アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますたNo.14 (1000レス)
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523: 『背負いもの』 2015/12/04(金)22:06 ID:RdMeM99M0(4/21) AAS
この世界に召喚され、そして南大陸諸国とシホールアンル、マオンド両国との戦争に参戦したアメリカ合衆国はこの戦争中、同盟国の軍隊に様々な装備を大量に供与し続けた。その実情はシホールアンル帝国が自国の新聞で「南大陸の軍隊は兵士以外は全てアメリカ製」と揶揄するほどである。
この供与されたアメリカ製装備は、それまでお世辞にも優秀とはいえない装備でシホールアンル帝国軍と苦しい戦いを強いられてきた南大陸各国軍の兵士たちから大いに歓迎され、彼らの士気と戦闘能力を大きく高めるのであるが、何事にも例外は存在するとの言葉通りに全く歓迎されなかった装備も存在した。
例えば携行性には優れるもののその不味さから不評であったKレーションは南大陸各国の軍隊でもその不味さにより様々な『伝説』を残し、この世界の人々にアメリカ料理に対する偏見を植え付けることとなる。また陸軍兵士や海兵隊員から信頼を寄せられていたM1ヘルメットはカレアントの獣人たちから「アメリカの兜は頭に合わない」「耳が痛くなる」などと酷評され、この結果カレアント公国軍の技術者たちがかの女王陛下直々の命により国産ヘルメットの開発に乗り出す羽目になっていた。
そしてこのM1910ハバーサックもまた、そういった装備の一つであった。
アメリカ合衆国が第1次世界大戦に参戦した時に大量に生産されたこれは軍用背嚢としてはかなり奇妙なデザインをしている。大抵の背嚢が袋や鞄に背負うためのストラップが付いた形をしているのに対し、これは平たい布に何本かのストラップが付いた形をしているのだ。
その使い方は大雑把に言えばまず本体である正方形の布の部分の上に荷物を並べて包み、縫い付けられている固縛用ストラップで解けないようにしっかりと縛る。そしてこれを"Y"の字を成すように縫い付けられている長2本(完成時には肩ベルトとなる)短1本、合計3本の連結用ストラップ(マニュアルでは『サスペンダー』と表記されている)で銃剣や水筒を取り付けたカートリッジベルトと連結する。
最後にこうして背嚢としての体裁を整えたハバーサックに様々なもの、ブランケットキャリアーと呼ばれる野営用毛布携行用の運搬具や食器入れなどを連結すると野戦装備一式の完成となるのだが、これを身に着けて訓練や戦闘を行った兵士たちからは当然のように不平不満が噴き出している。
曰く、背嚢としては明らかに容量不足、しかも荷造りをするのが非常に面倒
曰く、固縛用ストラップがすぐに緩むせいで荷造りした荷物がぽろぽろ落ちる
曰く、ブランケットキャリアーを連結すると座れなくなる
そしてこれを大量に供与された南大陸各国の兵士たちもまた、この背嚢を様々な表現で罵った。
ある者は荷物のこぼれ落ちる様から『穴空き袋』『垂れ流し袋』とこの背嚢を呼び、またある者はブランケットキャリアーを連結すると座れなくなることから『アメリカ製起立強制具』と呼んだ。親米家の女王を戴くカレアント公国陸軍の軍人ですら『女王陛下も褒め称えるのを躊躇するレベルの出来の悪さだ』とぼやくほどである。
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