ミカサ「この長い髪を切る頃には」 (933レス)
ミカサ「この長い髪を切る頃には」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/
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893: 進撃の名無し [] そして少しの月日が流れ。 タイ王子(ジャン)『レナ』 レナ(エレン)『なんでしょう?』 タイ王子(ジャン)『やはり君は立体機動装置を使用するのはやめた方がいいのでは…』 レナ(エレン)『い、いやです! 絶対、完成したら私も一度、使ってみたいんです!』 タイ王子(ジャン)『しかし……いつまで逆さまでいる気だい?』 ブラーン…… レナ(エレン)が立体機動装置の訓練用の装置でひっくり返っている。 レナ(エレン)『うっ……今はバランスを取れませんが、いつかは必ず!』 タイ王子(ジャン)
『でもなあ……やはりこの装置を使うにはある種の才能が必要なのかもしれないよ』 と、タイ王子(ジャン)がレナ(エレン)を元に戻してやるが、また、ブラーンと逆さまになってしまう。 タイ王子(ジャン)『ん?』 タイ王子(ジャン)『あ』 レナ(エレン)『え?』 タイ王子(ジャン)『すまない。良く見たら体を支える留め具が緩んでいたようだ。整備ミスだ。ちょっと一回、外すよ』 カチャカチャカチャ タイ王子(ジャン)『よし、これでいいはずだ。もう一回やりなおすぞ』 今度はちゃんと、レナ(エレン)はブランコのようにバランスを
取れた。 レナ(エレン)『やった! これで私も、あの装置が完成したら使う事が出来ますね!』 タイ王子(ジャン)『………本当に大丈夫かな』 レナ(エレン)『文献に残っていた訓練方法がこれ、なんでしょう? 正確に再現して器具を作りましたし。大丈夫ですよ』 タイ王子(ジャン)『うん……』 レナ(エレン)『それに女性も多くこれを使って空を飛んでいた、とあります。大柄な男性より小柄な女性の方が使いやすいのかもしれないですよ?』 タイ王子(ジャン)『でも、失敗したら死ぬよ。確実に』 レナ(エレン)『そ、その為の訓練です
。大丈夫です。私、毎日練習しますから』 タイ王子(ジャン)『………やれやれ』 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/893
894: 進撃の名無し [] 場転。王宮内。 ライ王子(オルオ)がタイ王子(ジャン)に話しかける。 ライ王子(オルオ)『お、久しぶりだな。引きこもり王子』 タイ王子(ジャン)『兄上……お久しぶりでございます(ぺこり)』 ライ王子(オルオ)『夫婦そろって顔を全く見せないとは……アレか? 子作りにでも専念してんのか? (ウリウリ)』 タイ王子(ジャン)『はあ?! 何を馬鹿な事を言ってるんですか!』 ライ王子(オルオ)『隠すなよ〜夫婦で部屋で籠ってやる事なんてひとつだろう。ま、お前にはお似合いのお姫様なんだろ? どう
なんだ? 夜の方は』 タイ王子(ジャン)『下世話な話はやめて頂きたいのですが、兄上』 ライ王子(オルオ)『おっと、お節介が過ぎたか。まあたまには俺のパーティーにも顔を出せ。出ないとますます誤解されるぞ。ふふふ』 と、意味深に笑ってからかって退場するライ王子(オルオ)。 タイ王子(ジャン)は仕方なく、一度だけ、レナ(エレン)とパーティーに出席する事を決意する。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/894
895: 進撃の名無し [] 場転。王宮内。夜のパーティー。 レナ(エレン)『……どういう風の吹き回しですか? あんなに嫌がっていたのに』 タイ王子(ジャン)『聞かないでくれ。とにかく、今夜だけは出る事にしたんだ』 レナ(エレン)『? はあ……』 はてなが浮かんだままのレナ(エレン)。 そして次から次へやってくる来賓の挨拶。それをにこやかに答えて対応するレナ(エレン)。 タイ王子(ジャン)の方はそっぽを向いて遠巻きにしている。 来賓1(マーガレット)『お初にお目にかかります。私、一度、レナ様とタイ王子様とずっとお
会いしたかったのですわ。最近、なかなか顔をお見せ頂けなくて、とても残念でしたから余計に、今日という日を喜びに感じますわ』 レナ(エレン)『ありがとうございます。ずっと席を外していて申し訳なかったわ。いろいろ諸事情がありまして』 来賓1(マーガレット)『いえいえ、分かっていますのよ。新婚ですものね。みなまで、察しておりますわ。うふふふふ』 レナ(エレン)『?』 来賓1(マーガレット)『早く第一子の御子がお生まれになられると、きっと両国の陛下もお喜びになられると思いますわ。うふふ』 レナ(エレン)『え……っと…
