型月とジョジョの奇妙な冒険 第十二部 ファンタズムブラッド (935レス)
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916: イリヤの奇妙な冒険26 2016/10/19(水)21:17 ID:wUkee6kg0(6/10) AAS
「けどメイド服は私に似合わないわ……見るのはいいけど。そうね、今度、生贄に着せたうえで儀式をしてみようかしら」
ちなみに、セレニケが人間を生贄とする場合、彼女が好みとするのは美少年である。
「ああでも……あの小娘に着せて、儀式をしてみたいものね。生き延びたんでしょう? イリヤちゃんは」
イリヤの名を口にするとき、彼女の口からは同時に瘴気が放たれたように感じられた。よほどの執着をしているのだろう。
「ああ。あのモンスターに打ち勝ったらしい。その時に見せた力もさることながら、『ドレス』研究陣は、クラスカードが聖杯戦争以前より強化されていることに関心をもったらしいな。アーチャーのカードが、聖杯戦争前は役立たずの弓した『限定展開(インクルード)』できなかったのに、サーヴァントの核となった後では、二振りの中華剣を『限定展開(インクルード)』してみせた」
そう言われ、セレニケは不思議に思った。最後の戦いにおいて、使い魔の類はモンスターによって始末されており、セレニケたちも脱出していた。一体、誰がその情報を持ってきたのか。
(魔術か、サーヴァントか、それともスタンド使いか。私たち以外にも、送り込まれた実力者がいたってことかしらね? あいつら、何を隠しているのか……)
秘密があることは不満だったが、魔術師は隠すことが基本である。仕方がないと諦め、セレニケは続きを聞く。
「クラスカードは根源にアクセスしてサーヴァントの力を降ろしているが、そのアクセスをする力が、サーヴァント召喚を経て強化されたのだろうというのが、研究陣の推測だ」
「へえ……つまり、ドレスが造った弱いクラスカードも、それを使って聖杯戦争をすれば、もっと強いカードになるかもしれないって?」
「まあな。だが、冬木にばら撒かれたカードの正体や、誰が造ったのかはわからずじまいだ。しばらく、あの町には監視が向けられるだろうな」
眼鏡の魔女は、ナイフの血を拭き取りながら話を聞き、
「ふぅん……じゃあ、まだ機会はあるわけね」
何の機会かなど、聞くまでもなかろう。その、血に酔い、残酷な死を想ってうっとりとほほ笑む彼女の様を見れば。
「ああ……魔法少女を愛でる機会は、まだあるさ」
同志に向かって男――言峰綺礼は頷く。その顔は、未来に胸をときめかせ、とても愉しそうだった。
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