SSスレ(エログロ) (727レス)
1-

42: ◆aP0ZjXi03Y 2005/12/16(金)21:35 ID:9g3ToJno(6/7) AAS
 息が荒い。吸うと吐くの順番が乱れて喉が詰まる。
「あうっ、あっ、はうっ、くっ、ぅん」
 無茶な無酸素運動で脳に酸素が足りず、びくびくと体をひきつらせるように失神した。
 酷使した足の痙攣はやがて治まり、汗を流して苦悶する顔は安らぎ、静かな、苦痛を忘れた少女の顔になった。
 水棲超虫は目標を喪失しても七秒は次の行動に移らない。
 状況の認識に二秒、発現していた能力の停止に最低五秒。
 巨体は振り向かず、尾部の分岐体投射器官を水面から出して展開する。
 分離前の噴進トンボの頭部が露出し、複眼に、去って行く少女の姿を映している。
 二回の光弾攻撃から逃れた相手に、これまで最大数の十六体の噴進トンボを分離した。
 急加速で飛翔する十六体の噴進トンボは、途中で転び草に隠れて動かなくなったしいなに気づかない。
 大幅に飛び越えてから減速し、しいなの走行が継続していた前提の到達予想場所周辺から、索敵を開始した。
 一定距離を飛んでも目標を見つけられず、索敵しながら今来た軌道を逆行し、攻撃準備を終えた本体のもとへ戻って来た。
 それらは本体の咆哮により再度の索敵に散って。より高空から広い範囲を見下ろし、動体を探す。
 再度、送り出されたものの、噴進トンボは迎撃もされずに全個体が戻って、水棲超虫は目標を完全に見失った。
 巨体は鳴き声で分岐体の行動を制御し、自らの周囲に等間隔で並ばせ、最後にある音程を乗せた咆哮を鳴らした。
 それを合図に、しいなの姿形、匂い、鳴き声などの情報をもつ噴進トンボの群は四方八方に飛び去り、二度と戻ることはなかった。
 水棲超虫は再び息継ぎしてから、節々を伸縮させて陸に這い登る。
 しいなが銃を持って抵抗していた地点に来て、頭部中央のくち周辺から、コイル状に収納されていた触手を伸ばした。
 粘液に濡れる触手が数本、伸縮を繰り返して、地上に転がる遺留品を器用に拾い上げていく。
 赤い血に濡れた小石が触手に張りついて、薬莢もいくつか交ざり、ひとそろいの靴も引き上げられた。
 それらを体内に回収すると水棲超虫は河川に戻り、巡回を再開した。
1-
あと 685 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.008s