刑法の勉強法■60 (533レス)
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269(1): 元ヴェテ参上 2023/12/09(土)20:36 ID:hcZN/JVe(1) AAS
>>267
昔読んだだけで立石総論は手許になく記憶に従って断片的
に書くしかないが、
・中央法卒、北九州市立大学教授
・行為無価値論
・共同意思主体説(大塚304頁注28)
・承継的共同正犯全面否定説(百選第5版165頁)
・百選第6版に「期待可能性」を書いている(S33・7・10 )
・立石総論を引用している教科書は、大塚、大谷、浅田、
山中くらい。
270: 2023/12/09(土)22:13 ID:mctnXcJe(2/2) AAS
>>269
ありがとうございます~
ベテさん的には手元に置く価値無しって感じですか?
271(1): 2023/12/09(土)22:48 ID:vtUgUa5z(2/2) AAS
立石説は、違法性阻却事由の錯誤について、準故意説を採るようだね。
272: 元ヴェテ参上 2023/12/10(日)14:20 ID:JaH8RgiL(1) AAS
>>271
「準故意説」って久しぶりに聞いたよw
思い出すため、いくつか文献を当たってみた。
主張者は、宮本=草野=佐伯千。大谷は西田説も準故意説に
数えているが明らかな誤り(西田は制限責任説)。このよう
に大谷の学説分類は間違いが頗る多い。学説分類は井田が
最も信用できる。
準故意説が現在支持されないのは「過失しかないのになぜ
故意犯として扱うのか」という疑問を本説がうまく説明
できないからだ。この点、中山が「違法性の過失は理論的
省6
273: 2023/12/10(日)14:42 ID:/sJDOvhY(1) AAS
立石先生は草野門下の下村康正弟子だから直系だね。
274: 元ヴェテ参上 2023/12/11(月)19:08 ID:AhDPd/US(1) AAS
260で触れたように主観的違法要素について調べているが
橋爪・悩みどころを読んでて気づいたこと。
279頁注21では「行為意思」の参照文献として
・鈴木左斗志「実行の着手」刑法の争点(2007年)89頁
・山口・総論(2016年)285頁
・佐伯・楽しみ方(2013年)109頁
を挙げているが、この手の本(教科書と論文の中間領域)
としては不親切。学説史を正確に辿れば
・鈴木左斗志「方法の錯誤について」金沢法学37巻1号
(1995年)91頁以下
省4
275(1): 2023/12/12(火)12:25 ID:zySXQXk8(1) AAS
成文堂書店の近刊案内より。
2月
『刑法総論 第3版』
浅田和茂 著
税込定価 4,070円
978-4-7923-5412-1
『刑法各論 第2版』
浅田和茂 著
税込定価 4,070円
978-4-7923-5413-8
276: 元ヴェテ参上 2023/12/12(火)14:47 ID:0DlMhaIq(1) AAS
>>275
いつも貴重な情報ありがとう。
浅田先生の総論は買わなくっちゃね。
なお、272で「山中総論には準故意説は載っていない」と
書いたが、よく読んだら載っていた。訂正してお詫びする。
少々長いが引用する。273さんが指摘した、草野豹一郎=
下村康正=立石二六の中央ラインにもきちんと触れている。
【山中・総論475頁】
(2)準故意説
古い学説の中には、罪となるべき事実を認識しながら、過失
省12
277: 2023/12/13(水)06:42 ID:LgmhN14h(1) AAS
最近、悪質なホストによる売掛金の強引な取立てが社会問題
となっているが、これには刑法判例上、有名な先例があるん
だな(百選73事件〔最決平成16・1・20〕)
知らない人のたために事実の概要を一部紹介する。
「被告人はいわゆるホストクラブのホストであり、客であっ
た被害者がたまった遊興費を支払えなかったので、被害者に
対し、激しい暴行・脅迫を加えて強い恐怖心を抱かせ、風俗
店などで働かせて、分割でこれを支払わせるようにしたが、
被害者に生命保険を掛けたうえで自殺させて保険金を取得し
ようと考え、被害者を多額の生命保険に加入させたうえで、
省2
278(1): 元ヴェテ参上 2023/12/14(木)15:30 ID:76wiiYIe(1/2) AAS