…』 ここでようやく事情を察したレナ(エレン)。赤くなってタイ王子(ジャン)に視線を送って確認する。 タイ王子(ジャン)は微妙な顔をして頷いていた。 レナ(エレン)『そ、それは御神が決める事ですので……おほほほほ』 と、愛想笑いでかわして逃げるレナ(エレン)だった。 そんなレナ(エレン)を遠くから眺める召使い(エーレン)。 そこには明らかに思慕の念が混ざっていた。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/895
896: 進撃の名無し [] パーティー後。自宅の宮に帰還後。 レナ(エレン)『なるほど……二人して引き籠っていたから誤解されていたのですね』 タイ王子(ジャン)『ああ。今度からは面倒だけど、片方ずつ、交互に必ず出席しよう。兄上にいろいろ邪推されるのは面倒だ』 レナ(エレン)『そ、そうですか……』 レナ(エレン)『あの、でも…そういう事でしたら』 タイ王子(ジャン)『ん?』 レナ(エレン)『これからは、一緒に公式の場に出た方が良いのでは』 タイ王子(ジャン)『何で?』 レナ(エレン)『片方だけ社交場に出席すると不
仲説が蔓延しますし、それは両国にとってもプラスにはなりません』 タイ王子(ジャン)『そんなに体面が大事かな?』 レナ(エレン)『少なくとも、私にとっては両方引き籠って蔓延した噂の方がまだマシです』 タイ王子(ジャン)『……………そういうもんかな』 と、困った顔をするタイ王子(ジャン)。 タイ王子(ジャン)『自分にとっては正直、どうでもいいんだけどな。そういうのは』 レナ(エレン)『ならこのまま研究の為に再び引き籠りましょう。私はそちらの方が一挙両得ですわ』 タイ王子(ジャン)『うー……』 もっと困った顔をす
るタイ王子(ジャン)。 タイ王子(ジャン)『分かった。そこまで言うなら仕方がない。パーティーは苦手だが、なるべくレナに協力するようにするよ』 レナ(エレン)『ありがとうございます(ニコッ)』 タイ王子(ジャン)『…………ま、君にはいろいろ世話になったしね』 と、ブツブツ言い訳している。 レナ(エレン)『では今夜も遅いですし、休ませて頂きますわ』 タイ王子(ジャン)『ああ、お休み』 そして夫婦は別々の部屋で寝る。レナ(エレン)が自室に戻ったその時…… http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/13887356
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897: 進撃の名無し [] コンコン。 レナ(エレン)『? 何かしら』 レナ(エレン)『タイ様、何か忘れ物でも…』 しかしドアの前に居たのは、あの時の召使い(エーレン)。 レナ(エレン)『こんな夜分にどうしたの? 何かあったのですか?』 召使い(エーレン)『いえ、その……あの……』 レナ(エレン)『あの、そのじゃ分かりません。貴方の主人は? ライ王子のところの召使いよね、あなた』 召使い(エーレン)『………………』 レナ(エレン)『?』 召使い(エーレン)『お、』 レナ(エレン)『お?』 召使い(エーレン)『お慕
い申して、おります! レナ様。どうか、無理を承知でお願いしたい。この私を、貴方様の物にして頂けませんか!』 レナ(エレン)『え?』 召使い(エーレン)『この国の法律では、階級の下の者は、上の者同士の金銭のやりとりで所有権を移動させる事が出来るのです。どうか、私を……そちらの宮付きにさせて下さい』 レナ(エレン)『ちょっと待って頂戴。そんな大事な話を夜中にするものではありませんよ。それに貴方、一人でこんなところに来ては、もしそれが主人にバレたら、罰せられるのは貴方の方でしょう?』 召使い(エーレン)『レナ様で
あれば、きっと、ご内密にして下さると思い、ここに来ました。私も覚悟の上でございます』 レナ(エレン)『………参ったわね』 レナ(エレン)『そんな事は私の独断では決められません。この宮の主人はタイ様であり、私ではありません。貴方を買う権利を有するのは私にはないのですから』 召使い(エーレン)『では、タイ様にどうかお話を御通し下さい。それまでは宮の外で待たせて頂きます』 レナ(エレン)『旦那様はもう、お休みになられました。無理を言わないで下さい。どうか、お引き取りを』 召使い(エーレン)『……………』 レナ(エ
レン)『…………』 召使い(エーレン)『では、せめて』 召使い(エーレン)『そのご尊顔を拝見させて下さいませんか』 レナ(エレン)『は?』 召使い(エーレン)『レナ様の本当の御顔をどうか……』 レナ(エレン)『………………(はあ)』 レナ(エレン)『私の事情を知った上でおっしゃるのであれば、それは不敬罪として訴える事も出来るのですよ?』 召使い(エーレン)『…………』 レナ(エレン)『…………』 タイ王子(ジャン)『おい、一体何の騒ぎだ』 タイ王子(ジャン)が戻ってきてしまった。 召使い(エーレン)(ビクン
