代であった。母国では望めない高賃金が、彼の日本での就職の主たる動機であったのであろう。昨日の五輪開会式を見て、当時とは隔世の感があった。
458: 2022/02/07(月)10:55 ID:Hwmzcjv0(3/8) AAS
学生が就職した後、まず関わるのが労基法である。これは、労働関係法のうち使用者と個々の労働者との間の法律関係、とくに労働条件に付いて規制することを目的とする。ところが最近、雇用保険や健康保険といった社会保険や賃金コスト等を節減するために、就労者との労働契約を避け「請負」や「(業務)委託」といった契約で労働法等の適用を免れようとする例も目立つ。そこで、労基法の適用になる「労働者」とは何かが問題になる。定義としては労基法9条、労契法2条1項があるが、両者は表現こそ異なるものの実質はほぼ同じだといえる。またその判断基準としては「使用される」との要件が重要である。それがこの要件のない労組法上の「労働者」との相違点になる。そこで従来の学説や判例は、「使用従属関係の有無」をその判断における重要なメルクマールとしてきた。そして、たとえ形式的に請負や業務委託との契約方式で就労している場合であっても、実質的に使用者の指揮命令下にある場合には広く労基法上の労働者として法の保護下におき、保護を及ぼしてきたのであった。
461: 2022/02/07(月)11:24 ID:Hwmzcjv0(4/8) AAS
そうした使用従属関係の有無は、?仕事の依頼や業務指示についての諾否の自由についての有無(諾否の自由があるか)、?業務の内容や遂行方法に関する使用者の指揮命令の有無(具体的指示を受けているか)、?勤務場所や勤務時間の拘束性の有無(それらが指定、管理されているか)、?労務遂行の代替性の有無(補助者の使用の可否について)、?報酬の労務対償性(報酬の性格が使用者の指揮のもとに一定時間労務を提供していることに対する対価と判断されるか)などを判断指標として、ケースバイケースで判断する。さらのその補強的要素として、時間給制や欠勤控除、給与所得としての源泉徴収、残業手当支給の事実退職金制度や福利厚生の対象の有無、機械器具の自己負担での持ち込み、あるいはそれが著しく高価の如何、独自の商号使用許可、特定企業に経済的に従属(他社の業務に従事することが制度上制約、または時間的余裕なし)しているか等の観点からも労基法上の「労働者」性が判断されることになる。
464
(1): 2022/02/07(月)18:03 ID:Hwmzcjv0(5/8) AAS
>>463

就業規則は、労働契約法の最大のテーマといってよい。そもそも労働条件の決定・変更は基本的には労働契約によって行うことが原則である。しかし、多くの企業で労働条件の統一的・画一的管理の必要性から、就業規則によって決定される例が多い。たとえば就業規則による労働条件の決定と変更、とくに就業規則の不利益変更と労契法10条などで議論がある。そして、入社時の就業規則が合理的ならば労働契約の内容になり(労契法7条)、また就業規則の基準に達しない労働契約は無効(最低基準効=強行、無効となった部分は就業規則の内容が労働契約の内容(直接規律する=直律)、労契法12条)、さらに不利益変更でも合理的※なら拘束力(労契法10条)あり、などといったルールがある。なぜなら、終身雇用慣行あるこの国では、労働契約は「継続」的契約であり、長期間に亘る契約関係途上で社会、経営環境の変化に応じて「柔軟」に契約内容=労働条件の見直しが必要な場合があるから、と菅野一派は説明する。
465: 2022/02/07(月)18:03 ID:Hwmzcjv0(6/8) AAS
(続き)しかし、使用者と労働者との契約関係によれば、労働者が当該変更に反対した場合にはどうなるのか。反対しているのに契約内容を相手方が一方的に、しかも不利益に変更できるわけがない。そうした学界からの当然の反対論を押しつぶすかの如く乱暴に、国は労契法10条で法規定化してしまったのであった。まさしくブルジョア議会とは、剰余価値の収奪を正当化、合法化し、裁判所はそれにお墨付きを付与する儀式の場であるとの本質を暴露した。※なぜ、労働条件の不利益変更の内容が「合理的」であれば使用者が一方的に契約内容の変更ができるのかにつき、『秋北バス事件(最大判S43.12.25)』や『第四銀行事件(最二小判H9.2.28)』で最高裁は何ら根拠を示していない。
474: 2022/02/07(月)22:05 ID:Hwmzcjv0(7/8) AAS
>>468
労基法が労働条件の最低基準を定めるとの法律であるため、労働契約をめぐる紛争の解決ルールを定めていない。そこで労働契約について合意による原則(ここが重要)を定め、かつ労働契約に関する民事的ルールを明らかにしたもの。その際に司法による判例法理も一部に納められている(先述の労契法10条など)。したがって、この法律には労基法の如く労働刑法的要素は皆無であり、単に法の趣旨や内容の周知により当事者間での合理的な労働条件の決定・変更が確保されることを期待する程度に留まる。
475: 2022/02/07(月)22:15 ID:Hwmzcjv0(8/8) AAS
またここで強調したいことは、労働条件を決定する規範は制定法・非制定法含めた成文法に限られず、そうした労働立法に明記されていない各事業場に存する不文規範としての「労使慣行」が大きな働きを為すということである。ところが、あの佐藤優や池上彰らは労働法学に知見なきゆえ、旧国鉄労使での現場協議制をしてあたかも諸悪の根源かの如き的外れの指摘を行っている。
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