SSスレ(エログロ) (727レス)
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45: 流血衛星 ◆aP0ZjXi03Y [sage] 「ひっ、はひっ、ここが、衛星だったんだ。超虫は有機溶媒の海に生まれた生物で、だから、地球生まれのおれを殺したがっていたんだ」 遠い遠い所へ来たのだと、腹の底から凍えるような虚無感が、寄る辺をなくしたしいなをさいなむ。 引きつる声で笑う少女から力が抜けた。その場に尻からへたり込み、夜空を見る目がどんどん潤んで、ついには涙をぽろぽろこぼす。 顔をくしゃくしゃにして号泣し、天など見たくないと伏せた目が小銃を見つけた。 泣き腫らした顔が激情に歪み、すばやく小銃をひろい上げ、コッキングレバーに手をかける。 排莢口はすでに開いて、空の薬室と弾倉を覗かせていた。 じょじょにしゃくりあげの発作が治まり、少女は深く息を吸って呼吸を落ち着け、思い出したように鼻をすすった。 再び天を見上げた目が力強く木星型惑星をにらみつける。への字に結んだくちからつぶやいた。 「これで撃っても死ねないか」 ひとつの運試しが、しいなに生きる道を選択させた。 やわらかい草の上に腰を下ろし、濡れたほほに涼しい風を感じながら、耳をすまして周囲を探る。 しいなを苦しめた噴進トンボの飛行音は聞こえない。静かな夜だ。 「水棲超虫は光学系の感覚器官が発達しているようだった。暗い夜はあまり活動できないのかも」 しかし、初めて噴進トンボと遭遇した時には、昼間であっても本体である水棲超虫からの光球攻撃は撃たれなかった。 「視界にいない相手には攻撃できないんだ。噴進トンボの進出限界もあるだろうし、やつらが移動できないほど川が細くなる山岳地帯へ行くのは、悪い考えじゃない」 人心地つき、服のそでで涙をぬぐおうとして、自分が素っ裸にベルト一本巻いただけの格好だと思い出した。 明るい惑星光に照らされた体は、水棲超虫の光球攻撃が降らせた灰にまみれて、地肌の白に黒灰色のまだら模様になっている。 「都市迷彩のボディーペイントとか言い訳できるかな? 顔に塗るドーランとか、自衛隊は化粧品メーカーの御得意様だから」 自分の思いつきに、しいなは、くっくっ、と目を細めて笑う。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1084291336/45
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