) タイ王子(ジャン)『君は……兄上のところの召使いだったな。何か火急の知らせか?』 召使い(エーレン)『…………』 タイ王子(ジャン)『また、アレか? 兄上の悪戯か? 全く。人の家の中をこそこそ嗅ぎ回らないで欲しいんだが…』 タイ王子(ジャン)『仕方がない。ほら、これで今夜のところは帰れ』 と言って、タイ王子(ジャン)は召使いに小銭を握らせて宮を追い出した。 レナ(エレン)『また? とは…』 タイ王子(ジャン)『ああ、たまに兄上が悪戯で、用もないのに自分の召使いをこっちの宮によこして、人の家の中を嗅ぎ回っ
たりするんだよ。やめろって前から何度も言ってるんだが……今の子は、前にも何度かうちの宮に来た事がある。面倒だがその度におっぱらうしかないな』 レナ(エレン)『…………』 タイ王子(ジャン)『びっくりさせてしまってすまない。レナも今度から、対応しなくていいからね』 レナ(エレン)『分かりました』 しかしレナには一抹の不安が残るのであった。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/897
898: 進撃の名無し [sage] 劇中劇パートが長くて申し訳ない。もうちょっとだけ続くが、 ここで一旦区切ります。続きはまた。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/898
899: 滅壊コメント [] 残り101回、応援してるぜ!最高のクライマックスを見せてくれ! http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/899
900: 滅壊 [] 900 後はお前がやれ! お前は天才だ。 決して荒らしてる訳じゃない。応援しただけだ。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/900
901: 進撃の名無し [] レナ(エレン)とタイ王子(ジャン)の仲は順調に良くなっていく。 割と頻繁にパーティーにも顔を出すようになり、下々の間ではレナ(エレン)の評判が良くなっていく。 他の姫様と違って気位も高くなく、優しくて思いやりのある王女だったからだ。 そして人々の間では、次第に、レナ(エレン)の仮面の下の火傷を治して差し上げたいという話が出てきたり、薬を王宮に届けようとする者まで現れる始末。 勿論、それに困ったのはレナ(エレン)自身だった。 タイ王子(ジャン)『受け取ったらダメだよ。キリがない』 レ
ナ(エレン)『わ、分かっております』 タイ王子(ジャン)『ところで………その、火傷の件、何だが』 レナ(エレン)(ギクリ) ああ、ここも。本当ならタイ王子(ジャン)が素顔を知らない設定で話が進む筈なのに。 既に知られている設定で、どう切り抜けるんだろう。 タイ王子(ジャン)『治したい気持ちがあるなら、名医を探す手配くらいは出来るよ。時間はかかるかもしれないし、完璧には治せないかもしれないが、レナ自身、ずっとこのままでいるのは辛くはないか?』 というのが本当の台本の流れである。 ジャンは一体、ここをどうやって
、切り抜けるんだろう。 タイ王子(ジャン)『………』 ああ、考え込んでいる。ジャン、頑張って……。 タイ王子(ジャン)『………………』 ああ、ダメだ。ジャンは長い間を置いている。 ジャンも気づいているのだ。この台詞をこのまま言う訳には行かない事を。 タイ王子(ジャン)『………………………………』 ジャン! 何かアクションを起こして! 出ないと劇が進まない! http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/901
902: 進撃の名無し [] その時、ジャンの「あーうー」という態度に、エレンが、 レナ(エレン)『私の事は気になさらずに』 タイ王子(ジャン)『!』 レナ(エレン)『どうか、お願い致します(深々と頭を下げる)』 タイ王子(ジャン)『……………分かった』 うわあ。大幅カットになってしまった。 ジャンの台詞を1個飛ばして、尚且つエレンの台詞まで短くなった。 本当なら、『私にかけるお金があるなら、研究費に回してほしい』という旨の台詞も入るのだが、そこも全面カットする事にしたようだ。 ペトラ『う、うまい……エレン、これで
何とか、タイ王子に素顔の事を触れさせない空気を作ったわ(小声)』 オルオ『ああ、ツッコミたくても突っ込めない空気を作っちまった。タイ王子は、何となく事情を察した風になってるぞ(小声)』 減点対象にはなるだろうが、とにかく劇の大筋を狂わせない方向にはなったようだ。 タイ王子(ジャン)『レナがそういうのなら、そうしよう』 タイ王子(ジャン)『ではせめて、他の事で何か、欲しい物とか、ないか?』 レナ(エレン)『欲しい物ですか?』 タイ王子(ジャン)『ああ、出来るだけ手配させよう。可能な限り』 レナ(エレン)『では
