ＳＳスレ（萌え）8

ＳＳスレ（萌え）8 (188ﾚｽ)
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28: 竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik []

「詳しい話は町に戻ってからだ。
　とりあえず荷物を運ぶぞ」

それぞれの兵士が持っている筒みたいなものに彼らでも分かる鉈や斧や鎌、更に何だかよく分からない荷物達が砂浜におろされ、牛はこれが理由だったかと冒険者達は納得する。
　小隊規模に派遣人員が膨れ上がった結果、その物資をどう運ぶかで辰馬がベルと共にナブレスの町を東奔西走しただから。
　常に需要がある荷馬など急に手に入る訳も無く、大陸経験者の辰馬が目をつけたのは近くの牧場に飼われていた牛だった。
　牛は速度は遅いが、輸送能力は高いのだ。
　人間以上の体力がある獣耳族のメイド達といえども、この物資量を全て持てる訳ではない。
　最悪、見張りを置いてここに荷物を残す事も考えていたリール達にとって、この牛は天の助けだった。

「明日もう一回あれが来て、同じ人数と荷物を回収する手はずになっている。
　冒険者の諸君。
　よろしく頼む」

兵やメイド達と一緒に馬車や牛の背に荷物を乗せる冒険者達傍らで辰馬はベルとリールとアンナとナタリーを呼び寄せる。
　実質的な小隊司令部の打ち合わせが始まった。

「屋敷を買い取ってベルが綺麗にしている。
　そこを拠点に、リールが屋敷を差配してくれ」

黙って頷くリールを見た辰馬は今度はベルに視線を向ける。

「それと、盗賊の砦までの情報が欲しい。
　ベル。
　使える人間を連れて偵察を頼む」

「あっちの冒険者は？」

ベルの質問に辰馬が少し迷うが、辰馬はあっさりと言い切った。

「使えるなら使ってくれ。
　ベルは向こうの奴に一杯食わされる……とは思ってないから、その不機嫌そうな顔は止めろ」

なだめる辰馬に今度はメイド姿のアンナが声をかける。
　
「神堂大尉。
　私達の来た帰りの飛行艇から航空写真を取るように依頼しておきました。
　次の飛行艇にはそれをお持ちできるかと」

その報告が終わると今度はナタリーが報告する。

「海軍はこちらの訓練および盗賊の討伐に協力を約束すると。
　拠点構築後に万一に備えて、大淀に連絡を入れておかれた方がよろしいかと」

「分かった。
　そっちの方はナタリーに任せる」

こうして、ナブレス近郊の盗賊退治は無事に進むかのように見えた。
　後にナブレスの悪夢と呼ばれる凄惨な宴が開かれる事など知らずに。

帝国の竜神様　バイオハザードなネタ話　06

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