アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますたNo.14 (1000レス)
アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますたNo.14 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/
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570: 名無し三等陸士@F世界 [sage] 投下お疲れ様でした 航空突撃連隊(ルフトシュトゥルムレギメント)……原語でもかっこいい響きですね そして後半ではついに敵である異世界の軍勢の具体的な姿が明らかになるのかな? 次回の投下、楽しみにお待ちしております http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/570
571: 名無し三等陸士@F世界 [] しくじり先生 urx.mobi/sCIF http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/571
572: へへ [] HUNTER×HUNTER irohaya.xyz/ieae http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/572
573: 名無し三等陸士@F世界 [sage] ベルリン市街戦、後半部分投下。 銃声が一段落し第3中隊長から橋を確保した旨の連絡が入ると車列は一挙に動き始める。 敵戦線に開けた穴に多数の戦力を注ぎ込み傷口を広げるかのごとく浸透することはドイツ人民軍及びその模範となったソビエト連邦軍の基本である。 当然ながら自分の背後には自動車化狙撃兵連隊のSPz-BMP-2が列を成し、突破口となるウンター・デン・リンデン通りから横に広がる準備を整えている。 そして車列が動き出した頃合を見計らってか上空を複数のMi-8ヘリコプターが通過していく。 Mi-8に
は我々の仲間である第4中隊が搭乗し、彼らをフンボルト大学などの重要な建物に降下させ、地上部隊がその建物に取り付くまで側面に配した機関銃で支援する手はずになっている。 人や怪物の死体や破片が折り重なり血が川となってシュプレー川に注ぐ橋を越える。 フンボルト大学は渡河地点から200m弱の所にあるので、敵と交戦しながらといっても到着までそれほど時間はかからない。 到着した頃には第4中隊はすでに降下を完了し大学の天井を何箇所か爆破して中に入ろうとしていた。 「こちら第2中隊、大学に到着、これより生存者の捜索と内部の掃討を行
う!」 『第4中隊了解、こちらは上層階から確認する、射撃の際誤射に注意せよ!』 無線手が第4中隊と交信を行う間、私は小隊長に指示を出していく。 「事前の打ち合わせどおりだ、第1小隊は外縁部の掃討と確保を、第2小隊は1階から順番に捜索し、第3小隊は第4中隊と連絡するため事前に指定した階段を確保せよ。 民間人を確認したらすぐに報告し、護衛を付けてこの位置まで誘導すること。 また誤射を避けるため上層階へ上がる際は必ず私に報告し、未確認の区域に入る場合には大声で人民軍であることを名乗るとともに射撃の際は敵であるか十分に確認す
ること。 本部は現在位置に展開する、かかれ!」 各小隊長に指示を出すと小隊長はそれぞれの部下をまとめて移動の準備を速やかに整え、兵士たちを動かしていく。 「ドイツ人民軍だ!」という声とともに第2小隊の兵士達は大学の中へと入っていった。 『こちら第3小隊、第4中隊が保護した民間人を保護、これより本部へ護送を引き継ぎます。』 「こちら本部了解。・・・リツケ、他の部隊の状況はどうだ?」 部隊用無線機のスイッチを切り、広域用大型無線機を背負い受話器を耳に当てた兵士に尋ねる。 「第4中隊は最上階を制圧し順次下に向かっています。現
在民間人4名を保護し第3小隊へ引き渡した模様です。」 「他の部隊は?」 「第1、第3中隊はヴィルヘルム通りの手前でバリケードに足止めされていますが、燃料と弾薬の補給が済み次第Mi-8による支援が行われるようです。 またそこまでの道は第3自動車化狙撃兵連隊が確保しています。フリードリヒ通りを南下している第1自動車化狙撃兵連隊は駅を確保して現在周辺区域の掃討に入っています。 ライプツィガー通りを西に向かっている第2自動車化歩兵連隊もおおむね順調に進んでいますが暴徒が西ベルリンに入ったために追撃が出来ないようです。」 「西側は一
体何をしているんだ。みすみす奴らを逃がせば第3連隊の側面も危ういだろうに。」 側面攻撃の危険を避けるために後背により多くの戦力を割かねばならない第3自動車化狙撃兵連隊長に私は少しばかり同情したが、すぐに気持ちを切り替え自分の任務に集中することにした。 第3小隊の兵士たちが民間人を連れて大学から出てきたからである。最終的に航空突撃連隊はフンボルト大学からこの5名を含む13名の民間人と人民警察官を救出した。 この戦いの後、各連隊にブリュッヘル勲章が授与されるが、民間人の救出という特別の功績を挙げたとして航空突撃連隊には
