型月とジョジョの奇妙な冒険 第十二部 ファンタズムブラッド (935レス)
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719: メランザーネ◆m2nIThBwKQ 2016/06/24(金)22:43 ID:6mbHc/aQ0(1/14) AAS
投下します。
720: イリヤの奇妙な冒険14 2016/06/24(金)22:44 ID:6mbHc/aQ0(2/14) AAS
【Fate/kaleid ocean ☆ イリヤの奇妙な冒険】
『14:Nest――巣窟』
【ある魔術師と殺人鬼の会話】
『お前の眼は凶悪だ。どんなものでも殺せる。だがな、忘れるな。眼は眼だ。見ることができなければ意味をなさない』
『ふん? だが、俺の眼は幽霊や、不可視の力でも見ることができるんだろう? 存在する以上は見える。見えれば殺せるはずじゃないか?』
『例外はある。まず、存在しないものは見えない。思想上の概念は、人間の頭の中にはあってもそれ自体は存在していない。言語や哲学は殺せない。また、不確定ないまだに定まらぬ事象は、まだそこにない。まだ生まれていないものは殺せない。未来は殺せない』
『めんどくさいな。だがそういったものと敵対するということがあるのか?』
『可能性は無限だ、なんてな。それよりもう少し現実的な、見えないものをあげるとだ………逃げ隠れしているものは見えない』
『逃げ隠れ? そりゃ確かに見えないようにしているものは見えにくいだろうが、こちらだって探そうとすれば見つかるだろう』
省13
721: イリヤの奇妙な冒険14 2016/06/24(金)22:47 ID:6mbHc/aQ0(3/14) AAS
ルヴィアの一言に、凛が頭をはたく。
「だってっ、そんな感じじゃないですのっ!」
「言わんとすることはわからんでもない」
「しかしこいつはまあ………」
ルヴィアがわめき、アーチャーとアヴドゥルが、目の前の光景に顔をしかめる。
「わかりやすくていいんじゃない?」
ランサーの物言いどおり、確かにわかりやすくはあった。
省19
722: イリヤの奇妙な冒険14 2016/06/24(金)22:48 ID:6mbHc/aQ0(4/14) AAS
《ほう、ここで使いますか。イリヤさん、いい機会ですから見ててください。英霊のカードの使い方を》
美遊は、戦車(チャリオット)を駆る鎧騎士の絵柄を施されたカードを、ステッキに当てる。すると、カードが光を放ち、ステッキと融合していく。同時にステッキの形が変化していく。
「クラスカード・ライダー。限定展開(インクルード)――【他者封印・鮮血神殿(ブラッドフォート・アンドロメダ)】」
一瞬、ステッキから紅い光が放たれたかと思うと、冬木市民会館の建物、敷地をまとめて飲み込むドーム状の結界が展開される。その結界こそは、ステッキ――サファイアが姿を変えたものであった。その様は、血走った巨大な眼球に取り込まれたかのように見えた。
「わかった。そのモニュメントの下」
省20
723: イリヤの奇妙な冒険14 2016/06/24(金)22:50 ID:6mbHc/aQ0(5/14) AAS
「真っ暗だな。私はこの程度ならわかるが………アヴドゥル、一応明かりを用意してくれるか」
「ああ。それとついでに………【魔術師の赤(マジシャンズ・レッド)】!」
六つの炎の塊が出現し、通路を明るく照らし出す。炎はアーチャーより数メートル先に浮かび、進んでいく。
「この炎は生物探知機だ。人間、動物の呼吸や皮膚呼吸、物体の動く気配を感じ取る。スタンドのエネルギーの動き………サーヴァントもだ。サーヴァントはスタンド以上の強力なエネルギーの塊だからわかりやすい。これを見て進もう」
前後・左右・上下の対となる炎は、それぞれ細い炎の紐で繋がっている。さらにそれら三本の炎の紐は、六つの炎の中央で交わって、一体となっている。
「この六つの炎はそれぞれ前後・左右・上下の方向に対応し、半径15メートルにいるものなら、どの方向にどんな大きさの物が隠れているかわかる」
「凄い便利……炎を操るってそんなことまでできるんだ……」
《チートですねー》
省23
724: イリヤの奇妙な冒険14 2016/06/24(金)22:51 ID:6mbHc/aQ0(6/14) AAS
ガラスを擦る音に似た、しかしより重みのある音が鳴り、同時に無数の光が生まれ、イリヤたちへと放たれた。
「まずっ!」
「魔術障壁!」
イリヤと美遊、凛とルヴィアが急いで魔術の壁を張り、アヴドゥルもとっさに炎を投げつけ、敵の攻撃を迎撃する。
だが、
ドドドドドドドドドッ!!
