型月系ダークエロについて語ろう その6 (852レス)
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217: 2018/01/29(月)02:20 ID:PhyLSTts0(1/6) AAS
朝には出勤なのに、なんか書いてた

 一時帰国していた遠坂凛はロンドンに戻るとすぐに塔に出向き、エルメロイ教室の一同に祝福される中、衛宮士郎との結婚を報告した。
 祝福する側、された側も共に魔術師でありながら、全員の浮かべた笑顔も口々に祝う言葉もどれもが本物であったことは勿論、遠坂と衛宮の血筋ではなく心から二人を思ってのものであったというのは、塔の長い歴史の中でもきわめて稀なことだったろう。
 だが、おおよそ魔術師らしからぬ幸せな結婚生活を手にした凛はしかし、一年と経たず――それとは裏腹な、いかにも魔術師らしい酷薄な決断を下す羽目に陥っていた。
 遠坂の跡継ぎを急いたのか、良人となった士郎を自分のもとに繋ぎ止めておく鎹(かすがい)をこそ熱望したのか、己の手で密かに妊娠検査を繰り返した凛の得た最終的な結論は、不妊体質であるという自らの致命的な欠陥であった。

 厳密には「出来ない」ではなく、「相当に難しい」。
 魔術師としての破滅が約束されたともいえる事情を打ち明けられる相手がいたことはまだしも凛にとっての救いだったのか、エルメロイⅡ世の伝手で紹介されたとある女性魔術師のその見立てに縋ることを決めた彼女は、更なる紹介を得てそこへ行き着いた。
 血を繋ぎ、魔術刻印を継承する。その積み重ねに己の代の存在価値を置き、次代へまた次代へと魔術を研鑽した果てに根源を目指そうという魔術師の世界だからこそ、当然にこれも古くから存在してきた、不妊治療を得手とする家系。
 塔にほど近く、でありながら近過ぎず。人目を忍ぶ魔術師の訪問にお誂えな立地に、同じ理由で好都合な程度に往来の多い通りへ面して、偽装としての店を構えるその魔術師は、家名をゾォルケンといった。
 凛と、そして士郎にも告げず会いに行く先方が先方であるからと同行したセイバー。二人に、かのマキリ・ゾォルケンが日本へ渡るより以前に分家していたのだという来歴を語った当主は、彼女たちと間桐の因縁を知っていた。
省2
218: 2018/01/29(月)02:21 ID:PhyLSTts0(2/6) AAS
「……間桐の、いえゾォルケンの魔術ということは」
 蟲を使うということよね――。
 望みは一つ、士郎の子を胎に宿すこと。そのためであれば、なにを躊躇う必要があるだろう。
 ゾォルケンの方が乗り気ですらあった申し出。これは願ってもない話であると頭では理解できていた凛だったが、自制しようと努めてはいてもやはり声の強ばりは隠せない。
 凛の嫌悪を察したゾォルケンは無理もないと頷いた。
 魔術師の家柄の人間といえど大昔とは違う。若い女性であれば蟲への生理的嫌悪感を持たないほうが珍しい。
 希望するのであれば魔術的な麻酔による深い眠りについたまま一切を認知の外に置いて、さながら繭に包まれた中でサナギが躰を作り変えていくかのように治療を済ませてしまうことも可能なのだが、と。
 とはいえ、そうではあっても当然ながら初対面の魔術師同士である。
 いくら治療のためとはいえ、他家の者の前にそうまで無防備になって体を預ける気にはなれないだろう、とも。
 そんな風に、どこかしら間桐慎二にも通じる容貌を持つ初老の男が、今日会ったばかりの小娘にここまでの理解を示してくるのだ。
省13
219: 2018/01/29(月)02:21 ID:PhyLSTts0(3/6) AAS
 これは挑戦である。
 少なくともセイバーはそう捉えた。
 そう捉えただろうことが凛にも分かってしまった。
 そしてセイバーには、マスターであり親友であり、同じ男を愛した同士である凛を何があろうと守ってみせるという決心があった。
 士郎との子供のために何だって犠牲にしてみせると誓った凛の決意と同じだけの覚悟で、何者をも引き換えにそうしてみせると誓っていたのだ。