祖国防衛武勇勲章が追加で授与された。 そしてこれは東ドイツにおける最後の勲章の授与であり、唯一の戦功に基づく勲章の授与となったのである。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/573
574: 名無し三等陸士@F世界 [sage] 投下終了。東ドイツ軍に申し訳ばかりの光を当てておきます。 次からは異世界へ進出する諸々の準備のお話を予定。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/574
575: 名無し三等陸士@F世界 [sage] 遅くなりましたが投下乙でした >これは東ドイツにおける最後の勲章の授与であり、唯一の戦功に基づく勲章の授与となった 未知の侵略者から祖国と人民を守って戦い、その戦功により勲章を授与された人民軍の兵士たち しかし彼らが守った祖国は程なくして消滅…諸行無常、盛者必衰が世の理とはいえ、せつない話ですな 次回の投下も楽しみにお待ちしております http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/575
576: 名無し三等陸士@F世界 [sage] 新しい作品が投下されているのをついさっき知りました 投下乙です Gateなんかは首都の中心部に門が現れたことで他国の軍を入れない言い訳に使ったと聞きますが こちらでは駐留していた他国の軍隊が思ったよりもたよりなくて自分たちで再び統一へ向かうと言った形でしょうか アメリカよりも内情がヤバイソ連政府のほうが頭を抱えていそうな事件ですね 西ドイツ人「ついでだし戦闘に紛れて西側に飾ってある戦勝記念のT-34を破壊しておこう」 次の投下も待ってます http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie
/4152/1380813462/576
577: 名無し三等陸士@F世界 [sage] ご無沙汰しております。 続きが上がったので投下します。 今回は時系列をベルリン事件の直後に設定しなおし、異世界進出の準備を進めて行こうと思います。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/577
578: 名無し三等陸士@F世界 [sage] 『ごきげんようみなさん。NATO司令部に各加盟国首脳をお迎えすることが出来て光栄でございます。 こういった会議が12ヶ月以内に2回開催されることはNATO結成以来始めての出来事であります。』 12月3日ブリュッセルNATO総司令部でのマンフレート・ヴェルナー事務総長のあいさつ 東ドイツで深刻な政治的混乱が起こっていた頃、主要国の間では「もう1つの問題」についての議論が進められていた。 ブランデンブルク門での騒乱の調査が進むにつれて、この事件が単なる「暴動」ではなく「組織的で計画された攻撃」であ
ること、そしてそれを行ったのは先の見えなくなったブランデンブルク門(後に異世界のよく似た門と入れ替わってしまったことが判明する)の先にあるであろう異世界の軍勢であることが分かってきたからである。(この「非科学的な」現象に科学者たちの間でも大きな論争が起こったがそれは脇においておく) 主要国が「異世界の問題」に対してまず重要視したのは、どの組織が主導権を握るか、という「管轄」の問題であった。ドイツやフランスは「これはヨーロッパの問題でありヨーロッパで解決すべきだ」として(西)ヨーロッパによる解決を望んだ。 一方
でアメリカやイギリスは「これは軍事的要素が非常に大きく絡んでおり大規模な軍事行動も視野に含めなければならない」としてNATOによる解決を提案し、東欧諸国などは「これは世界全体で当たるべき問題である」という理由から国連が主導すべきと主張した。 これを象徴するかのように、ブリュッセルでは11月末のNATO理事会にて「11月9日に発生した事態(ブランデンブルク門事件)は(当時ベルリンを占領していた)アメリカ・フランス・イギリスへの攻撃であり、北大西洋条約第5条の適用範囲とみなす」という内容の決議を採択すると、 12月初頭にはワルシ
ャワで東ドイツの代表が欠席する中「ベルリンで発生した事件についてワルシャワ条約第4条を適用することを認める」旨の決議を採択した。 ただしこの決議には「適用についての最終的な判断はドイツ民主共和国政府が行う」という付帯条件が付けられ(しかも判断を下す前に政府が消滅する)、 またソ連はワルシャワにおける決定に賛成を投じた一方で「いかなる組織が解決に当たるとしても、この問題の処理に当たっては十分な透明性を維持しつつ理性的に行わなければならない」と述べるなど国家としての姿勢を明確にはしなかった。 これを受けてポーランド