……新しい六角レンチを用意下さいませ。5ミリ以下の小さいサイズがないのは不便でしたし』 タイ王子(ジャン)『ああ…そうだな。ついでにレナ用の工具も一式揃えないといけないな』 タイ王子(ジャン)『では早急に手配しておこう(タタタ…)』 タイ王子(ジャン)が先にはける。 レナ(エレン)が舞台に残って、しばし俯いている。 そしてタイ王子(ジャン)を追いかけて、二人は舞台袖にはけた。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/902
903: 進撃の名無し [] ジャン「もうどうすんだよこの先……(小声)」 エレン「し、仕方ねえだろ! このままいくしか…! (小声)」 ペトラ「うん、今のは良かったわよ。エレン、でかしたわ(小声)」 オルオ「だがペトラ。話の筋が少しずつズレている以上、減点対象は免れねえ。ここから先は、台本無視でもいいから、とにかくエレンのアクションに任せる方向にしないか? (小声)」 ペトラ「そうね。もうこうなったら腹括るしかないわ。エレン、貴方がこの舞台を指揮して。皆を導いて(小声)」 エレン「……すんません、オレのせいで」
ペトラ「ううん。私が甘く見てたのが悪いのよ。最後の方で素顔を見せるシーンを優先するあまり、エレンの素顔に特殊メイク入れなかったんだもの」 万が一の事を考えて、やはり特殊メイク(火傷入り)を実際に入れて仮面をかぶるべきだったのだ。 もしそうしていれば、先程の仮面が外れたシーンも辻褄を合わせられたのに。 メイクを外す時間が間に合わないかもしれない事を考えて、火傷の細工のシーンは、あくまでそういう『設定』という風の演出にしたのがここにきて悪い方向に転がってしまったのだ。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/com
ic/6689/1388735631/903
904: 進撃の名無し [] 役者さんは舞台に上がる際に『ドウラン』という油の濃いメイクを入れる。 それは照明の熱から顔を守る為であり、またそれによって、いろんな役どころを演じる事が出来る。 エレンも仮面の下には女性の顔を作っていた。 エレンの素顔は直接的には観客には見せないが、鏡越しに一瞬だけジャンがエレンの素顔を見るシーンを入れていたので、その関係で最初から素顔の上に仮面をかぶっていたのだ。 お客さんの席の角度によってはエレンの素顔が見える可能性もあるし、真実がバレるシーンで、その設定を無視したらそれこそ劇が進
まない。 故に素顔を優先した。これはリヴァイ先生が言った『裏方の動きを省略する』過程で行った物である。 リヴァイ先生の提案が、悪い方向に転がった、とも言えるのだが…。 今更そんな事を言ってもどうしようもない。 今、舞台で私達の公演を見て肝を冷やしているのはリヴァイ先生自身だろう。 でも、先生の失敗だとしても、それを受け入れて行ったのは私達、生徒。 修正する事が出来るのも生徒の私達だ。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/904
905: 進撃の名無し [sage] すみません。出来ればキリのいいところまで書きたいけど、 明日は予定有るんで、夜更かしできない。時間ない。 演劇大会編を出来れば1000レス以内に収めたいとは思いますが、 途中でコメント入っちゃうと、レスが(絶対)足りなくなるので、 ここから先はどうか、気持ちを押さえてレスをお控え下さい。ご協力お願い致します。 あ、ちなみに1000超えても、次スレ立てて続きは書きます。 2はある。予告しておきます。 ………もし収まらなかったら、2で続けるけど、 すっごくキリが悪くなると思う。まあ、そ
ん時はその時で。ではまた。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/905
906: 進撃の名無し [] エレン「………」 エレンは何か考え込んでいる。そしてふと、私の方を見た。 エレン「……ミカサ(小声)」 ミカサ「何? (小声)」 エレン「お前ならどうする? (小声)」 ミカサ「私? (小声)」 エレン「もし、自分の好きな人……愛する人に隠し事がバレてしまったら、それをずっと誤魔化し続けるか?」 私は、即座に首を左右に振った。 ミカサ「いいえ。嘘を突き通せる程、私は器用ではない……ので(小声)」 エレン「………だよな(小声)」 エレンの顔が、何故か確信を得たように笑った。 私の言葉で何
かいい案を思いついたようだ。 エレン「ペトラ先輩、この後のシーン、少しアレンジを入れさせて下さい(小声)」 と、前もって言ってエレンは自分の案を説明し始めた。 レナ(エレン)がお風呂に入って脱衣所を上がって、鏡の前で着替えている。 そこにタイ王子(ジャン)が偶然やってくる。その時、タイ王子(ジャン)は鏡越しにレナ(エレン)の火傷のない素顔を初めて目にする。 その気配に気づいて慌てて仮面を被りなおす、というのが、当初の予定のシーンだったが、実際の劇中では既にその件はバレてしまっているので、そこに話の辻褄を
