アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますたNo.14 (1000レス)
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610: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:25 ID:263ZQ54w0(21/225) AAS
唐突に脳内に通信が入ってきた。
そこで、レイリーは意識を取り戻した。
「……ふぅ」
彼は、額の汗をぬぐいつつ、頭の中に入る通信文を黙読しつつ、その内容を用意した紙に一字一句漏らさずに書き写していく。
やがて、魔法通信の内容全てを書き終えた。
「……第1次攻撃隊、指定地点に到達しつつあり。膜の展開をされたし、か……」
レイリーは、目の前のテーブルに置いた水晶球に視線を送る。
水晶は、元々は薄い水色をした美しい球体であった。
それが、今では赤紫色に染まっている。
省10
611: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:25 ID:263ZQ54w0(22/225) AAS
「光が……!」
部屋の外からレイリーの術式起動の成功を祈っていた、サミリャ・クサンドゥス中尉は、それを見て思わず驚きの声を漏らす。
「遂に始まったか。果たして……」
隣で見守っていたハヴィス・クシンクもまた、心中でレイリーの魔法式起動を祈っている。
第3艦隊が奇襲を成功させるには、都市部周辺とシギアル港周辺の魔法通信をすべて遮断させる必要がある。
そのため、レイリーは大規模な魔法通信妨害魔法を展開して、敵の目と耳を奪おうとしていた。
だが、準備段階で手違いがあったのか、術式は魔力不足で作動しそうになかった。
レイリーは水晶の魔力を高めるために、自らの血を水晶に塗りたくってようやく、魔法の起動が可能にしたと彼らに伝えていた。
この時、クシンクは妨害魔法の起動が失敗するのでは?という不安を抱いていた。
だが、こうして、地下室で奮闘しているレイリーを目にしている今は、ただひらすら、成功を祈るだけだ。
省10
612: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:26 ID:263ZQ54w0(23/225) AAS
「邪を食らえ。呪を糧にせよ……聖なる力を現わせよ……!」
レイリーは目を閉じる。
この時、首都の周辺や、シギアル港に微かな変化が見られ始めた。
それは、誰にも気づかれない様な物であったが……この時、微かながらも、上空に薄い膜のようなものができていた。
それはほんのりとした淡い青い色で、透明でいて透明ではない。
そんな曖昧な色であった。
「現出せよ……現出せよ……其は阻む物であり、導く物……この地に現れよ!」
省5
613: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:27 ID:263ZQ54w0(24/225) AAS
同日 午前6時35分 シギアル沖北東52マイル地点
空母ヨークタウンを発艦したS1Aハイライダーを操縦する、ジェイド・パステルナーク大尉は、第1次攻撃隊の先導役として攻撃隊の前方
10マイルを時速260マイル(416キロ)で巡航していた時に、それを見つけた。
「……トム!前方で何かが光ってる!」
パステルナーク大尉は後部座席に座るトム・スタッカート兵曹長に向けて頓狂な声を上げた。
「機長!その何かとは何ですか!?」
「光だよ!あそこだ、見えるか?」
省15
614: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:28 ID:263ZQ54w0(25/225) AAS
サンディリーダーこと、エンタープライズ隊指揮官兼第1次攻撃隊指揮官であるユージン・リンゼイ中佐が応答した。
「前方50マイル付近に青白い光のような物が見えます!」
「青白い光か……間違いない、目標だな。」
無線機の向こう側にいるリンゼイ中佐は、そう確信していた。
「ブルームーン、そのまま先導を続けてくれ。攻撃隊も君達に続く」
「アイ・サー。しっかり先導します!」
パステルナークはマイクを置き、巡航速度を保ったまま先導を続けた。
距離が近付くにつれて、その青白い光の形が明らかになってきた。
目標より30マイルまで迫ると、雲はちりぢりとなっており、最初見た時はうっすらと見えるだけだった青白い物は、今や薄く、
淡い青色をした巨大なドーム状の形をしていた。
省11
615: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:29 ID:263ZQ54w0(26/225) AAS
前方はもちろんの事、左右、そして右、斜め後方に直上。
偵察機乗りにとって、周囲の確認は基本動作の1つとなっているが、天敵のワイバーンや敵飛空艇に襲われればひとたまりもないため、
戦闘機乗りと同等か、それ以上に真剣になって安全確認を行う。
過去の戦闘では、敵ワイバーンに不意を食らって、危うく撃墜されかけたこともある。
幸いにも、パステルナークは難を逃れる事ができたが、一歩間違えれば、自分の墓がアーリントン墓地に建てられる所までいったのだ。
例え戦況が有利な時であっても、周囲の警戒は必ず行うのが常であった。
「高度3000、敵の拠点から30マイルという目と鼻の先で飛行しているにもかかわらず、未だに敵ワイバーンの迎撃は無し……か。」
パステルナークは、この時確信していた。
「これは、決まったな。」
同日 午前6時40分 ウェルバンル中心部 海軍総司令部
省10
616: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:29 ID:263ZQ54w0(27/225) AAS
「どうも何も、魔法通信が全く使えなくなったんだ。それも、この建物にいる魔導士全員が!」
「魔導士全員だって!?なんでそんなことが……」
「原因は目下調査中だけど……ついてきて」
ヴィルリエは出口のドアに親指を向けると、ズカズカと足音を立てながら仮眠室から出て行く。
リリスティもベッドから慌てて起き上がり、傍のコートハンガーにかけてあった軍服の上着を羽織りながらヴィルリエの後を追った。
程なくして、窓のそばに立ったヴィルリエは、空を指差した。
「恐らく、原因はアレね」
「……これは!?」
リリスティは、空に広がる薄く、青白い膜のような物を見て驚愕の表情を浮かべた。
「まさか……妨害工作!」
省13
617: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:30 ID:263ZQ54w0(28/225) AAS
(しかし、なぜこのような通信妨害が……いつの間にか、首都に敵の工作員が潜入したからこうなってしまったの確か。では、その工作員の
目的は?もしかして、市民を扇動して暴動を始めようとしているのか?)
