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104: 龍神様の中の人◆NdgHDvOgik 2012/11/30(金)12:36 ID:n8RJjnbg0(2/5) AAS
ロイター通信社横浜支局は横浜港に停泊している貨客船ヘクターに置かれていた。
もちろん、この船が仮装巡洋艦でロイターの皮をかぶった英国情報局の出先機関というのは、帝国内外の情報関係者には知られているのだが。
そんな場所にふらふらと遊びに来た馬鹿竜とその飼い主と従者に一人の男。
まぁ、馬鹿竜と従者とその飼い主ははったり要員なのだが。
「久しいの。
遊びに来たぞ」
「ご無沙汰しております。撫子様に真田様にメイヴ様。
こちらの方は?」
もちろん、英国情報部にいる身から彼の正体は知っているのだが、知らないフリをするのが英国紳士のたしなみである。
とうぜん、それを分かっているけどあくまで向こうが知らないという振りのまま自己紹介をするのもまた、英国を師に持つ海軍軍人のたしなみといえよう。
「はじめまして。
バンコク商会、いや、もうすぐ北崎通商に名を変えるのでした。
そちらに出向しております大井篤と申します」
差し出された手を握りながら、英国紳士も偽りの身分を名乗る。
「ロイター通信社の特派員イアン・フレミングと申します。
表向きは」
最後の一言が出るあたりは一応信頼しているというサインなのだが、それが丸見えの某馬鹿竜様はそれゆえにその機微がわからない。
なんでも見えるとかえってわからなくなるいい例だろう。
「こんな所にいらっしゃるなんて、何用で?」
ヴィクトリアンメイドに茶菓子を用意させながらフレミングが尋ねる。
もちろん、お茶の時間に強襲を提案したのは茶菓子狙いの馬鹿竜様に他ならない。
「何、知人と茶を飲み、茶菓子を前に話を咲かそうと思ってな。
もしかして邪魔だったか?」
優雅にティーカップを持ってフレミングを見つめる撫子はその瞬間のみまるで女王のごとし。
茶菓子を食べだしたら暴落するのがとてももったいない。
「いえいえ。
撫子様でしたらいつでも大歓迎ですよ」
とは言いつつ、東京竜会議の開催に向けて現在各国諜報機関は阿鼻叫喚の真っ最中だったりする。
欧州大戦真っ只中という事もあって東京に情報関係者を送り込む事自体が結構難しく、国内監視について反体制者から蛇蝎のことく嫌われている特高や対外カウンターパートになった神祇院のお膝元で活動するのは難しい事この上ない。
まあ、その神祇院の大物である馬鹿竜様の従者が目の前にいる以上何を言っても無駄というもの。
なお、フレミングが今日ここにいる事を漏らした覚えはない。
情報世界のささやかなご挨拶というやつである。
「何、この大井とやらが賭け事をするらしく、その賭け金を払いにきたそうな。
わらわ達は大井に賭けているので、ちと協力しようと思ってな」
龍神様のお言葉によって、今回の要件がバンコク商会における帝国艦船のレンタルについての事だとあたりをつけたフレミング。
海軍艦船が海上保安隊に移行するとはいえタイ国籍の艦船は多く、その海上護衛エリアはインド洋全域に広がっている。
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