「ちょっ………なんだかどんどん続いてるんだけどっ!?」
「なんって魔術………!!」
《あれらの魔法陣は現在のどの系統にも属さないものですねー》
《恐らく失われた神代の魔術と思われます。現在の魔術では太刀打ちできません》
省24
725: イリヤの奇妙な冒険14 2016/06/24(金)22:52 ID:6mbHc/aQ0(7/14) AAS
「大規模攻撃が来るわ!! 全力で魔術障壁を!!」
凛はそう言いながらも、理解していた。次の一撃は、カレイドステッキの魔術障壁でも耐えきれないと。
「っ!! 待て、まだ炎の探知機に反応がっ!!」
更に悪いことに、炎の探知機は右後方に、キャスターとは別の何者かの存在を感じ取っていた。
「【魔術師の赤(マジシャンズ・レッド)】!! クロス・ファイアー・ハリケーン!!」
省21
726: イリヤの奇妙な冒険14 2016/06/24(金)22:53 ID:6mbHc/aQ0(8/14) AAS
イリヤたちが、迫る死に焦燥を胸に抱いたとき、
「前のいけ好かないマスターには見せなかった私の力………教えそびれていたから、今、見せるわ」
ランサーの背後に、大量の糸が現れ、その糸は蠢き、編み上げられ、やがて人型を形成していく。
髪はなく、耳の部位は突起がついている。サングラスをかけ、肩にはパイソン柄のショルダーパッド、足にはシューズ。胸部以外の全身には鋲を打ったような凹凸が、模様のように散りばめられている。
彼女の能力は、ただ自分を糸状にするだけではない。糸のスタンド――強くしなやか、縦横無尽、自由自在。細く長く、そして時に、太く強い。
彼女の精神の像(ヴィジョン)は、完全な姿でそこに現れた。
今こそ、彼女は己の分身の名を呼ぶ。
省23
727: イリヤの奇妙な冒険14 2016/06/24(金)22:54 ID:6mbHc/aQ0(9/14) AAS
「えっ? ちょっ!?」
「ひっ!」
「うえええ!?」
イリヤはもちろん、凛やルヴィア、美遊さえも狼狽の声を上げる。だが、他に手もなく、4人はアサシンでつくられたドームの中に入る。
「まだまだっ!!」
ランサーはそう言って、更に飛びかかってくるアサシンたちを捕え、魔砲めがけて投げ飛ばしていく。アーチャーたちも同様だ。アサシンたちの動きは黒化しているがためか単調で、元よりサーヴァントとしては低い身体能力が、それを使う思考能力を失い、更に弱くなっていた。
とてもアサシンに勝ち目はないが、令呪の命令により『殺せ』と言われた以上、逃げることはできなかった。無為な戦いに、彼らは投入されていく。
そして次々に投げ飛ばされ、キャスターの砲撃の贄となる。そして、アサシンが焼かれるごとに、少しずつ砲撃の威力は弱まっていった。
「これで最後っ!!」
省27
728: イリヤの奇妙な冒険14 2016/06/24(金)22:56 ID:6mbHc/aQ0(10/14) AAS
キャスターは魔術の狙いを変更し、イリヤを攻撃しようとして、
「狙射(シュート)!!」
防御の無い背後からの攻撃を、まともに受けた。
「!!?」
キャスターは吹き飛び、弧を描いて落下する。
それをなしたのは、美遊。キャスターの浮かぶよりも更に高みから、昨夜のライダー戦のイリヤのように、攻撃を行ったのだ。
省22
729: イリヤの奇妙な冒険14 2016/06/24(金)23:00 ID:6mbHc/aQ0(11/14) AAS
「何あれっ! あのメイド服は魔術礼装だっていうの!?」
「だとすれば、つくった奴は相当の趣味人だな」
アーチャーは追おうするが、アサシンに阻まれる。20体のアサシンの力は、アーチャーたちを殺すには至らないが、足止めならば正しく行えた。ランサーが最後の一体を殴り倒し、アサシンのカードへと転じた時には、セレニケを追える時間はなくなっていた。
「凛さーんっ!!」
「申し訳ありませんルヴィアさん………キャスターの姿がどこにも………」
アサシンを倒し終えたとき、イリヤと美遊が戻ってきた。
《どこに行ってしまったのか影も形もないですねー。カードも見当たらないので、あのまま消滅したわけでもないでしょう》
《残念ながら、逃げられましたね。転移も使える魔術師なら、逃げる方法はいくらでもあるでしょうし》
「くっ………せめてこの神殿を調べれば………」
省24
730(1): イリヤの奇妙な冒険14 2016/06/24(金)23:01 ID:6mbHc/aQ0(12/14) AAS
【CLASS】アサシン
【マスター】セレニケ・アイスコル・ユグドミレニア
【真名】ハサン・サッバーハ
【性別】‐
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力C 耐久D 敏捷A 魔力C 幸運E 宝具B
【クラス別能力】
・気配遮断:A+
完全に気配と断てば発見することは不可能に近い。ただし、自らが攻撃体勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。
【保有スキル】
省13
731: メランザーネ◆m2nIThBwKQ 2016/06/24(金)23:03 ID:6mbHc/aQ0(13/14) AAS
以上です。
733: メランザーネ◆m2nIThBwKQ 2016/06/24(金)23:20 ID:6mbHc/aQ0(14/14) AAS
お早い激励ありがとうございます。読んでくれている人がいるとわかると励みになります
いつも投下すると数分で書き込んでくれる人がいますが同じ人なんでしょうか?
どうやってすぐ投下がわかるんでしょう?
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