アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますたNo.14 (1000レス)
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692: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/26(火)16:02 ID:263ZQ54w0(89/225) AAS
「俺としては、無事に終わらせる予定だったが……無様な醜態を晒してしまった。だが、皆には本当に感謝している。ありがとう」
「……レイリーさん!」
いきなり、サミリャがレイリーの体に抱き着いてきた。
「お…おい!クサンドゥス中尉……」
「本当に、心配したんですよ?レイリーさんの熱い体を引きずり出したとき、もう死んでいるかもしれないと思ったほどでしたぜ」
クシンクは腕を組みつつ、苦笑しながらレイリーに言うが、その口調には感謝してくれよ、という気持ちも含まれていた。
「はは……どうも、俺はなぁ。昔から人に迷惑をかける癖が付いちまってな」
省10
693: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/26(火)16:03 ID:263ZQ54w0(90/225) AAS
午前9時25分 第3艦隊旗艦 空母エンタープライズ
エンタープライズの艦橋内では、第2次攻撃隊指揮官機より伝えられた報告が、通信参謀のアラン・レイバック中佐によって読み上げられていた。
「攻撃終了。敵港湾施設、並びに、艦船多数を撃沈。敵秘密工場より発進準備中であった新兵器に甚大なる損害を与えたり。
また、湾口の閉塞も完了。敵新兵器の撃破は成功するも、残りの秘密工場は未だに建材なり。敵の迎撃熾烈、第3次攻撃の要ありと認む」
「第3次攻撃の要あり、か」
報告に聞き入っていた第3艦隊司令長官、ウィリアム・ハルゼー大将は、ゆっくりと頷きながら、航空参謀のホレスト・モルン大佐に顔を向ける。
「第1次攻撃隊はもうすぐ帰還だったな?」
「はい。あと5分ほどで機動部隊に到達予定です。攻撃隊の収容には1時間程かかる見込みです。それから……」
省16
694: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/07/26(火)16:03 ID:263ZQ54w0(91/225) AAS
SS投下終了です。
695(1): 2016/07/26(火)20:39 ID:RdMeM99M0(16/21) AAS
ヨークタウン氏、投下乙です
今回も前回に負けず劣らずの内容ですね
巡洋艦撃沈による湾口封鎖、ついにベールを脱いだ秘密兵器とそれをめぐる攻防戦
そしてそのあえない最期…見どころが盛り沢山だ
とどめがハルゼーの「一波乱来るかもしれんぞ」という言葉
次の話が待ち遠しくて仕方ありません
696(1): 2016/07/27(水)00:40 ID:9R7ffzTs0(17/29) AAS
投下乙です
ついに登場した空中艦隊
いや~強敵でしたね(棒)
猛威を振るった2000ポンド爆弾
もし空中に逃げていたらドイツの戦艦ティルピッツのように
デカイ爆弾を戦略爆撃機を使って当てなきゃいけない
みたいな自体にもなりかませんでしたね
攻撃時間的にオールフェスが目にする空中艦隊の姿はもはや鉄くずとなった後の姿
こんな特殊な船を作るのに割りを食った他の部門もあっただろうに
首都ウェルバンルに響くアメリカ艦載機のエンジン音
省8
697(1): 2016/07/27(水)12:15 ID:Xo64bPlI0(1/2) AAS
お膝元を奇襲され新兵器も破壊され....
さて、皇帝がどう判断するか....
徹底抗戦か、講話か。
698(1): 2016/07/27(水)23:32 ID:9/HsxjMw0(3/4) AAS
うおおおおおまた更新きてたぁぁぁぁあああああ
新兵器が逃げ切るのではないかと思いハラハラしてみていました
流石AD-1
しかし全てが上手く行く物でもないですね
次回も期待しております
699(1): 2016/07/28(木)01:15 ID:Pbx6.li60(1/6) AAS
更新お疲れ様です!
こっちの攻撃ターンばっかりでしたがとうとう相手のターンも来るのかな?
しかし秘密兵器もやられちゃったし帝都ももう安全圏ではないし皇帝はこっからどうするのだろうか
そういえば、P-80やB-36の出番が…!
700(1): 2016/07/29(金)19:42 ID:09HlkyNU0(2/2) AAS
青く澄んだ美しい色の魔法石を使った空中戦艦・・・見てみたいもんだ
701(1): 2016/07/31(日)08:03 ID:oJQZp5P60(1) AAS
仮に全隻無事に就航したとしても、アメリカ相手に如何運用するつもりだったんだ?