「良いでしょう」
 ゾォルケンの治療とはつまり、外科的内科的な処置とは一線を画す技である。医療ではなく、あくまでも魔術。対象の霊的な改変をもって実現してみせるものなのだから、
「だから、たとえこの身が現し世に肉を持って立たぬゴーストライナーであったとしても、孕ませ――効果を発揮してみせる、と?」
 一同が場所を移した処置室には、一般世間の婦人科に見られる診察台と同じ配慮が施された寝台も置かれてはいた。
 施術される側の羞恥心を慮り、ゾォルケンの魔術師との間で視界を塞ぐカーテンが間に引かれた寝台だ。
省21
220: 2018/01/29(月)02:23 ID:PhyLSTts0(4/6) AAS
 床に裾を引き摺っていた魔術師のローブの下から、影になった中から湧き出したかのように、魔術師の足に踏まれるのを避けたかのように、現れると同時に素早くそれは動いた。
 貌を覆うもの。或いは、唇を奪うもの。今のような用途に使われる前はそう呼ばれていた蟲だ、と魔術師が説明した。
 人の肌じみた質感をした表面を持つ〈唇を奪うもの〉は、長い尾を震わせながら、体躯の左右に生えた四組八本の長い脚をわしゃわしゃと動かして寝台の足に飛びつき、一息にシーツの上にまで登りきってしまった。
 黙って施術を受け入れるという態度を示すつもりらしく天井を向いていたセイバーが、その気配に思わずといった体で目だけを自分の下半身の方に向ける。
 丁度、跳ねたようにシーツに上がった〈唇を奪うもの〉が、セイバーの大股開きになった太腿の間のスペースに立ち止まって様子を窺うかのようにしていたところだった。
 ゆるく尾をうねらせながら、目らしき物どころか頭らしい物も見当たらない体躯でありながら、自分の向かうべき場所は正確に把握しているようだった。
 セイバーの剥き出しの性器は望まぬながら男に振りかけられた蜜にまみれ、無垢なピンク色をした秘唇部分の粘膜をぬらぬらとぬめらせている。
 少女の子宮へと穢らわしい体躯を潜り込ませ、望めるものなら愛する男の精を受けて孕みたかった筈のセイバーを、まず凛の前に蟲の仔の妊婦に仕立て上げてみせるというゾォルケンの魔術師の意気込み。それを、ただ無感情に実現してみせるためだけに現れた蟲は、眼前にセイバー自身の意志でもって開け放されている花園を侵すことに、一切の躊躇を持たない。
 ぱっ、と八肢を広げてセイバーの股間に飛び付いた瞬間、〈唇を奪うもの〉の体躯の腹側に人間の女の秘部とそっくり同じ形状をした器官があったのが見えた。
「……ま、待って!」
省21
221: 2018/01/29(月)02:24 ID:PhyLSTts0(5/6) AAS
 思い描いてしまった未来予想図にぶるりと全身を震わせる凛の背に立って、ゾォルケンの当主は淡々と告げたのだった。
 まずは25日から38日、様子を見てもらいたい、と。
「……思っていたより、随分と短く済むのね」
 どこか投げやりな凛の反応を見咎めるでもなく、男は返す。
 人の子であればやはり十月十日は必要だろうが、なにまずこれはゾォルケンの蟲の力を見定めて貰いたいだけのこと。蟲の仔を孕ませるだけならそれで充分だ、と。
 帰り際、蟲には昼間の内は控え目にしておくようにという命令を刻んでおいたと、ゾォルケンの魔術師は凛に伝えた。
 自分の番が来た時、亭主殿に気付かれずに過ごせるかどうかはそれを見て判断してくれれば良いから、と。
 なに、無理と思えば覚悟を決めて一週間ほど当家の蟲蔵で寝泊まりしてくれれば、人の女の腹であればそれで済むと自信を覗かせる口調で請け合いながら。
 他家の魔術師のテリトリーで無防備に過ごすことに抵抗があっても、あれだけの最上級の使い魔が傍に控えているのなら心配することなど無いでしょうと、魔術師としての凛の力量を褒める社交辞令まで、穏やかな調子で挨拶に織り交ぜてきて。
「っ、っッ……」
省7
222: 2018/01/29(月)02:25 ID:PhyLSTts0(6/6) AAS
エイリアン・コベナントの続編の話、ご破産になったんだってな!
昔どこかにあったfate/プレデターとか大好きだったよ

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