合わせて演技も変えていくしかない。 エレンはどう、ここを変えていくのか。ぶっつけ本番でやるしかないが…。 レナ(エレン)『あっ………』 ここの驚き方が、少し弱くなっていた。台本では『あっ……!』である。 レナ(エレン)『タイ……様』 ここも、『タイ……様?!』と大げさに困惑するのが本来の演技。 でもエレンは平然としている。 同じセリフでニュアンスが大幅に変わっていた。 そして何より、本来ならここで仮面を被りなおすのに、エレンはそのまま続行した。 顔を隠さないでいるのだ。つまり、観客にはエレンの顔が丸見えであ
る。 観客は少しざわめいている。エレンの顔を凝視しているのだ。 この変更が意味するのは、恐らく重要な何か。 タイ王子(ジャン)『……顔……火傷……してない』 ここも本来なら『……顔……火傷……してない?』と驚くところだ。 でもジャンもニュアンスを変えている。そうか。 レナ(エレン)の素顔を見るのは2回目だから「やっぱり、そうだったのか」という確信を持つシーンに変えたのか。 レナ(エレン)『…………』 タイ王子(ジャン)『あの時は、嘘をついていたのか』 ここも本来なら『あの時は、嘘をついていたのか?』という疑
問を浮かべる。 そこも確認する意味での、自分に対する説明的な台詞に変更になった。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/906
907: 進撃の名無し [] レナ(エレン)『………はい』 タイ王子(ジャン)『……もしかして、兄上に見初められるのが嫌で……か?』 ここはそのまま。 レナ(エレン)『はい。加えて言うなら、カプリコーン国との婚儀そのものを壊すつもりでした』 タイ王子(ジャン)『……すまなかったね。そうとは知らず、自分が代わりに君を貰ってしまった』 レナ(エレン)『いいえ。それは…』 タイ王子(ジャン)『よほど、結婚が嫌だったのだろう? 今からでも遅くはない。君が望むのであれば、今の関係も解消して……』 レナ(エレン)『それは嫌です
! (食い気味に)』 タイ王子(ジャン)『!』 レナ(エレン)『その……離縁になれば両国の関係が悪化しかねないですし、その…今更そんな事をする意味が…』 タイ王子(ジャン)『しかし自身の気持ちを犠牲にするのは意味がない。君自身に無理強いをさせているのだとしたら…』 レナ(エレン)『無理はしておりません! (再び食い気味に)』 タイ王子(ジャン)『? そ、そうか…では、今まで通り、私の妻でいると、いうのか』 レナ(エレン)『……はい』 この時、エレンは赤面して、下を俯いた。 か、可愛い。やばい。何、あの生き物
。と、女の私がそう思ってしまった。 タイ王子(ジャン)『分かった。しかし、君が本当は火傷を負ってなかった事が、もし兄上にバレたら……………面倒だ。その仮面は今まで通りつけ続けてくれるか?』 レナ(エレン)『それは、勿論です(こくり)』 タイ王子(ジャン)『………二人きりの時は、外していても構わないが』 レナ(エレン)『え?』 タイ王子(ジャン)『あ、いや、何でもない! そこは君の自由にしていてくれ!』 と言って、先に舞台をはけるタイ王子(ジャン)。 レナ(エレン)は照れくさそうに仮面をつけなおす。そして追い
かけるようにはける。 レナ(エレン)の素顔を前面に観客側に押し出す、という大幅なアレンジを加えた事以外は、ほぼ台本通りに進んだ。 ここから先はもう、今までの台本通りに進める事が可能だ。 山場を乗り越えて、エレンが袖でふーっと息をついた。 ペトラ「エレン! 良くやった! 今のシーンのおかげで流れを修正出来たわ! (小声)』 オルオ「ああ。ここから先は台本通りでいける。もう心配いらないな(小声)』 エレン「……まあ、演じてるのが男だって全面的にバレたでしょうけどね(小声)」 ペトラ「そこはもう、いいわよ。問題は
そこじゃないもの(小声)」 オルオ「ああ。問題は男だろうが女だろうが、レナを「美少女」として観客が認めたかどうかだ(小声)」 そうなのだ。エレンが仮面をつけていた理由はもうひとつある。 レナを美少女設定にしてしまった以上、演じる人間がある程度「美少女」でないといけない点だ。 もし美少女ではない人間が美少女役を演じたらどうなるか。 大抵の観客は「あの程度で美少女? ぷっ!」と、言って嘲笑するだろう。 そうなると劇の印象が悪くなってしまう。例えどんなに演技力があっても、顔のインパクトでマイナスになってしまうのだ