彼女は最初、首都に潜入した工作員が、ウェルバンルにおいて暴動を発生させて首都を混乱に陥れようとしているのかと考えた。
だが、それはあり得なかった。
現在の体制には、戦争遂行に関する不満はあちこちから出始めているものの、国民の殆どは未だに皇帝、オールフェス・リリスレイに忠誠を
誓っているからだ。
その国民が暴動を起こすなど考えられなかった。
それでは、首都に敵の特殊部隊が潜入し、帝国宮殿を始めとする官庁街の攻撃を企てているのか?
このような大規模通信妨害が実行されている以上、確かにあり得そうではあった。
だが、帝国宮殿は、首都付近に駐留する親衛師団が防備しており、官庁街の警備も厚いことで知られている。
省13
618: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:32 ID:263ZQ54w0(29/225) AAS
「伝令、参りました!」
「命令を伝える。今から首都近郊の海軍ワイバーン基地に行き、連絡用のワイバーン1騎を司令部周辺に派遣するように伝えよ。
これは最優先命令だ」
彼は、書き殴った急ごしらえの命令書を伝令に渡し、海軍ワイバーン基地に向かわせた。
伝令が作戦室から飛び出していくのを見つめたレンスは、リリスティに顔を向けた。
「とにもかくも、今は連絡手段の強化に務めるしかない。ワイバーンなら、高速で命令を伝えることが可能だ。魔法通信よりは効率が悪いがな」
「いえ、良い方法だと思われます」
リリスティはレンスの行動を素直に評価した。
元々、レンス元帥は一兵卒から順当に上り詰めた優秀かつ、勇猛果敢な軍人である。
若い頃は前線で活躍を成し、当時の敵対国から「血潮のレンス」、「海の猛獣」と呼ばれるほど恐れられた前線指揮官でもあった。
省12
619: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:33 ID:263ZQ54w0(30/225) AAS
不可解な通信妨害に、誰もが頭を悩ませていた時……彼らはやってきた。
午前7時8分、唐突に作戦室へ武装した兵が飛び込んできた。海軍総司令部の警備兵だ。
「失礼します!!」
その兵はすぐにレンス元帥の前に走りよると、早口で言葉をまくしたてた。
「屋上の監視台から、シギアル港上空に敵の飛空艇と思しき物が見えました!単発機です!」
「な……!?」
省11
620: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:33 ID:263ZQ54w0(31/225) AAS
「事前の情報通り、シホットの連中は湾口の入り口付近を要塞砲で狙えるようにしているな。こりゃ、生半可な艦隊で挑んだら速攻で
返り討ちに遭うぞ」
パステルナークは防御の充実ぶりに内心舌を巻いたが、周囲を警戒しつつ、偵察を続行する。
今度は、軍港に停泊する多数の艦船を視認した。
「いたぞ、敵の守備艦隊だ……ほほう、旧式とはいえ、戦艦らしきものもいるな」
「数は1、2、3……大体7隻ぐらいですね。そして巡洋艦、駆逐艦など多数か」
「トム!すぐに報告を送れ!」
「アイアイサー!」
「内容はこうだ。我、シギアル港に到達す。敵騎の姿見ず、対空砲火の反撃は見られず。軍港には守備艦隊を確認。戦艦6ないし7、
巡洋艦4ないし5、駆逐艦、小型艦多数停泊中!」
省9
621: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:34 ID:263ZQ54w0(32/225) AAS
ユージン・リンゼイ中佐の率いる第1次攻撃隊430機は、午前7時9分、シギアル港に到達した。
高度3000メートルで巡航していた第1次攻撃隊は、通信妨害の展開されている膜内に突入した。
「ほほう、これはまた凄い港だ。ノーフォークと比較してもいい勝負になりそうだぞ」
リンゼイ中佐は、異世界特有の変わった雰囲気ながらも、規模も大きく、整理の行き届いた良港を見るなり、思わず感嘆の言葉を漏らしてしまった。
「本当に迎撃が無いな……よし!」
リンゼイはマイクを握ると、第3艦隊司令部に報告を送り始めた。
省10
622: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:38 ID:263ZQ54w0(33/225) AAS