現状の戦力差じゃゲリラ的に出没して襲撃かける位しか使い様が思いつかんのだが
702: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/08/01(月)19:39 ID:263ZQ54w0(92/225) AAS
皆さまレスありがとうございます。
>>695氏 ありがとうございます。空中軍艦の戦闘シーンはどう展開しようか迷いましたが、このような感じになりました。
初飛行が1日早ければ、難を逃れたんですが……運はアメリカ側についてしまいましたね。
>次の投下
目下、準備中です。今週中には行けそうです
>>696氏 空中艦隊は、その真価を発揮する前にドッグごと爆砕されてしまいましたね……
一応、1000ポンド爆弾で爆撃していたら、確実に高かったんですが、まさかの2000ポンド爆弾でしたので、本当に不運
としか言いようがないです
>国民のパニックはむしろここから始まりそうな感じもあります
その通りですね。大空襲の結果、首都の人口流出は一気に加速するでしょう
省13
703: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/08/01(月)19:41 ID:263ZQ54w0(93/225) AAS
そういえば、ツイッターの方でも報告いたしましたが、自分のpixivに外国の方からファンアートが送られてきました。
それから、韓国のサイトでも、自分のSSがナムウィキという所で大々的に紹介されていたり、韓国のSSサイトでも転載されて
いたりと、海外の方にも読まれているようです
こちらがそのサイトですね。韓国語なので、グーグル翻訳を使った方が読みやすいです。
外部リンク:namu.wiki
(韓国語で、グーグル翻訳でそこそこ分かるようになっています)
無論、色々言われていたりしますが、それでも国内のみならず、外国の方にこのしがないSSが読まれている事に、自分は深く
感謝しております。
省3
704: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/08/01(月)22:34 ID:263ZQ54w0(94/225) AAS
それでは、SSを投下いたします。
705: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/08/01(月)22:39 ID:263ZQ54w0(95/225) AAS
第276話 シギアル沖の攻防
1485年(1945年)12月9日 午前10時 シギアル港沖北東250マイル地点
軽空母フェイトより発艦したTBFアベンジャーは、機動部隊より西方30マイル付近を高度1000メートル、巡航速度200マイルを
維持しながら、単機で哨戒飛行を行っていた。
「機長!交代まであと20分です!」
アベンジャーを操縦するケラーズ・パースランド大尉は、後ろから交代までの残り時間を知らせてくる部下の声を聞いた。
省16
706: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/08/01(月)22:40 ID:263ZQ54w0(96/225) AAS
ちなみに、通常なら艦隊の30マイル前方にレーダーピケット艦を置き、その更に前方を早期警戒機で紹介するのが常であるのだが、
今回は、レーダーピケット艦を置けば、早々に出撃しているであろう敵偵察機にピケット艦を発見され、そこから機動部隊の存在を察知される恐れが
多分にあった。、
このため、第3艦隊司令部はあえてレーダーピケット艦を置かぬ事を決め、その位置に早期警戒機を置いたのである。
時間は刻々と過ぎていく。
上空を通り過ぎる第2次攻撃隊も徐々に少なくなってきた。
「上空の運量は5、という所か。中高度で隠れながら飛ぶには最適の環境だ」
「機長、2次攻撃隊の連中も、そろそろ残り少なくなってきました」
「ああ。ここからが勝負所だな」
パースランドは淡々とした口調で言うが、本当は幾らか緊張していた。
省14
707: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/08/01(月)22:41 ID:263ZQ54w0(97/225) AAS
3人の場所は、見る所が同じように見えて、見えやすい所や、見えにくい所が意外と違っている場合が多々ある。
パイロットは前方や側面の視界は開けているが、後方はなかなか見る事が出来ない。
また、機外ばかりを見る訳にはいかず、機体の計器類も時折チェックしながら操縦を行わなければならない。
電信員は前方や後方が見辛いが、側面に関しては、前席のパイロットよりは集中して見る事が出来る。また、機上レーダーで監視も行える。