やチェコスロバキアなど東欧諸国はヨーロッパ以外の共産国や反米感情の強い国などと共同で国連にこの問題を提起することを試みたが、 アメリカ・フランス・イギリスの反対を受けたばかりかソ連や中国の支持も取り付けられない有様で到底実現可能なものではなかった。 最終的にイタリア、日本、オーストラリア、カナダ等の賛同を取り付けたアメリカとイギリスの提案に決定されることになるが、いずれの場合であれ、「東ドイツ問題」を早急に片付けることが必要である点では一致していた。 そのため「クリスマス決定」を主軸としたいささか強引とも言え
るドイツ再統一が実行されたのである。関係各国が外交交渉を重ねていた頃、ベルリンの市内は緊張に包まれていた。 警察署長 「11月以降の西ベルリンは1945年のような雰囲気に包まれていました。崩れた建物があちこちにあって、その前をジープに乗ってライフルを担いだ駐留軍兵士が巡回していました。 市民たちは街角に立つ兵士たちを見て萎縮していました。しかし、今回の事態は警察だけで手に負えるような問題ではないことも事実でした。11月の悲劇を食い止めたのは彼ら自身であることは明白だったからです。 駐留軍がティーアガルテンの森を切り倒
し、機関銃や対空砲を据え付け、コンクリートの壁で覆って軍事基地としていく様を我々警察官は遠巻きに見ることしか出来ませんでした。 酒場では、市民たちがそれを指して『鉄のカーテン』だと皮肉っては笑い話にしていました。」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/578
579: 名無し三等陸士@F世界 [sage] 投下完了。進行速度が亀のようなものですがね。 引越しの関係でIDが変わりました。数ヵ月後また変更されるかもしれません。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/579
580: 名無し三等陸士@F世界 [sage] 乙です。着々と異世界進出の準備が整っていますね 先の攻撃で異世界軍側の捕虜はどのくらい獲得できたのか? http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/580
581: 名無し三等陸士@F世界 [sage] こんばんは。 異世界側の設定がまとまらないので現代側の政治論争とかを扱っていることは「とある政府機関(OGA)」の機密情報だ、いいね? あと戦勝記念碑のくだりは後で扱うかもしれませんね。 とりあえず投下します。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/581
582: 名無し三等陸士@F世界 [sage] 警察署長 「11月以降の西ベルリンは1945年のような雰囲気に包まれていました。崩れた建物があちこちにあって、その前をジープに乗ってライフルを担いだ駐留軍兵士が巡回していました。 市民たちは街角に立つ兵士たちを見て萎縮していました。しかし、今回の事態は警察だけで手に負えるような問題ではないことも事実でした。11月の悲劇を食い止めたのは彼ら自身であることは明白だったからです。 駐留軍がティーアガルテンの森を切り倒し、機関銃や対空砲を据え付け、コンクリートの壁で覆って軍事基地としていく様
を我々警察官は遠巻きに見ることしか出来ませんでした。 酒場では、市民たちがそれを指して『鉄のカーテン』だと皮肉っては笑い話にしていました。」 西ドイツのフロム将軍はこう語る。 「12月の緊急首脳会議でも、6月の定例首脳会議でも、公式の発表に『共同戦線』という単語を明記することはありませんでした。 ドイツが統一されるまで、いわゆる『西ベルリン問題』はNATOの問題ではありませんでしたし、またドイツの問題でもありませんでした。 あの問題について議論できたのはそこに軍隊を置いていた米英仏の三ヶ国だけで、ドイツ政府がそれに直
接関わることができたのは、ドイツが統一されベルリンが正式にドイツの管理下に置かれてからでした。 もっとも、NATOによる解決が採択された時点でドイツ連邦軍を含めた各国の軍隊は『NATO軍の一員として』ブランデンブルク門の問題解決に加わることになりましたが、 他のNATO加盟国はソ連を刺激しかねないような行動に積極的に参加することをよしとしませんでした。」 フランス外務省のクールベ事務官はこう述べる。 「ミッテラン大統領は性急なドイツ統一には反対していましたが、統一が現実的なものになるにつれて統一されたドイツに対して何かし
らの影響力を保持することを考えるようになりました。 その中でまず考えたのがブランデンブルク門とベルリンに駐屯するフランス軍の存在でした。 彼はこれを用いることで門の管理を行うという形である程度の影響力を得られると判断し、それをいかに大きくするかを考えていました。 またフランスはブランデンブルク門がヨーロッパ再興の切り札になると考えていました。そのためこの問題を処理に海の向こうの超大国を介在させることは避けなければならないと考えていました。 アメリカが主導権を握ればフランスにとって門を維持する理由が失われる可能性