艦船の間を、伝令を乗せた小型艇が行き来し、陸上に降りた兵は港の司令部や艦隊旗艦に向けて命令の受領を受けに行く。
航空基地のワイバーン隊は、命令伝達の遅れから迎撃準備に手間取り、竜騎士たちは何の説明も受けれぬまま、大慌てで愛騎に近寄り、格納棟から
騎付きの世話係と共にワイバーンを引っ張り出していく。
混乱は混乱を呼び、それに手間取るだけ準備が遅れていく。
訓練通りにやった動作を行おうにも、まさかの空襲によって動転した兵員たちはあちこちでいらぬ失敗を繰り返し、それもまた迎撃準備の遅れに繋がった。
同じことは、シギアル港所属の第6艦隊でも起こっていた。
その間、米艦載機の大編隊は悠然と編隊飛行を続けている。
やがて、各飛行隊は母艦ごとに分かれると、それぞれの攻撃位置に向かい始めた。
第6艦隊の各艦は、どうにか戦闘準備を終えつつあった。
同艦隊は、戦艦ビグマベルンザを始めとし、ゼイルファルンザ、クレングラ ポアック ヒーレリラ リングスツ ヒレンリ、
省13
623: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:39 ID:263ZQ54w0(34/225) AAS
「攻撃目標……前方の敵戦艦!」
距離は2000メートルほど。
スカイレイダーは対空砲火を避けるため、高度10メートルどころか、5メートル前後の超低空飛行を行い、機首の大馬力エンジンを
唸らせながら驀進している。
敵戦艦は前部に連装式の主砲を背負い式に2基搭載し、後部甲板には1基搭載している。
艦橋の形は合衆国海軍の旧式戦艦とは異なり、シホールアンル艦に共通するがっしりとした箱型となっている。
煙突の無い中央部は思いのほかすっきりしているように見えるが、目を凝らすと、対空火器らしき物が見受けられる。
だが、それらの対空火器は、リンゼイ隊に向けてまだ光弾を放ってきていない。
(敵さん、かなり慌てているのか……まだ反撃が来んな)
まぁ、無理もない。と、彼は同乗の言葉を漏らした。
省14
624: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:40 ID:263ZQ54w0(35/225) AAS
その時、ビグマベルンザ乗員たちの関心は、既にスカイレイダーには向けられていなかった。
「魚雷接近します!その数……8!!」
「……」
艦長は絶句してしまった。
その直後、ビグマベルンザの左舷に8本の魚雷がまんべんなく突き刺さった。
魚雷が命中するや、高々と水柱が立ち上がる。
命中箇所に近い甲板上にいた銃座の兵員が、吹きあがった爆炎と衝撃波に巻き込まれてグロテスクな惨死体に代わり、その無数の肉片が、
破壊された銃座の破片や水柱と共に宙高く吹き上がる。
ビグマベルンザ級戦艦は、シホールアンル帝国海軍の中では最古参の戦艦であり、魚雷に対応する水雷防御は全く持ち合わせていなかった。
そのため、ビグマベルンザの巨体には8つの大穴が穿たれ、そこから大量の海水が艦内に流れ始めた。
省18
625: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:40 ID:263ZQ54w0(36/225) AAS
強引に飛び立とうしたワイバーンも出てくるが、そこにすかさず、別のF8F小隊が殺到して20ミリ弾を叩き込む。
大口径弾を受けた竜騎士の体は無残にも吹き飛び、ワイバーンもまた全身をずたずたに引き裂かれて、上がりかけていた体を地面に叩き落される。
ワイバーンの並ぶ列線にも、F8Fは情け容赦なく20ミリ弾を撃ち込み、生き残っていたワイバーンの個体数が激減していく。
そこに、ダメ押しとばかりに、スカイレイダーの爆撃が始まった。
基地の対空砲火は、猛然と急降下するスカイレイダーを激しく対空射撃で迎え撃つ。
高射砲弾がスカイレイダーの周囲で炸裂し、黒煙を咲かせる。
1機のスカイレイダーが右主翼を吹き飛ばされ、炎と煙を吐きながら錐もみ状態で墜落するが、残りは轟音を発しながら急降下を続ける。
スカイレイダーの急降下爆撃は、誰が見ても鮮やかな物であった。
高度300メートルまで降下したスカイレイダーは、胴体に搭載されていた3発の1000ポンド爆弾を投下した。
ワイバーン格納棟に3発の爆弾が突き刺さるや、大音響と共に爆裂し、格納棟が木っ端微塵に吹き飛ばされる。
省15