。 加えて言えば、例えどんなに美少女でも、100人中100人が美少女と認めるような少女はごく稀にしかいない。 なので劇中は観客側がそれぞれ思う、理想の美少女をレナの仮面の下に想像させる方が良いと思ったのだ。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/907
908: 進撃の名無し [] エレンの顔は、私から見たら十分美少女だと思う。 でも、難癖をつける人間は必ずいる。「ブスに美少女役をさせるな」という中傷だってくるかもしれない。 そのリスクを背負っても、エレンは話の筋を修正する方を選んだのだ。 そしてお話は進み、召使い(エーレン)が遂にレナ(エレン)の秘密を知り、それを主人であるライ王子(オルオ)に進言する。 ライ王子(オルオ)はレナ(エレン)の秘密を知れば、自分の妃に迎え入れようとするだろう、と。そう考えて。 案の定、ライ王子(オルオ)は真実を知ってブチ切れる。 ラ
イ王子(オルオ)『なに?! それは真か? あのレナが、本当は火傷など負っていないと?』 召使い(エーレン)『はい、確かに。この耳で聞き、目で確認しました。あの仮面は、偽りでございます』 ライ王子(オルオ)『という事は何か? タイの奴は、その、美少女を自分の嫁にしているのか?!』 召使い(エーレン)『はい、毎日仲睦まじく、過ごされておられます』 ライ王子(オルオ)『うぬぬ……許せん! タイのくせに生意気だ! 弟の身分でこの俺の嫁より美女を嫁にするとは……』 悪い顔をする、ライ王子(オルオ)。 ライ王子(オルオ
)『では、その真偽をこの目で確かめたい。タイの奴に気づかれないように、レナを連れてまいれ!』 召使い(エーレン)『御意』 レナ(エレン)が攫われて、冷静でいられないタイ王子(ジャン)は正面突破では恐らく門前払いを食らうと思い、別の手段でレナ(エレン)を奪還する事を決意する。 そう、開発を進めていた「立体機動装置」を真夜中に使用する事にしたのだ。 技術屋(アーロン)『正気ですか?! 昼間ならまだしも、夜中にこいつを使うなんて自殺行為ですぜ?!』 タイ王子(ジャン)『………(無視)』 カチャカチャカチャ…
… 技術屋(アーロン)『本気、なんですね』 タイ王子(ジャン)『ああ、今回はばかりは兄上もやり過ぎた』 タイ王子(ジャン)『もうここには戻らない。今までありがとうな』 技術屋(アーロン)『分かりました。では……ご武運を!』 タイ王子(ジャン)が夜の王宮を飛び回り(ここはスクリーンで表現)、ライ王子(オルオ)の宮まで単身潜入する。 ライ王子(オルオ)とタイ王子(ジャン)の真夜中の決闘が始まった。 フェンシングに近い動きをどこかに入れたいと話していた件はここに入れられる事になった。 数分に渡る戦いの末、タイ王子
(ジャン)が見事に勝って見せる。 ライ王子(オルオ)『な…お前、引き籠ってばかりいたくせに、どこにそんな力が!』 剣術で負けたライ王子(オルオ)はショックで青ざめる。 タイ王子(ジャン)『………それを教える義理はない』 タイ王子(ジャン)『レナは私の妻だ。例え兄上であろうと、譲る気はない。レナを返して頂きたい!』 レナ(エレン)『!』 タイ王子(ジャン)『レナ、大丈夫か。何もされなかったか』 レナ(エレン)『はい。何もされておりません』 タイ王子(ジャン)『良かった。本当に……』 タイ王子(ジャン)がレナ(
エレン)を確保して背景セットの方に向かう。 ライ王子(オルオ)『待て! タイ、そこの窓から降りるつもりか?! ここは7階だぞ! 落ちたら死ぬぞ?!』 タイ王子(ジャン)『自分の事は死んだ事にして下さい。さようなら……兄上』 レナ(エレン)『あ……あー?!』 二人で窓の外に飛び降りる(背景セットの裏側に移動するだけ)事で脱出する。 しかし立体機動装置のおかげで、二人は無事に地面に着陸する。という事にする。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/908
909: 進撃の名無し [] レナ(エレン)『こ、怖かった……(ドキドキ)』 タイ王子(ジャン)『ごめん。まだ立体機動装置を使い慣れてなくてね』 レナ(エレン)『いいえ、大丈夫です……(フラフラ)』 タイ王子(ジャン)から離れて立とうとするものの、腰が抜けているレナ(エレン)。 タイ王子(ジャン)『! …………』 ここで、タイ王子(ジャン)の姫様抱っこのシーンだ。 腰の抜けたお姫様を抱えて、背景セットを通って舞台袖にはける。 お姫様抱っこをした瞬間、観客が「きゃああ」と歓声をあげた。 やっぱりここはお姫様抱っこで正
解だったようだ。 レナ(エレン)『た、タイ様……』 タイ王子(ジャン)『ん?』 レナ(エレン)『その、どちらに行かれるんですか? その……そっちはタイ様の宮の方向では……』 タイ王子(ジャン)『うん。まだ決めてない。何処へ行くかは』 レナ(エレン)『え?』 タイ王子(ジャン)『レナの行きたい場所でいい。王宮以外の場所なら何処でも。こいつがあれば、どこへだって行けるよ』 と、言ったのは腰にぶらさげた立体機動装置。 この辺りからBGMが変わる。 流れるのは、ライク・アンド・シェルの『自由への招待』だ。 タイ王子