があったからです。しかしながら、それらを実現するのは元々から困難でした。 アメリカが主張していたように、西欧諸国の軍隊はアメリカの支援無しに大規模な軍事行動を展開することは困難であったことはもちろんですし、 わが国の提案を支持してくれるだろうと我々が予想していたイギリスとイタリアがアメリカに付いたという誤算もありましたが、 そもそもとして当時のヨーロッパは経済面での統合が進んでいた一方で、外交や安全保障の面では明確な進展が無かったことが最大の理由でした。 当時のヨーロッパでは超大国と対等に交渉することなど最初か
ら不可能だったのです。」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/582
583: 名無し三等陸士@F世界 [sage] ジェイコブ補佐官 「大統領はNATOに解決させることによって自分が主導権を握ると同時にソ連の介入を最小限に抑えられると考えていました。しかし私はソ連の介入する余地は十分にあると思っていました。 東ドイツには多くのソ連軍が駐留しており、そこに西側諸国の軍隊が多数駐留すれば情勢が不安定になると考えていました。 またソ連がベルリンへ向かう道をいつでも押さえられる立場にあることはドイツ統一後も変わりませんでした。しかしだからといってソ連に対し速やかに軍隊を撤収させることを求めるのは非現実
的でした。 東ドイツを含め、東欧に展開するソ連軍の数は膨大なものであり、それを短期間で撤収させるのはたとえ我々が全面的に援助したとしても不可能で、 ましてや今から大規模な戦争を始めるであろう我々にはソ連に対する大規模な援助は難しいと考えていたからです。 そのため私は大統領にベルリンへの軍隊の移動と展開はソ連の情勢を踏まえたうえで慎重に行うべきだ、と助言しました。」 ルビノフ副外相 「国内体制の立て直しに集中するあまり、ソビエトの対外的な影響力について軽視しすぎているのではないかという批判が存在していましたが、そ
れは守旧派の意見であり政治局では主流ではありませんでした。 当時のソビエトには他所の喧嘩に口出しするだけの余裕はありませんでしたし、ゴルバチョフ書記長もそれについて全く考えていませんでした。 しかし、ブランデンブルク門を含めた東ドイツ問題の彼の態度は政治局の改革派の面々にも疑念を抱かせるものでした。 疑念を抱いた彼らはゴルバチョフが東欧諸国をアメリカに売ろうとしていると考え、守旧派の意見に共感を覚えるようになっていきました。」 ジェイコブ補佐官 「CIAはゴルバチョフが東欧に介入する意思がないことを報告しており、
それを元に軍部は東ドイツでの自由な行動を要求していました。 しかし国務省はそれが現地における偶発的な事態を招くことになると懸念し一定の歯止めを利かせるように進言しました。こういったホワイトハウス内でのいざこざはよくあることです。 最終的に大統領はソ連との交渉の結果を見て決定すると判断し、私に交渉するように命じました。 細かい内容は機密ですが、クレムリンで行われた交渉の結果、ソ連はベルリン内での軍隊の自由な活動を認めることとベルリン周辺のソ連軍を最優先で撤収させること、 それらの代わりに我々はそれ以外の東ドイツ地
域では軍隊を駐留させないこと、地上からのベルリンへの移動ルートは東西分断前に西側が使っていたルートに制限し軍隊の移動をソ連側に事前に通告すること、 指定されたソ連軍部隊の撤収にかかる費用の半分をアメリカが負担することを約束しました。これらから分かるとおり、偶発的な事態を可能な限り避けるという点をソ連の指導者は非常に重視していました。」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/583
584: 名無し三等陸士@F世界 [sage] 投下終了。 そびえと の おすみつき を てにいれたぞ !! 今気付いたけど警察署長の台詞がダブってる・・・ http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/584
585: 名無し三等陸士@F世界 [] ゲリラ的に投下 『記者のみなさん、合衆国大統領です。』 『質問をお受けいたします。』 『大統領、ベルリンで起こった惨劇は異世界との戦争を意味するのでしょうか?』 『我々はあらゆる可能性を探っておりますが、ベルリンで起こっていることは全く未知の現象であり、それに関する情報が致命的なまでに不足している現在、我々は最悪の事態を想定して行動しております。 これはヨーロッパの防衛に関わる重要な事態を引き起こしかねないため、NATO各国はそれに対応するために限定的な動員をかけております。』 『それ
に対してソビエトが反応する可能性についてどう思われますか?』 『すでにクレムリンとは話をつけておりベルリン問題に対応している点についてはソ連の確認を取ったうえで行っております。 強調しますが、動員は必要最低限のものであり、これにより核戦争に発展することは無く、また市民生活に影響を与えることは無いことを保障いたします。 多少道路が混雑するかもしれませんがね。』 (異世界との戦争についてどう思われますか? マインツでの街頭調査) 『彼らは我々を攻撃したんだ、それに対して報復するのは当然だ。』 『軍事的解決は必ずしも
