エレンのお願い13か条 (554レス)
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544: 名無しに代わり進撃の巨人ちゃんねるがお送りします 2013/12/22(日)07:38 ID:FYOOfyEA0(67/72) AAS
そのアルミンの絶妙な言葉にエレンはやはり気づいてしまった。

いや、本当は前々から薄々、気づいてはいたんだけども。

今、この瞬間まではそれを認めたくなかったと言うべきだろうか。

だからエレンは、そのもやもやをアルミンに言いかけたのだが、

アルミン「良かった。その言葉が聞けて」

と、それを言わせないようにアルミンが先手を打って言ったので、エレンは口を閉ざしてしまった。

アルミンは、多分。いや、きっと。アルミンも本当は、きっと……。

エレンは部屋に戻ってから、寝床の隅っこに設置しているミカサ人形を眺めた。

精巧なその人形に込められたものは、それ無しには作れない代物だと思う。

このまま気づかないふりを続けるべきか。エレンは布団に潜ってからも考えた。

でもエレンには言えなかった。その蓋を開けるのが、躊躇われた。

エレン(ごめん……アルミン)

今の幸せはアルミンのおかげだと感謝すると同時に。

その影でもしかしたらアルミンは、悲しんでいるのかもしれないと思うと。

エレンは壁に顔を向けて寝てしまう。アルミンに背を向けるように。

すると、アルミンはそれに気づいて、柔らかく答えた。

アルミン「エレン、さっき何か言いかけた?」

エレン(ギクリ)

アルミン「……………」

エレン「……………」

アルミン「大した事じゃないの?」

エレン「いや………」

アルミン「ん?」

エレンはアルミンの方を見ないまま問う事にした。

エレン「アルミンも、ミカサの事、好きだよな」

アルミン「うん。好きだよ」

エレン「いや、その好きじゃなくて……」

アルミン「うん。まあ、その…………うん」

アルミンが意外とあっさり肯定したのでエレンの目は大きく開かれた。
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