(ジャン)『………………』 タイ王子(ジャン)『……………………』 長い、長い間が入る。早く言ってー! ヘタレ王子! タイ王子(ジャン)『い、一緒に………』 レナ(エレン)『はい!』 タイ王子(ジャン)、がくっと、する。 まだ言ってないのに。食い気味でOKを貰ってしまったのだ。 その瞬間、湧き上がる、小さな笑い。 照れくさそうに笑う、タイ王子(ジャン)。 二人が完全にはけてから、音声だけが響く。 タイ王子(ジャン)『早いところ、二台目の立体機動装置、作らないとな…』 タイ王子(ジャン)『レナ、ちょっと重いし
……』 バシッ! 叩かれる音。 タイ王子(ジャン)『…………ごめん』 …………………………。 お、終わった。 終わったああああああああああ! ライク・アンド・シェルの『自由への招待』がいい感じの余韻を残してエンドロールだ。 幕が徐々に降りていく。終わった。とにかく終わったのだ。 ハプニングを切り抜けて、何とか終わった。 幕が完全に降りた直後、エレンとジャンが同時にぶっ倒れてしまった。 それを慌ててペトラ先輩とオルオ先輩が抱えて撤収する。 オルオ「急いではけるぞー!」 一同「「「「おー!」」」」 私達は、風の
ように舞台を撤収したのだった。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/909
910: 進撃の名無し [] 控室に戻ってわいわい言いながら、メイクや衣装を外して制服姿に戻る。 大道具の私達は次の学校の手伝いがあるのでまだ仕事が残っているが、役者達はここで自分の役目は終わったようなものだ。後はそれぞれの係に戻るだけである。 エレン「あーしんどかった。まじで心臓止まるかと思った……」 ジャン「同感だ……仮面外れた時、やばかったな……」 マーガレット「にしても変ですね。仮面の留め具、入念にチェックしてたのに」 スカーレット「………留め具じゃなくて、紐の方がなんか怪しい」 マーガレット「
え?」 スカーレット「まさかと思うけど……誰かに悪戯されたのかな」 ペトラ「えええ? 嘘?! 誰に?!」 マーガレット「考えられるのは他校の生徒じゃないですか? うは! まるで硝子の仮面みたいな展開ですね〜」 ペトラ「笑ってる場合じゃないわよ! もしそうだとしたら許せん! 犯人捜しちゃる!」 オルオ「やってる場合か! もう、舞台で仮面が外れるのを見せちまった以上、もし勝ち上がったとしても、この流れのまま行くしかねえぞ」 ペトラ「うっ……そうね。アレはアレで確かにいい演出にはなったけど」 ペトラ「にしても、ご
めんね。エレン……結局、顔出ししちゃった」 エレン「あーもう、しょうがないっすよ。ま、美少女設定に説得力がなくなったとしても、そこはそこで」 ミカサ「そんな事はない。エレンは美少女だった」 マーガレット「そうよ! エレンは綺麗だった。だからきっと大丈夫よ」 ジャン「これが本当に女だったら、まあ、オレも放ってはおかなかったかもな」 ………………。 その発言後、マーガレット先輩の目が光った。怖い。 マーガレット「やだ、ジャン。ちょっと目覚め始めてる? もしかして、そうなの?」 ジャン「ちょっと……その目やめて下
さい! あくまで「女」だったらって話ですからね?!」 マーガレット「隠さなくてもいいのにーうりうり♪ 先輩、そういう話が大好物なのよ?」 エレン「………(冷たい目)」 ジャン「エレンもそんな目で見るな! 悪かったよ! 今のは無しだ!」 と、控室でわいわいおしゃべりしながら(でも手は休めない)ドウランを落としたり、掃除をしたりする。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/910
911: 進撃の名無し [] そんなこんなで私達の出番は終わり、大道具の私は他校の公演を手伝った。 全ての公演が終わり、結果発表までしばし時間が空いた。 その間、舞台裏の後片付けをしていたら、大道具の先輩と思われる他校の生徒に声をかけられた。 大道具3年「ねえねえ、君、講談の1年だよね」 ミカサ「…………(無視)」 作業中だ。無駄話をしている場合ではない。 大道具3年「もう公演は終わったんだし、そう急いで片付けなくてもいいだろ? 後で、メルアド……」 リヴァイ「おい、そこの3年」 大道具3年「は、はい!」 リヴァイ
「さっさと終わらせろ。場見の外し忘れをするなよ」 大道具3年「は、はいー(くそー)」 よしよし。遠足も帰るまでが遠足である。後片付けもちゃんとしないといけない。 そんな中、私の耳にある噂話が入ってくる。 観客女子1「ねえねえ、集英の演劇ってさ。どっかで似たような話、見た事ない?」 幕は下ろしたままでも、観客の声がこっちまで聞こえる事はある。 恐らく前列のお客さんが話しているのだろう。 観客女子2「入れ替わりネタだからじゃない? よくあるじゃん。その手の話」 観客女子1「いや、そういう次元の話じゃなくて……あ