いい事じゃない。他の手段も考えるべきだ。ワシントンは将軍たちの言いなりになっているんじゃないか?』 『ブッシュは生活に影響はないといったが、現に軍が買い占めてるせいで今年はワクチンの値段が明らかに高いんだ。 このままじゃ今年の冬はインフルエンザが流行るかもしれない。あと妻は卵が値上がりしたとぼやいていたぞ。』 フロム将軍 「アメリカとイギリスの特殊部隊が先んじて情報を収集した結果、2月ごろには門の向こうでも人間の生存やその造形物が機能することに問題がないことが確認されました。 それを受けてNATOでは門の向こうにお
ける軍事行動の計画を本格的に進めることを決定し、それに応じた部隊の動員と編成を始めました。 これにおいて一番重要とされたのは何よりも感染症対策でした。ガスマスクを常備させ訓練を徹底することはもちろんのこと、部隊における医療関係者の比率を通常より多くし、 手に入るワクチンを可能な限り接種させるとともに、消毒用の消石灰を大量に用意の上、焼却処理のための火炎放射器も各国で調達しました。 我々連邦軍は東ドイツ軍の工兵隊がソ連製の火炎放射器を装備していたためそれを編成に組み込み、一部は小規模な同盟国軍にも貸与しました。
フランスは自軍の武器庫の在庫から必要数を用意しました。自軍の装備にないイギリスとアメリカは外国から調達しました。 大半はカナダやオーストラリアのものだったようですが、アメリカ兵の一部は日本語が記されたものを使う部隊もありました。」 ジェイコブ補佐官 「全く未知の世界に進出するのですからその活動においては病原体の抑え込み、特に持ち帰らないことは最重要事項になります。 消石灰や焼却処理用の装備や燃料は民間市場や同盟国などから購入する形で簡単に用意できましたが、人間の免疫はそうはいきません。 そのため軍隊の準備におい
て一番手間と時間がかかったのは大量のワクチンの用意とその投与でした。 特にワクチンの接種は基本的に一回に1つずつしかできませんし、しかも次の投与まで2週間前後の間を空けなければなりません。 そのため大統領を含めNATO主要国の間では異世界に派兵するのは1991年になってからだと考えていました。 それまでは、偵察も兼ねて少数の特殊部隊を投入する程度でしたが、門を越える際は極めて厳重な検疫が施されました。」 フロム将軍 「NATO軍の動きとして、1990年の3月にはすでにどういった部隊を送るかについて計画はまとまっていましたし、 5月
からドイツ南部で共同演習を繰り返して様々な段取りのすり合わせも行われていました。 軍隊として見るならば、ドイツ統一が行われた時点で、すでに我々は命令さえあれば異世界に進出して最低限の活動が出来る段階にあったといえます。 進出することへの問題があるとすれば予定された予防接種が遅々として進まなかったことぐらいだと皆は言っていました。」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/585
586: 名無し三等陸士@F世界 [sage] 投下終了。 ようやくNATOが本格的に動き出しました。 これ読んでる人は相当少ないだろうなあと今日この頃。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/586
587: 名無し三等陸士@F世界 [sage] 投下乙でした 派遣部隊の編成と合同演習に情報収集のための特殊部隊の投入、そして防疫体制の構築… 華々しい戦闘シーンも良いものですが、戦いの準備が着々と整えられていく様子もまた良いものですね 次の投下も楽しみに待ってます http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/587
588: 名無し三等陸士@F世界 [sage] 投下乙 描かれることは少ないですが、やはり未知の場所へ行くのには防疫は欠かせませんよね こっそりDDTを持ち込もう まとめwikiとかに転載されれば見てくれる人も増えるのかな 板まで来ないでまとめwikiのコメント欄にコメントするだけ人も多いみたいだし http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/588
589: 名無し三等陸士@F世界 [sage] 投下乙です。 これを読んでる少ない人wの一人ですが、こう着々と準備を整えるのはいいものですな~。 ただ、本家ゲートでも触れられていない問題がありまして、 やはり都市部に「門」が開くと兵站等の構築に問題が生じてしまう点があるんですよね・・・ その都市の物流や経済にも悪影響もたらしますし、「門」を移動できないものかと考えてしまうものです。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1380813462/589
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