後部機銃首は位置的に、前方が見辛い物の、後方が見易いという利点もあるため、側面は勿論の事、後方も重点的に見る事が出来る。
また、アベンジャーの後部機銃手席は下にも開放ドアがあるため、その窓から海面を見る事も出来る。
このように、3人それぞれ、見える位置や索敵の仕方は微妙に異なって来る。
警戒機のクルーは、3人が互いに死角をカバーし合い、広範囲を見回せる1つの大きな目となる事を何よりも求められていた。
「……脱落機は今の所見えません。遭遇した攻撃隊は全機、機動部隊に帰還しています」
省12
708: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/08/01(月)22:41 ID:263ZQ54w0(98/225) AAS
「交代まであと2分」
「了解……?」
彼は機の姿勢を元に戻したが、その時……海面から100メートルほどの所に何か、蠢くものが見えた気がした。
「……すまんが、進路を変えるぞ」
パースランドはワントンの返事を待たずに、愛機を大きく左に傾け、旋回下降に入り始めた。
薄い雲が前方に見える。パースランド機は、その雲を突っ切る。
一瞬だけ、真っ白になった視界だが、再び青い海が見えた。
そして、眼前に、海の中に紛れ込むある物がはっきりと見えた。
「それで隠れたつもりか?」
省19
709: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/08/01(月)22:42 ID:263ZQ54w0(99/225) AAS
午前10時5分 シギアル沖北東280マイル地点
第38任務部隊第2任務群に属する正規空母イラストリアス艦上では、第2次攻撃隊に参加した艦載機の着艦作業が行われていた。
帰還機の中には、被弾で機体に穴の開いた機や、オイル漏れを起こしている機も見受けられるが、殆どの機体は危なげの無い動きで、
イラストリアスに着艦していく。
そんな中、イラストリアのCICでは、第38任務部隊司令官を務めるジョージ・マレー中将が幕僚達と共に、今しがた送られてきた
報告に耳を傾けていた。
「早期警戒機より緊急信!艦隊の西方、方位290度、距離32マイル付近にて単機飛行中の敵ワイバーンを発見せり。高度100前後、
速度280マイル。敵ワイバーンは尚も艦隊に向かいつつあり」
「司令、やはり送り狼が付いていましたな」
第38任務部隊参謀長を務めるジョセフ・バレンタイン大佐がマレー中将の顔を見据えながら発言する。
省9
710: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/08/01(月)22:43 ID:263ZQ54w0(100/225) AAS
「警戒機は、機動部隊から32マイル離れた海域で敵偵察騎を発見しましたが……もし、敵が索敵攻撃を仕掛けている場合、この偵察騎の後方、
100マイル前後の距離に敵の攻撃隊が続行していると思われます」
ケイン中佐は指示棒を傍に置き、近場に置いてあったペンで敵編隊の推定位置を書き込んでいく。
「ですが、この距離ならとっくに、レーダーで捕捉されております。となると、敵は後方に攻撃隊を帯同させず、単に索敵を行っているだけ、
と言う事も考えられます」
「情報を正確に把握してから、反撃を行うか……はたまた、どこかに攻撃隊を隠しているか、だな」
マレーは地図を見据えながらケインに言っていく。
「もし、君が敵の指揮官としたら……攻撃隊はどう動かすかね?」
「自分の場合なら……やはり、正確な位置を把握してから攻撃隊を飛ばし、確実に辿り着かせるようにします。50機であろうが、300機で
あろうが、まずは敵に辿り着かねば意味はありません」
省11
711: ヨークタウン◆.EC28/54Ag 2016/08/01(月)22:43 ID:263ZQ54w0(101/225) AAS
「撃墜はできなかったようだが、ひとまず、機動部隊を視認させずには済んだか」
「ですが、これで我が方の大まかな位置は掴まれた事かと」
「だろうな」
マレーは、地図上の敵偵察騎の駒を指先で突いた。
「今頃は、この位置に空母艦載機が現れたと魔法通信で報告しているだろう。不運な事に、首都周辺やシギアルに展開されていた妨害魔法は
突然消失してしまったと聞いている。これからは、敵さんもいつも通り、連携しながらこっちに向かって来るぞ」
「ある意味、ここが一番の勝負所と言えますな」
ケインの言葉を聞いたマレーは深く頷く。
「エンタープライズの親父(ブル・ハルゼーの事である)も、余力がある限りシギアル港やウェルバンル周辺の重要拠点を徹底的に叩きまくる
と言ってきている。それを可能にするためにも、ここからより気を引き締めて戦っていこう」
省11
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