272で「学説分類は井田が最も信頼できる」と書いたが
「故意の体系的位置づけ」(井田166頁以下)について疑義
が生じた。
井田は学説を4つに分類する。
?責任要素説(結果無価値論;浅田、佐伯千、内藤、中山)
?修正責任要素説=主観的構成要件要素説(結果無価値論
;佐伯仁志、西田、前田)
?違法要素説(行為無価値論;伊東、川端、西原、野村)
➃中間説(違法要素であり責任要素でもある。大塚、大谷、
斎藤信治、高橋、団藤)
省12
279(1): 2023/12/14(木)15:41 ID:uGyglk2D(1) AAS
>>278
そもそも、佐伯、前田と西田、松原(中山説もここに入る?)を同列に並べているのがおかしいよね。ブーメラン現象が起きる前者と起きない後者。
280(1): 元ヴェテ参上 2023/12/14(木)23:38 ID:76wiiYIe(2/2) AAS
>>279
ご指摘のとおり、中山説は基本的に西田=松原説と同じ。
確認すると
【西田=松原説】
違法構成要件該当性→違法阻却→責任構成要件該当性
→責任阻却
【中山129頁注4】
可罰的違法類型該当性→違法阻却事由→可罰的責任類型
該当性→責任阻却事由
(これは元々、佐伯千の体系)
281: 2023/12/16(土)15:58 ID:xQwKWxJV(1) AAS
危険犯の研究 新装版
山口 厚 著
(東京大学出版会)
発売日:2024/02/21
ISBN:978-4-13-031207-3
判型・ページ数:A5 ・ 288ページ
定価:6,380円(本体5,800円+税)
最高裁判事を務めるなど、法曹実務においても主導的役割を果たしてきた
刑法学の泰斗の古典的名著を、新たに「復刊によせて」を収録し待望の
復刊。古くて新しい問題である「危険」の概念を深く掘り下げ、危険犯の
省1
282: 元ヴェテ参上 2023/12/16(土)16:10 ID:oGrPOvBR(1) AAS
>>280に補足すると、佐伯千=中山説は、
?構成要件的故意・過失を否定し、
?客観的相当因果関係説に立ち、
?未遂では実質的客観説、不能犯では客観的危険説に立ち
➃共犯では純粋惹起説、行為共同説を採用する。
この立場は現在では浅田教授によって引き継がれている。
山中教授は、佐伯千=中山説に内藤=曽根=浅田説を加えて
「謙抑的刑事政策志向刑法理論」と命名して批判しているが
(山中47頁)、少なくとも曽根説を加えるのは疑問である。
なお、もし興味と暇のある人には以下の文献を推奨する。
省17
283(1): 2023/12/19(火)18:46 ID:m29yVFTH(1/2) AAS
安倍派のパーティー券問題だけど
結果無価値だと金額の多い議員しか処罰できない
悪質だ、手口が悪い、組織ぐるみだという行為無価値の
評価も必要
かくして違法二元論が支持される
284: 2023/12/19(火)18:52 ID:xnLLI3hU(1/3) AAS
?
金額が多いから悪質で手口が悪いのであって同じことでは?
結果無価値の内実は法益侵害でしょ。
行為無価値でも法益侵害を志向したことと解せば内容は変わらないのだが。
285(1): 2023/12/19(火)19:05 ID:xnLLI3hU(2/3) AAS
つまり、問題は行為無価値か結果無価値かではなく、法益侵害か、社会倫理規範違反かということ。
286: 2023/12/19(火)19:33 ID:m29yVFTH(2/2) AAS
>>285
そういう当たり前のことを言ってるのではなく
実務で結果無価値・行為無価値がどう理解されどのように
運用されているかについて書いたつもり
東京国税局の知人も脱税事案を摘発する際は「金額の多寡
という結果無価値だけでなく、手口の悪さという行為無価値
の考慮が是非とも必要」と言っていた
287: 2023/12/19(火)19:36 ID:xnLLI3hU(3/3) AAS
その友人は結果無価値と行為無価値とは何か学び直した方がいいね。
288(1): 2023/12/23(土)04:11 ID:lcJiAz1P(1) AAS
>>260
平野竜一は,
うっかり目的的行為概念の密輸をしてしまったのではないか。
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