626: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:41 ID:263ZQ54w0(37/225) AAS
12ゼルド離れた場所から幾度となく届くその音は、シギアル港が相当数の敵に叩かれている事を如実に表していた。
「報告はまだ入っておりませんが、監視塔から見た限りでは、停泊中の艦船とワイバーン基地に攻撃が集中しているように思えます」
「おのれ……魔法通信さえ使えれば、状況はすぐに把握できるのだが……!」
レンス元帥は歯噛みしながら唸り声を上げる。
「かといって、シギアル港に偵察のワイバーンを派遣しても、敵にやられてしまうかもしれん」
「……司令官。首都周辺の対空陣地は、全て戦闘準備を完了したとの報告が入りました」
ヴィルリエは、そそくさと入室してきた伝令から紙を受け取り、その内容をレンス元帥に報告する。
省13
627: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:42 ID:263ZQ54w0(38/225) AAS
レンスは、右の頬に傷の入った、いかつい顔つきの青年士官の顔を見つめた。
ローシェルト少佐は歴戦の海軍竜騎士であり、今年1月に起きたレーミア湾海戦で負傷してからは前線を離れ、回復した後も専ら後方で
後進の育成に当たっていた。
レンス元帥とは、過去に練習隊の視察に訪れた際に顔を合わせている。
「突然の乱入を行ってしまい、甚だ無礼ではありますが、今はそれどころではありません」
「……敵の正体を知っているようだな。よろしい、報告したまえ」
レンス元帥は、ローシェルト少佐の行動に理解を示した後、彼に報告を促す。
「では申し上げます。シギアル港は、敵の空母艦載機によって攻撃を受けております!」
室内の誰もが、息を呑んだ瞬間だった。
省13
628: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:43 ID:263ZQ54w0(39/225) AAS
「私の所属するワイバーン基地は、ちょうど、この忌々しい膜の外にあります。ここには、まだ多数のワイバーンが配備されています。
また、北方の基地にも少なからぬ数のワイバーンや飛空艇が残っています。シェルフィクル防衛に多数が引き抜かれていますが、
敵機動部隊に打撃を与える分の戦力はまだ残っています。反撃を行うためにも、まずは、索敵を行いたいのですが……いかがです?」
「……戦力が残っている……と言う事は、まだこちらにも勝機があると言う事だな」
レンスは、やや張りのある声音でローシェルトに言う。
「その通りです。私がすぐに基地に戻り、そこから魔法通信でこの緊急事態を全軍に伝えます。そして、そこから来襲しつつある、
新たな敵攻撃隊の迎撃と、敵機動部隊に対する反撃を行うのです」
「……よろしい!」
レンスは大きく頷いた。
「君の言う通りにしよう。少佐、君はすぐに基地へ戻り、全軍にこの状況を知らせよ。そして、索敵隊を飛ばし、敵機動部隊を発見、
省8
629: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/17(日)23:44 ID:263ZQ54w0(40/225) AAS
シホールアンル軍首脳部が、どうにか反撃の糸口を見出しつつある中、第1次攻撃隊の攻撃は更に激しさを増していた。
空母ヨークタウン所属のAD-1スカイレイダー12機は、軽空母フェイトの攻撃隊と共同で、桟橋に停泊している巡洋艦、駆逐艦に
攻撃を加えていた。
1機3発ずつ搭載された1000ポンド爆弾が、高度400~300あたりで投下され、高速で巡洋艦の甲板や主砲に命中する。
1000ポンド爆弾の炸裂は甲板に大穴を穿ち、主砲塔をひしゃげさせる。
対空銃座の兵員達は、一瞬にして銃座ごと爆砕されて胡散霧消し、現場には濛々たる黒煙が噴き出し始めた。
別の巡洋艦には、フェイト隊の艦載機が放った魚雷が命中する。
水雷防御という概念が無い時代に開発、建造された巡洋艦にとって、魚雷が1発でも命中すれば即、沈没に繋がるが、この巡洋艦には
一度に4本もの魚雷が命中した。
巡洋艦は被雷直後、大量の浸水によって急激にバランスを崩し、被雷から僅か10分で転覆してしまった。
省14
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