あもう、はっきりと思い出せないんだよね」 観客女子2「でも集英って「創作脚本」でしょ「既存脚本」の方じゃないから、ちゃんと誰かがオリジナルで書いてるんじゃないの?」 観客女子1「うーん、でも、どっかで見覚えあるんだよねー。どこでだったかなー?」 観客女子2「え? それってまさか、既存の脚本をパクッて創作って言い張ってるかもしれないってこと?」 観客女子1「え? あー……もしそうなら、やばくないかな? バレたら失格になるんじゃないの?」 観客女子2「ええ?! 集英に限ってそれはないでしょ……多分」 観客女子1
「そ、そうだよね。私の勘違いかな? あはは」 今の話の半分くらいしか理解出来なかった私は、特に気にも留めずに手を進めていたが、マーガレット先輩の目の色が変わった。 マーガレット「…………」 ミカサ「先輩?」 マーガレット「確かに、私も見覚えがある。あれと似たような話をどこかで……」 マーガレット「!」 マーガレット「ミカサ、ごめん! 後、お願い!」 ミカサ「え?」 マーガレット先輩が仕事を放棄して駆け出してしまった。 リヴァイ「おい、チーフ! どこに行く気だ!」 マーガレット「クソしてきます!」 リヴァイ「
ならよし!」 ならいいんだ。ちょっとびっくりした。それもそうか。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1388735631/911
912: 進撃の名無し [] にしても、一体どうしたんだろう。何かあったのだろうか。 スカーレット「………いや、まさか。でもねえ」 ミカサ「スカーレット先輩、どうしたんですか?」 スカーレット「いやね。集英が既存の話をパクッて創作だと言い張ってるかもって話。幕の外で話してた子、いたじゃない?」 ミカサ「その、既存と創作の違いって何ですか?」 スカーレット「ああ、劇はね、既存の話。つまり既に世の中に発表されている作品を舞台化するパターンと脚本を自分で書く場合と二種類の舞台があるの。私達がやったのは「創作脚本」の方ね。
今は創作脚本の方が多いのかな? 既存のやつだと、舞台化する時に、著作権料を支払う場合もあるのよ」 ミカサ「タダで舞台化してはいけない…という事ですか?」 スカーレット「そう。だからもし万が一、世に出ているお話を勝手にパクッて、舞台化したら、それは著作権の違反になるのね。だから、その辺の審査は厳しいはずだけど…集英高校、限りなくクロに近いシロ、なのかもしれないわ」 ミカサ「そ、それは卑怯なのでは……」 スカーレット「ええ、卑怯よ。でも、審査員が気づかなかった場合はシロよ。その確認に行ったんじゃないかな? マー
ガレットの家には、週刊少年ジャンプーのバックナンバーが1年分、山積みされてるし」 ミカサ「1年分?!」 それはすごい量だ。でも、そんなのを今から確認して間に合うのか? スカーレット「大丈夫。うちらには、OBとOGという、強い味方がいるから。今頃応援を頼んでいるはずよ」 何だかとんでもない事になってきたような気がする。 そしてマーガレット先輩が汗だくで帰ってきた。そしてぐっとサイン。 マーガレット「イザベル先輩達に連絡とってきた。うちの家に寄って貰って、怪しい号をこっちに持って来てくれるって。役者組の方に確認
作業任せてみる。もし黒だったら、絶対訴えてやる!」 ミカサ「ほ、本当にパクってるんですか?」 マーガレット「話の大筋はかなり。設定も似てる。審査員の人達は年配の方が多いから、気づかないとでも思ったのかしら。うふふふ……オタクなめんなよ」 と、マーガレット先輩の顔が怖い。 そして後片付けを済ませて控室に戻ると、エレンとジャンが「確かに似てるかも?」と頷いた。 エレン「あーそう言われれば、この漫画の金魂の話に似てるかもな。でも、設定そのものはかなり弄ってなかったか?」 ジャン「微妙なラインだなー…パクリと言われ
ればパクリにも見えるが、違うと言い張られたら、認めざる負えないような…」 マーガレット「でも台詞の独特の言い回しとか、似てなかった? 絶対これ怪しいよ!」 ガーネット「そうねえ……でも一番の違いは「あまんと」が出てこなかった点じゃない?」 スカーレット「そうね。SF要素は全部カットされていた。というか、ノリには金魂の同人みたいな?」 ガーネット「オマージュですって言い張られたら、こっちはどうにもならないわよ」 マーガレット「うぐっ……」 マーガレットが非常に悔しそうだ。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.c
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